22/04/28
月1万円積立投資を20歳から70歳まで続けるといくらに増えるのか
お金を毎月1万円ずつ積み立てれば、1年で12万円、10年で120万円になります。
ただし、これは金利がつかない場合。もし積立投資で運用すれば、もっと増やすことが可能です。とはいえ1%や3%ではそんなに増やせない、と思っていませんか。
確かに、1万円の1%は100円、3%は300円と少額です。しかし長期の運用となれば話は別。時間を味方につけることでしっかり増やすことも可能です。
そこで今回は、20~70歳まで積立投資をしたらいくら増やせるか、50年後の元利合計金額をシミュレーションします。
積立投資シミュレーション1:年利1%の積立投資なら約780万円
50年=600ヵ月なので、50年間毎月1万円ずつ積み立てると、元金だけで600万円です。しかし、これは全く金利がつかない場合。いわばタンス預金です。
同じ毎月1万円でも、年利1%で積立投資をしていくと、50年後には約780万円にすることができます。
●積立投資シミュレーション:毎月1万円・年利1%で50年積立投資すると
筆者作成
ほんの1%ですが、50年かけて積立投資すれば約180万円増やせることがわかります。
1%の運用益を目指すなら、ローリスクの投資信託が手ごろです。現在、大手都市銀行などの金融機関では、普通預金金利は0.001%。ほとんど増やすことができない状況のなか、ローリスクの投資をするだけでも、リターンは決して小さくないと言えますね。
積立投資シミュレーション2:年利3%の積立投資なら約1385万円
では、年利3%で積立投資したらどうなるでしょうか。毎月1万円でも50年間積立投資をした場合には、約1385万円になります。
●積立投資シミュレーション:毎月1万円・年利3%で50年積立投資すると
筆者作成
シミュレーションでは、50年の積立投資によって、元金600万円が2倍以上に増やせています。元金が2倍になるような投資を1年でやろうと思えば超ハイリスクの運用になります。しかし、積立投資で50年間という長い時間をかけることで、年利3%のミドルリスクの運用で倍増を達成することも可能になります。
積立投資で安定した運用をするには、インデックス型の投資信託が手堅い選択です。国内外の株式や債券などにまとめて投資する、バランスのよいポートフォリオの金融商品を選ぶとよいでしょう。
積立投資シミュレーション3:年利5%の積立投資なら約2633万円
さらに、年利5%の積立投資のシミュレーションを見てみましょう。50年後にはなんと約2633万円です。積立投資によって元金の4倍以上に増えているのですから、長期運用の強みを感じますね。
●積立投資シミュレーション:毎月1万円・年利5%で50年積立投資すると
筆者作成
実際に5%の年利を目指して積立投資すると、グラフのようななめらかな右肩上がりにはならないことが多いでしょう。金融市場は国内外のさまざまな社会情勢の変化などの影響をうけ、利益を出すこともあれば、損失をこうむることもあり、資産増のペースが停滞することもあります。
しかし、長期的な視点に立てば谷があれば山があり、経済全体は成長していきますので、積立投資を続けていれば、結果的には利益を出すことができるでしょう。
積立投資で50年間運用するのですから、短期的な値動きに一喜一憂せず、どっしり構えて運用することが利益を出すコツです。
長期の積立投資ならつみたてNISAがおトク
投資で利益が出たら、20.315%の税金がかかります。銀行口座の預金金利が入金されると、摘要欄に「受取利息(税引)」などと記載される場合がありますが、これは利息から税金を差し引いて入金しましたよ、という意味です。
つまり、金利の税金はあらかじめ差し引かれているわけです。
同様のことが、投資でも行われます。税引き後の金額が年利3%や5%になっていれば、受取れる金額は上記のシミュレーションどおりになりますが、税引き前であればその分差し引かれ、手取りが少なくなってしまいます。
そこで活用したいのが、つみたてNISA(積立ニーサ)です。
つみたてNISAは、コツコツと積立投資を行い、得られた利益にかかる税金をなくせる制度。たとえば運用益が10万円でたら、通常は税金がかかって約8万円の受取りになるところ、つみたてNISAであれば10万円まるまる受け取れる、というものです。
さらに、つみたてNISAを利用できる金融商品は、金融庁が定める基準をクリアしたものばかり。手数料が安く難しい運用手法を取っていないなど、投資初心者にもオススメの投資信託やETFに限られています。
そのため、比較的安心して運用をすることができます。
毎月の積立投資の金額は1万円でも、長期の運用で利益をしっかり出すことが可能です。
今回の積立投資のシミュレーションのように、長く積立投資をするのであれば、スタートは早い方が有利。積立投資、さっそく始めてみてはいかがでしょうか。
【関連記事もチェック】
・公的年金の賦課方式、積立方式って何?積立方式にある決定的な3つの問題点
・【2022年版】クレジットカードで投信積立のできるサービス5選。もっともお得なのは?
・【2022年版】お金のプロ厳選、月1万円から始める積立ランキングベスト5
・楽天証券で米国株積立・ポイント投資する7つのメリットを解説
・年金保険料分を20歳から60歳まで積立運用したら40年間でいくら? 年金の必要性を考える
タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
この記事が気に入ったら
いいね!しよう