22/10/06
「トイレ修理390円」のはずが55万円の請求詐欺に!詐欺・トラブルを防ぐにはどうすべきか
緊急時には、冷静な判断がしにくくなります。日常生活において急な故障や修理が必要になると、早く対応しなければ…と焦ってしまいがちです。特にトイレは後回しにできるものではありません。そうした弱みを逆手にとって、高額請求する悪徳商法が後を絶ちません。自分だけは大丈夫と思っている人ほど、事前の備えがないため、引っかかってしまいます。
今回は、消費生活センターに寄せられたトラブル事例から、トラブルを未然に防ぐ方法を学んでおきましょう。
気をつけたい水回り修理、鍵開けの高額請求トラブル
突然の水回りの修理を依頼するのに、知っている業者がなければ、ネットで検索するという方が多いでしょう。高額請求された方は、ネットで検索した業者に頼んで被害にあうケースが目立ちます。インターネットでは「リスティング広告」が利用され、一番高額な広告料を支払った会社が上位に掲示されるしくみになっています。しかし、上位に表示されるからといって信頼できる業者ばかりとは限りません。
また、ネットを普段利用しない高齢者などは、ポスティングされた「マグネット型広告」の業者に依頼をしてトラブルに巻き込まれています。安価な修理代金の広告を鵜呑みにしないことが重要です。
国民生活センターに寄せられた事例では、夜中にトイレの配管がつまり、ネットで調べた「料金390円から」の業者を呼ぶと、高額な作業を次々と提案され、広告の表示とは程遠い55万円が請求されたというものがあります。
また、読売新聞の報道によると、洗濯機付近の配管から漏水したため修理を頼むと、見積書もなくいきなり工事を始め、65万円の請求書を提示されたとのこと。保険が使えるとか、クレジットカード決済だと80万円になるとか理由をつけて、その場で強引に現金で支払わされました。後日別の業者にたずねてみると、数万円で終わる修理だったことが判明したそうです。結局、高額な修理代の返金はできないままです。なかには作業の途中で、業者がトイレの便器を外したまま帰ってしまったというケースもあるそうです。
火災保険・地震保険の保険金申請を業者がサポート?
近年、台風や大雨、地震などの自然災害が多くなっており、火災保険や地震保険の加入が以前より重要度を増しています。そうした保険や住宅修理に関するトラブルも増えています。
我が家にもその手の業者の電話がありました。火災保険の保険金を使って自己負担なく住宅修理ができるという勧誘や、保険金の申請サポートをするという話です。怪しい話だとすぐに思ったので、きっぱりと断りました。被害にあった男性は、業者に保険金の申請サポート契約をしたところ、保険金の50%が手数料として引かれる契約でびっくりしたそうです。
もともと保険金の請求は、契約者が保険代理店や保険会社に直接申請することができ、手数料はかかりません。もし、被害がなく保険金の請求を申請するなら、本人に悪意がなくても、保険会社をだましていることになり詐欺に加担していることになります。
住宅の修理においては、不安をあおって「今直さないと大変なことになる」と高額な契約を結ばされるケースもあります。特に、災害後の住宅修理は、甘い言葉で誘惑されることが多く、契約を急がせるケースもあり、普段以上に注意しておく必要があります。
お得にお試しのつもりが、定期購入に
いつまでも健康で、美しくありたい…。そうした消費者の願いに応えるように、テレビや新聞、チラシ以外にもネットで毎日、化粧品、サプリメントの購入の広告を目にします。今から30分以内なら「90%OFF、送料無料」、「表示されている方だけ」などと限定されると、このチャンスを逃すまいとして買いたくなりますね。
こうしたお試しの1回切りの購入が、定期購入に知らない間に移行しているケースがあります。試供品を送ってくるとか、1か月間無料などは定期購入させたいための一つの方法だと心得ましょう。契約の際は、定期購入が条件になっていないか、解約際の連絡手段、継続期間や総支払額など最終確認画面の表示を入念に確認しておきましょう。
悪徳業者に負けない賢い消費者になるには
悪徳業者はあの手この手でお金を騙し取ろうとしてきます。ですから、自衛の手段を知っておくことが大切です。
緊急を要する水回りの修理や開錠、害虫駆除でもすぐに契約せず、複数の業者から見積もりを取り、比較検討してください。自治体によっては、水道修理受付センターや自治体の水道局や建設局が対応して最寄りの指定工務店を教えてくれるところもあります。水漏れの場合、止水栓を閉めると漏水は防げます。止水栓がどこにあるかを普段から確かめておき、トラブルに備えるとよいでしょう。
また、火災保険の契約には、付帯サービスに水回りのトラブルやカギのトラブルに対応する会社もあります。利用回数や費用面は各社違いがありますが、万一のために契約を確認しておきましょう。
商品の購入や契約において、高額な作業を提案される場合や、違和感がある場合には、断るようにしましょう。また、契約を迫られてもその場で判断しないことも大事になります。
訪問販売や電話勧誘販売で契約した場合、クーリング・オフができることも知っておきましょう。
もし契約をして不安に感じたり、トラブルになったりした場合の相談窓口は、最寄りの市区町村や都道府県の消費生活センターです。電話番号は「188」。「いやや」とおぼえておきましょう。住宅に関する相談には、「住まいダイヤル」が対応しています。万が一の相談窓口を知っておくと、いざというときに心強いですね。
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池田 幸代 株式会社ブリエ 代表取締役 本気の家計プロ®
証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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