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20/03/03

家計・ライフ

育児休業給付金の引き上げで給料の8割がもらえる!? 育休を夫婦で賢く取る方法は

小泉環境相が育休を取得したことが話題になりましたが、男性の育休取得はまだまだ低いのが現状です。国からもらえる育休給付金も給与の80%まで引き上げられる見込みなので、これを機会に夫婦での育休取得を検討してみましょう。

育休を取っても給料と同水準のお金がもらえるようになる!

育休給付金(育児休業給付金)とは、育休を取っている期間中、雇用保険からもらえる給付金のこと。育休中は会社から給料が支給されない場合がほとんどですが、育休給付金を受給できれば安心して子育てに専念できます。

現在、育休給付金の1か月分の金額は、次の計算式で算出されます。

・育休開始から6か月以内…休業開始時賃金×支給日数×67%
・育休開始から6か月経過後…休業開始時賃金×支給日数×50%

休業開始時賃金とは、育休開始前6か月間の給料の総支給額を180で割って出した1日分の給料のことで、支給日数は原則30日です。つまり、育休開始から6か月は給料の67%の給付金がもらえると考えてかまいません。

先般、育休給付金の給付率を80%に引き上げることを政府が検討しているとニュースで伝えられました。たとえば、給料が月30万円の場合、67%の額は20万1000円です。これが80%になると24万円になるので、1か月あたり4万円近く増えることになります。

給料の80%と言えば、所得税・住民税及び社会保険料を差し引いた手取り額と同水準。育休給付金には税金がかかりませんし、育休中は社会保険料も免除されますから、給付金が減ることはありません。つまり、育休給付金の給付率が80%になると、給料の手取り額とほぼ同額のお金が入ってくることになります。

なお、給付率が80%になるのは育休開始から6か月間です。6か月経過後の給付率についても引き上げが検討されているようですが、具体的にどの程度引き上げられるかは未定です(2020年2月19日現在)。

男性が育休を取ると得する制度もある!

育休給付金の給付率引き上げが検討されている理由の1つとして、男性の育休取得率が上がらないという点があります。女性の育休取得率が82.2%であるのに対し、男性の育休取得率は6.16%(厚生労働省「平成30年度雇用均等基本調査」より)。育休を取得する男性も少しずつ増えてはいるものの、子育ての負担はまだまだ女性に重くのしかかっており、それが少子化の一因にもなっています。

男性の育休取得を推進する制度は、既にいろいろ用意されていますので知っておきましょう。1つが「パパ休暇」と呼ばれる制度。通常、育休は子供が1歳になるまでの間に1回しか取ることができませんが、産後8週間以内に育休を取得した父親は、期間内に再度育休を取得できます。

●パパ休暇

(厚生労働省ミニリーフレット「イクメンのススメ」より)

また、両親ともに育休を取る場合には1歳2か月まで育休期間を延長できる「パパ・ママ育休プラス」という制度もあります。

●パパ・ママ育休プラス

(厚生労働省ミニリーフレット「イクメンのススメ」より)

制度を活用して夫婦で上手に育休取得しよう!

●育休給付金

(厚生労働省ミニリーフレット「イクメンのススメ」より)

産後8週間、母親は産休を取得することになるので、母親の育休開始は産後約2か月経ってからです。パパ・ママ育休プラスを利用して妻の育休開始から6か月後に夫が育休開始したとすると、現在は上図のように1歳2か月まで継続して給付率67%の育休給付金が受けられます。給付率が引き上げになれば、この67%の部分が80%になるので、収入の不安がより軽減します。

上図のように、妻と夫が交代で育休を取り、交代前の時期は夫婦で一緒に育休を取るというのはオススメの方法です。2人で育休を取っている間は、妻から夫へ子供の世話をしっかり引き継ぎができます。妻は職場復帰してもしばらくは落ち着かないのが普通。その時期に夫に子育てに専念してもらえると、妻にとっても非常に心強いはずです。

まとめ

育休については、勤務先にも事前に相談しておく必要があります。子供が生まれる前に、夫婦でどのように育休を取るかを話し合い、各家庭に合った方法を考えておきましょう。

森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー

Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。

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