21/09/30
LINE証券の「株のタイムセール」どれだけ儲かる?参加するにはどうしたらいいのか
LINE証券はLINEのアプリから投資ができるスマホ証券。このLINE証券が不定期に実施しているお得なキャンペーンに、株が割引で購入できる「株のタイムセール」があります。投資の基本は「安く買って高く売る」ですから、最初から割引で購入できるのはうれしいですね。実際、どのくらい儲かるものなのか、調べてみました。
※編注:LINE証券は2024年中に撤退を発表しました。新規口座開設の受付を終了しています。
株のタイムセールとはどんなもの?
LINE証券の「株のタイムセール」は、対象の銘柄がその日の終値の3%〜7%引きで購入できる、LINE証券独自のキャンペーンです。割引で購入でき、翌営業日にまったく値動きがなかったとしたら、すぐに売るだけで3〜7%の利益が出ることになります(手数料を除く)。実際は、翌営業日の始値が下落することもありえるので、必ず儲かるとはもちろんいえませんが、相場に関係なく割引で購入できる時点でお得です。
株のタイムセールの開催は不定期です。開催時は、次のような流れで行われます。
●株のタイムセールの流れ
LINE証券ウェブサイトより
株のタイムセールの開催告知が行われるのが当日16時から。LINE証券公式アカウントから対象銘柄が発表されます。16時というと、証券取引所の取引はすでに終了しています。株のタイムセールでは、その日の終値から3〜7%引きで購入できるというわけです。なお、株のタイムセールでは、購入できる株数の上限が定められているうえ、参加条件が設けられている場合があります。
17時からタイムセールがスタート。当日、サイトにアクセスすると、3%・5%・7%の割引率がランダムに抽選されて決まります。そして19時までの間、対象銘柄を決まった割引率で購入できます。
21時に注文が成立(約定)し、残高からお金が引き落とされます。購入した銘柄は、翌日9時から早速取引可能。上で紹介したとおりすぐ売ることもできますし、保有を続けることももちろんできます。あとは、通常の株式投資と同様です。
株のタイムセールで2021年に割引された銘柄は?
LINE証券の株のタイムセールは、本稿執筆時点(2021年9月28日)ですでに20回以上開催されています。ここで、2021年に割引された銘柄を列挙してみましょう。
●2021年1月21日
・富士通(1人1株まで)
・ヤクルト(1人3株まで)
・セブン&アイ・HD(1人4株まで)
・ヤマトHD(1人6株まで)
・日産自動車(1人30株まで)
参加条件:誕生月が1~2月
●2021年1月28日
・日本電産(1人1株まで)
・安川電機(1人3株まで)
・三菱商事(1人6株まで)
・三井不動産(1人8株まで)
・コニカミノルタ(1人35株まで)
参加条件:誕生月が3~4月
●2021年2月18日
・東海旅客鉄道(1人1株まで)
・トヨタ自動車(1人2株まで)
・協和キリン(1人5株まで)
・みずほFG(1人11株まで)
・国際石油開発帝石(1人21株まで)
参加条件:誕生月が5~6月
●2021年2月25日
・オリエンタルランド(1人1株まで)
・太陽誘電(1人3株まで)
・三菱地所(1人9株まで)
・パナソニック(1人11株まで)
・マツダ(1人19株まで)
参加条件:誕生月が7~8月
●2021年3月4日
・信越化学工業(1人1株まで)
・メルカリ(1人3株まで)
・伊藤忠商事(1人5株まで)
・日本製鉄(1人10株まで)
・りそなHD(1人40株まで)
参加条件:誕生月が9~10月
●2021年3月18日
・コーセー(1人1株まで)
・SCREEN HD(1人2株まで)
・東京海上HD(1人3株まで)
・高島屋(1人14株まで)
・ゆうちょ銀行(1人16株まで)
参加条件:誕生月が11~12月
●2021年6月10日
・オリエンタルランド(1人2株まで)
・ソニーグループ(1人3株まで)
・アサヒグループHD(1人6株まで)
・三井物産(1人13株まで)
・三菱UFJ銀行(1人52株まで)
参加条件:LINE証券口座に株式等の評価額が10万円以上あること
●2021年7月8日
・JR東海(1人2株まで)
・日立製作所(1人5株まで)
・三井住友FG(1人9株まで)
・ANA HD(1人12株まで)
・日産自動車(1人56株まで)
参加条件:LINE証券口座に株式等の評価額が10万円以上あること
●2021年8月12日
・ディスコ(1人1株まで)
・花王(1人5株まで)
・本田技研工業(1人9株まで)
・三菱地所(1人19株まで)
・みずほFG(1人20株まで)
参加条件:LINE証券口座に株式等の評価額が10万円以上あること
●2021年9月9日
・TDK(1人2株まで)
・商船三井(1人3株まで)
・KDDI(1人7株まで)
・日本たばこ産業(1人12株まで)
・りそなHD(1人60株まで)
参加条件:LINE証券口座に株式等の評価額が5万円以上あること
株のタイムセールの対象銘柄は、毎回5銘柄ずつとなっています。名前を見聞きすることの多い企業の株も対象になっていますね。
株のタイムセールでどのくらい儲かる?
