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22/04/02

資産運用・経済

貯蓄型保険ではお金がまったく増えない理由

貯蓄型保険ではお金がまったく増えない理由

保険はもしものときにお金で困ることに備えるためのもの。つまり「保障」をメインとするのが保険です。そのために活用するべきは「掛け捨て型」の保険。掛け捨て型の保険は、解約してもお金は戻ってきませんが、必要な保障を安く用意できるからです。

掛け捨て型の保険に加入をするのが経済的かつ合理的なのですが、掛金を積み立て、契約満期や中途解約のタイミングでお金を受け取れる「貯蓄型」の保険を選ぶ方がいます。
「保険で備えながら増やす」と、資産運用に活用する方もいるのですが、お金を増やすのが目的なら貯蓄型保険はおすすめできません。なぜなら、リスクを取って運用しているにも関わらず、保険料に占める手数料が高く、中途解約をすると元本割れの可能性が高いからです。

保険料の内訳はどうなっている?

保険会社に支払う保険料には、「純保険料」と「付加保険料」が含まれています。

●保険料の内訳は?

(株)Money&You作成

純保険料は、将来の保険金支払いに充てられる分で、どの保険会社でも大差ありません。対する付加保険料は保険会社の経費に充てられる分。保険会社の人件費・広告宣伝費・販売手数料・そのほかの経費などが含まれます。付加保険料の額は、保険会社が自由に決められます。一般に、掛け捨て型の保険やネット生保のほうが安くなっています。

付加保険料のなかに販売手数料が入っています。販売手数料は、保険を販売した代理店などに支払われる手数料です。販売手数料の割合は、商品により異なり、公表されていないことも多いのですが、おおよそ約3〜6%です。

各保険会社は純保険料と付加保険料の割合を公表していません。これを公表しているネット生保のライフネット生命によると、支払う保険料のうち3〜4割が付加保険料になっていることがわかります。ということは、貯蓄型保険の場合はもっと高いと考えられます。

支払っている保険料がすべて保障や貯蓄に回っているわけではありません。保障や貯蓄に回るのはあくまで純保険料の分だけで、残りは付加保険料となっていることを、まず押さえておきましょう。

「保険で備えて増やす」は非経済的・非合理的

純保険料には、もしものときの保障と、解約時に支払われる解約返戻金が含まれています。

●純保険料の内訳は?

(株)Money&You作成

掛け捨て型の場合は、そもそも解約返戻金がありません。純保険料で保障だけを用意できるため、保険料も少なくて済みます。
一方、貯蓄型保険のように、解約返戻金のある保険の場合は、純保険料に占める解約返戻金・保障の割合がわかりにくくなっています。純保険料では解約返戻金と保障を用意する必要があるため、保険料が高くなってしまうのです。

具体的にシミュレーションしてみましょう。
30歳男性が、
・貯蓄型保険(ドル建て終身保険)で保障と貯蓄(投資)を用意
・掛け捨て型の定期保険と投資信託で保障と貯蓄(投資)を用意
した場合の保険料・保障・利率を比較すると、次のようになります。

●貯蓄型保険vs掛け捨て型定期保険+投資

(株)Money&You作成

貯蓄型保険では、毎月約1万8500円の保険料を支払うことで、死亡時には保険金が約1242万円受け取れます。また予定利率(保険の運用利率)は2〜2.5%となっています。と、これだけをみればよさそうに思われる方も、もしかしたらいるかもしれません。

しかし、掛け捨て型定期保険ならば月々2560円で貯蓄型保険の倍近い2000万円の死亡保険金を用意できます。掛け捨て型のほうが安く、保障が充実しています。
さらに、残り1万6000円を投資信託(ここでは、SBI・全世界株式インデックス)に投資したとき、保有中の手数料(信託報酬)はわずか年0.1102%にもかかわらず、トータルリターン(3年)は14%以上。投資信託のほうが手数料も利率もいいのです。

したがって、貯蓄型保険を利用するよりも、定期保険と投資信託に分けて「保険は保険」「貯蓄(投資)は貯蓄(投資)」で準備したほうが、備えも万全ですし、お金もより増えることがわかります。

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変額保険もお金を増やす目的ならおすすめできない

変額保険は運用実績によって解約返戻金や満期保険金が変動する保険です。死亡時の保険金には最低保障額が定められていて、それを下回ることはありませんが、解約返戻金や満期保険金には最低保障額が定められていません。運用がうまくいけばその分多くの解約返戻金・満期保険金が受け取れますが、払い込んだ保険料よりも受け取れるお金が減ってしまうこともあります。

将来受け取れるお金が運用成果次第という点では、変額保険も投資信託も同じように思われるかもしれません。しかし、将来受け取れる金額はまったく違います。

●変額保険vs投資信託

(株)Money&You作成

図はある変額保険と投資信託に毎月2万6690円ずつ25年間積み立てて、35年間にわたって運用を行なった場合の元本合計・変額保険の解約返戻金・投資信託の資産額を示したものです。仮にこの間、運用利率が3%だったとしても、この変額保険では35年後の解約返戻金は786万円。元本合計は800万円ですから、元本割れしてしまいます。
一方、投資信託の場合、800万円の元本が35年後に1562万円と、ほぼ倍に増えています。

こうなる理由は、変額保険の手数料が高いからです。変額保険では、払い込んだ保険料の中から控除される手数料が投資信託よりもずっと割高です。そのうえ、変額保険を解約するときに支払う解約控除(解約時手数料)も高くつきます。上の表の金額は、解約控除をしたあとの金額になっています。

運用利率を3%にするには、資産の半分程度は株で運用する必要が出てくるでしょう。そこまでのリスクを取っていてもまったく増えないのは、手数料や解約控除が大きいからなのです。

そもそも変額保険は、「死亡保障が欲しいから」より、「お金を増やしたいから」入る方が多いでしょう。しかし、お金を増やしたいならば投資信託のほうがはるかに経済的かつ合理的です。

すでに貯蓄型保険に入っている場合は?

貯蓄型保険では、お金がまったく増えないことをご紹介してきました。貯蓄型保険で保険と投資をまとめて行うよりも、保険は掛け捨て型、投資は投資信託という具合に、別々に用意した方が、保険も投資も充実します。

だからといって、すでに貯蓄型保険に入っている場合、その貯蓄型保険を今すぐ解約すると手数料が発生し、元本割れしてしまいます。このような場合は、次善策として、保険料を最低額まで下げて満期まで継続するようにしましょう。これでも、元本割れするかもしれません。しかし、今すぐ解約するよりも傷が浅くて済むケースが多いでしょう。

貯蓄型保険は一見、普通預金よりも利率がいいですし、保険と投資が両立できて便利と思われるかもしれません。しかし、貯蓄型保険を利用するよりも保険は保険、投資は投資で分けたほうがお得。目先の便利さに惑わされないよう、マネーリテラシーを身につけていきましょう。

今回の内容は動画でも紹介しています。ぜひご覧ください。

頼藤 太希 マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍90冊、累計150万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。twitter→@yorifujitaiki

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