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21/12/18

家計・ライフ

年収300万から3000万円まで10万円増えるごとに手取り額はいくら増えるのか

年収が100万円増えたら、手取りも100万円増えてくれると嬉しいのですが、そんなことはありません。たとえ年収が2倍になっても、手取りは2倍にはなりません。なぜなら、年収が上がるごとに、税金や社会保険料の金額が増えるからです。
今回は、年収300万円から3000万円まで年収が10万円増えるごとに、手取り額がいくら増えるのかグラフ化しましたので、ご紹介します。

年収が増えると手取り増のペースが鈍化

年収300万円から3000万円まで年収が10万円増えるごとに、手取り額がいくら増えるのか計算したグラフを紹介します。
前提は会社員40歳独身、東京都在住の方を想定。所得控除は基礎控除と社会保険料控除としており、社会保険料は、厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料、雇用保険料としています。

●年収300万円〜3000万円までの手取り額の推移

筆者作成

年収の増加スピードに対し、手取りの増加スピードが鈍化していることがわかります。しかも、年収はきれいに一直線に増加しているのに対し、手取りはよくみると途中から傾きが緩やかになっていきます。

これほどの差がつく要因は、年収と手取りの差額部分を分解するとわかります。

●年収300万円〜3000万円までの手取り額の推移(税金・社会保険料の内訳)

筆者作成

年収が増えるごとに、グラフの緑色部分、所得税の増え方が大きくなっているのがわかります。住民税や社会保険料ももちろん増えていますが、所得税の増え方はその比ではありません。

所得税の税率は「累進課税」といって、所得が多くなると5%〜45%まで、段階的に増えていきます。年収が増えても、手取りが同じように増えていかないのはこのためです。

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年収3000万円の手取りは1800万円

具体的に表で金額をチェックしてみましょう。
年収300万円〜3000万円まで、年収が100万円増えるごとに、手取りがいくらになるか、控除額(年収から引かれる額)がいくらかを計算したのが次の表です。

●年収別の手取り・控除額と、手取りの増加額

筆者作成

この表からも、所得税の増え方がすごいことがわかります。年収が低いときは社会保険料のほうが目立つのですが、年収1300万円以上になると、年収が100万円上がるたびに30万円以上増加していることがわかります。
所得税の増加に伴って控除額の合計も増えます。年収3000万円になると、合計で1212万円も引かれます。「年収が3000万円ある」といっても、手取りは1800万円にも満たないのです。

また、年収が100万円増えると手取りがいくら増えるのかも見てみましょう。年収300万円が年収400万円になったときは、手取りは76万円増えます。しかし、年収500万円、600万円…と増えるにしたがって、手取りの増加額は少なくなっていきます。年収2400万円からは、年収が100万円増えても手取りは50万円しか増えません。もう半分の50万円は税金・社会保険料になってしまうのです。

2021年度から所得2400万円超の「基礎控除」は3段階で減少、2500万円超は適用外

年収2500万円では手取りが34万円、2600万円では42万円しか増えていません。これは、基礎控除がなくなってしまうのが原因です。

基礎控除とは、税額を計算する際に所得から差し引くことができる「所得控除」のひとつ。合計所得金額が2400万円以下の場合には、みな所得から48万円(所得税)・43万円(住民税)を差し引くことができます。その分課税所得が減り、税額も減るのです。

しかし、基礎控除は合計所得金額が2400万円を超えると3段階で少なくなり、2500万円を超えるとゼロになってしまいます。具体的には、次のとおりです。

●所得税の基礎控除

2400万円以下…48万円
2400万円超 2450万円以下…32万円
2450万円超 2500万円以下…16万円
2500万円超…0円

●住民税の基礎控除

2400万円以下…43万円
2400万円超 2450万円以下…29万円
2450万円超 2500万円以下…15万円
2500万円超…0円

年収が2500万円、2600万円の場合、この基礎控除が受けられなくなる分だけ税額が増えるため、手取りの金額も一段と増えにくくなった、というわけです。

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会社員が税金を取り戻してお金を増やす3つのポイント

年収が増えても手取りが増えない中、手元にお金を残すには、税金を取り戻す自助努力が必要です。そこで、会社員が税金を取り戻してお金を増やす方法を3つのポイントに絞ってお伝えします。

●ポイント1:所得控除をフル活用しながら資産形成

所得控除できる金額が多くなれば、その分税金を取り戻すことができます。
たとえば、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)を利用すれば「小規模企業共済等掛金控除」で、掛金を全額所得控除することができます。また、個人年金保険では年間8万円以上支払っていれば生命保険料控除のひとつ「個人年金保険料控除」によって4万円が所得控除できます。
どちらも自分の将来に備えてお金を積み立てているだけで、税金の負担まで軽くできるおいしい制度ですので、活用しましょう。
今回ご紹介した所得控除を含め、所得控除は全部で15種類あります。それぞれ、控除を受けるための条件が細かく決まっています。控除を受けることができるのであれば、年末調整や確定申告で漏れなく手続きして、税金の負担を減らしましょう。

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●ポイント2:給与以外の収入を増やす

給与が増えれば、それに伴って税金や社会保険料が増えますが、副業の収入や不動産収入といった給与以外の収入では社会保険料は増えないため、給与だけで年収を増やすよりも手取りが増えます。
近ごろはサラリーマンであっても不動産投資を手掛ける方がいます。手取りを増やすためにも、給与以外の収入を増やせないか、考えてみてください。

●ポイント3:世帯単位で効率よく手取りを増やす

上の試算は独身を想定したものですが、夫婦世帯ならば共働きすることで世帯年収を増やせます。このとき、夫婦どちらかが年収1000万円になった世帯と、夫婦ともそれぞれ年収500万円稼いで世帯年収1000万円世帯とでは、後者のほうが控除される金額が少ないため、手取りを増やすことができます。

まとめ

年収がなかなか上がらず、上がっても手取りが増えていかないことを紹介しました。しかし、手元にお金を残すための努力はまだできます。税金を取り戻してお金を増やす方法、ぜひチャレンジしてください。

今回の内容は動画でも紹介しています。よろしければご視聴ください。

頼藤 太希 マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki

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