2021年9月9日の株のタイムセールを例に、どのくらい儲かるかをチェックしてみましょう。
●2021年9月9日の株のタイムセール対象銘柄と割引価格
筆者作成
2021年9月9日の株のタイムセールの対象銘柄5銘柄の、9月9日の終値は上のとおりです。株のタイムセールでは、この終値の3%・5%・7%引きで購入できます。割引率がいくらになるかはランダムですが、割引価格で購入できます。なお、株のタイムセールでの購入時の手数料は無料です。
この株のタイムセールに参加して、翌日(2021年9月10日)の朝、始値で売却したとします。1株あたりの利益は、次のようになります。
●始値売却時の利益
※売却時の手数料は考慮していない
筆者作成
9月10日の始値は、TDK・商船三井・日本たばこ産業の3社では前日の終値より上昇しました。それに対し、KDDI・りそなHDは下落してスタート。しかし、割引購入したおかげで、たとえ3%引きだったとしても、どの株でも利益が出たことがわかります。
なお、株のタイムセールの割引は「割引率」なので、もし1株だけ購入するとしたら、できるだけ株価が高い銘柄を狙った方が割引の幅が大きくなります。利益も、株価が高いほど多くなっています。
では、仮に購入上限株数いっぱい購入し、同じように始値で売却した場合、利益はどうなるでしょうか。
●購入上限株数いっぱい購入して売却した場合の利益
※売却時の手数料は考慮していない
筆者作成
今回、株のタイムセールで購入上限株数まで購入し、翌日の始値で売却した場合、一番利益が出たのは商船三井でした。とはいえ、もし購入上限株数まで購入できるのであれば、どの銘柄でも安定して利益が出せたことがわかります。
LINE証券の株のタイムセールには注意点も…
お得なLINE証券の株のタイムセールには、注意点もあります。
●株が売り切れる可能性がある
株のタイムセールで購入できる株数には上限があることはすでにお伝えしたとおりですが、LINE証券側で用意している株数にも、上限があります。ですから、特に人気の銘柄などではすぐに売り切れてしまう場合も…。株のタイムセールがスタートしたら、早めに申し込みましょう。
●参加条件を満たさないと参加できない
LINE証券の株のタイムセールには、参加条件が設けられている場合があります。2021年は現時点で、誕生月の条件と、LINE証券口座の株式等の評価額の条件があります。このうち、誕生月の条件はいずれかで満たすことができますが、LINE証券口座の「株式等の評価額」は、株のほかに、投資信託やETF(上場投資信託)の残高などが対象。しかし、「口座に入金しただけ」では評価額に含まれません。したがって、他にLINE証券で取引をしている必要があります。
●資金を入金しておかないと買えない
株のタイムセールに参加して、割引価格で注文できたといっても、購入資金がLINE証券内になければ、当然購入はできません。21時の約定の時点でもし口座内の資金が不足していると、注文は取り消されてしまいますので、忘れずに入金しておきましょう。
LINE証券の主な特徴まとめ
最後に、LINE証券の主な特徴を簡単にまとめて紹介します。
●LINE証券
●主な投資対象
株(日本株)・投資信託・ETF(上場投資信託)・FX
●主な特徴
・いちかぶ(1株単位での株式投資)1000銘柄以上購入可能
・株のタイムセールで最大7%引き
・100円から投資可能(投資信託)
・投資信託の積立投資ができる
●取引手数料
スプレッド 0.35%、時間外は1%(「いちかぶ」の場合)
●ポイント投資
可能(LINEポイント)
LINE証券は、2019年にサービスを開始し、2022年10月には150万口座を突破した、勢いのある証券会社です。今回紹介した株式投資の他にも、投資信託やETFの購入、FX(外国為替証拠金取引)などがスマホひとつでできます。
株式投資では、1000株以上の銘柄を1株単位で購入できる「いちかぶ」のサービスを展開。通常、100株単位で売買する株も、1株単位なら数百円程度から投資できます。また、LINEポイントを貯めている人ならば、LINEポイントを投資に使うこともできます。株のタイムセールはもちろん、スマホ証券としてもおすすめの証券会社です。
まとめ
LINE証券の株のタイムセールは、株が最大7%引きで購入できるお得なサービス。割引で購入できる分だけ、利益が出しやすいサービスです。次のタイムセールに備えて、口座開設しておくのがおすすめ。ぜひ使ってみてくださいね。
※編注:LINE証券は2024年中に撤退を発表しました。新規口座開設の受付を終了しています。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
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