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22/03/15

相続・税金・年金

iDeCoを始めて安心した人が見落とす5つの「やばいポイント」

iDeCoを始めて安心した人が見落とす5つの「やばいポイント」

老後資金形成の定番となりつつあるiDeCo。節税効果が高く、効率よく資金を貯めることができるため人気ですが、実は思わぬ落とし穴も…。「とりあえず加入しとけば、あとは安心」はありません! 見落とすとやばい5つのポイントをご紹介します。

やばいポイント1:加入後は控除証明書とともに申告が必要!

iDeCoの掛金は、所得控除の一種である「小規模企業共済等掛金控除」の対象となっているため、課税所得から全額控除されます。この控除を受けるためには、会社員や公務員の場合は年末調整または確定申告、フリーランスや自営業の場合は確定申告が必要となります。この手続きをしないと、iDeCoを利用していても税金が安くなりません。ですから、控除証明書の添付のうえ、その年に支払った掛金を申告しましょう。

控除証明書はその年の11月下旬までにハガキで自宅に送付されます(ただし、初回支払日が11月の場合は12月下旬、12月の場合は翌年1月下旬に送付)。申告まで大切に保管しておきましょう。

万が一、控除証明書をなくしてしまった場合には契約している運営管理機関を通じて、国民年金基金連合会に「小規模企業共済等掛金払込証明書再発行申請書」という書類を提出することで、再発行することができます。ただし、再発行の控除証明書が手元に届くまでには約3週間かかるので、早めに提出しましょう。

やばいポイント2:転職や引っ越しをしたら手続きが必要!

他の商品にも言えることですが、iDeCoでも転職や引っ越しなどをした場合にはすぐに手続きが必要です。

●転職の場合

企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入していた人が転職した場合、企業型DCの資産を持ち運んで運用を続けることができます。転職先に企業型確定拠出年金(企業型DC)がある場合は、転職先の企業に申し出て、移換の手続きを行います。一方、転職先に企業型DCがない場合には、自分でiDeCoの口座を開設し、iDeCoに移換を行います。

移換をするときには、それまで保有してきた商品を一旦すべて売却し、移換先の運用商品を新たに購入する必要があります。しかし、資産を移換したあとに運用の指示をしないでいると、運営管理機関が指定した運用商品(指定運用商品)を購入してしまいます。指定運用商品は金融機関によって異なり、定期預金や指定の投資信託が選ばれています。どちらにせよ、自分の意図と違う商品が購入されれば想定している運用はできないため、思うように資産が増えなかったり、最悪、損をしたりすることもあります。

したがって、移換をしたあとは商品の確認もしっかりとすることが必要です。もしも自分の意図と異なる商品が購入されていれば、その商品を売って自分が買いたい商品を買い直しましょう。また、資産を移換したあと、掛金を出さないでいると、iDeCoの口座からただ口座管理料が引かれ、資産が減っていくだけになってしまいます。最低でも5000円の掛金を毎月支払っていれば、掛金の所得控除で毎年9000円分(所得税3000円・住民税6000円)の税金が安くでき、6万円は貯められますので、掛金を出すようにしましょう。

●引っ越しの場合

引っ越しの場合も住所変更の手続きを怠ると、所得控除に必要な控除証明書が手元に届かなくなる可能性があります。また、登録の情報が違っているからと掛金が還付されてしまうケースも。この場合、還付手数料が1,048円かかってしまいます。ですから、忘れずに住所変更しましょう。

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やばいポイント3:国民年金納付免除の際はiDeCoの休止が必要!

iDeCoは国民年金保険料の納付をしていない月は掛金を納めることができません。休止せずにそのままにしておくと、掛金が還付されてしまいます。先にも述べたように還付には手数料がかかってしまうため、その分損をしてしまうのです。

iDeCoは減額(年1回)や休止、また再開も自由にすることができます。収入が減ったなどの理由で国民年金保険料の免除申請をする際には、iDeCoの休止も忘れずに行いましょう。

やばいポイント4:iDeCoは手数料や維持費が意外とかかる!

iDeCoは意外と手数料と維持費がかかるという点も覚えておきたいポイントです。
口座開設時には加入時手数料としてiDeCoを管理している国民年金基金連合会に2,829円に支払う必要があります。加入後は掛金を拠出している間、国民年金基金連合会と事務委託先の金融機関に対し、毎月計171円の手数料を支払わなくてはなりません。また、金融機関によっては口座管理料(運営管理手数料)として毎月数百円の手数料を支払うケースもあります。

iDeCoの金融機関で「口座管理料が無料」などという触れ込みを見かけますが、加入時の手数料や毎月171円の手数料は必ずかかります。金融機関により金額は異なりますが、おおよそ初年度には約5000円~1万円、2年目以降も2000円~7000円ほどのお金がかかることを頭に入れておくとよいでしょう。もちろん、口座管理料が無料の会社を選んだほうがお得に運用できます。

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やばいポイント5:受取時に課税されるケースも!

節税イメージの強いiDeCoですが、資産の受け取り時に税金がかかってしまう場合もあります。iDeCoの資産の受け取り方には、一時金と年金があります(両方を組み合わせることもできます)。

一時金で受け取る場合には、「退職所得控除」が利用できます。退職所得控除の金額の計算式は退職金と同じで、勤続年数(iDeCoの場合は掛金の拠出年数)が20年を超えるかどうかで異なります。

・勤続(拠出)年数20年以下の場合:40万円×勤続(拠出)年数
・勤続(拠出)年数20年超の場合:800万円+70万円×(勤続(拠出)-20年)

たとえば、勤続(拠出)年数が20年の場合には、40万円×20年=800万円、30年間の場合には800万円+70万円×10年=1500万円となります。退職金とiDeCoの一時金を同時に受け取ったとき、この退職所得控除の金額を超えてしまうと、超えた部分に税金がかかります。

また、年金で受け取る場合には、「公的年金等控除」が利用できます。公的年金等控除の金額は、iDeCoの資産だけでなく、他の公的年金などの収入と合算して計算されます。65歳未満は年間60万円、65歳以上では110万円までは税金がかかりませんが、それを超える場合は税金がかかります。

まとめ

iDeCoは節税効果を生かしながら老後資金づくりができるお得な制度ですが、「やばいポイント」があるのも事実。きちんと理解したうえで、老後資金を賢く効率的に積み立てていきましょう。

城山ちょこ ライター

東京海上日動火災保険出身。慶応大学院SDM研究科修了。
2013年よりライターの道へ。執筆ジャンルは金融(保険)、働き方、子育て、結婚など女性のライフスタイル全般。2児の子育てと仕事の両立に日々奮闘中。丁寧でわかりやすい記事をモットーとしています!

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