21/08/16
合格すれば返済不要!東京都の「受験生チャレンジ支援貸付」の金額と対象は?
教育費というと、高校や大学の入学金や授業料がよく話題になります。しかしその手前、高校・大学受験にかかる費用も、結構な金額になります。
2021年4月、東京都限定ながら、学習塾の費用や受験費用のサポートを受けられる「受験生チャレンジ支援貸付」がスタートしました。今回は、受験生チャレンジ支援貸付の概要や補助の金額、対象者をご紹介。受験予定のお子さんがいる方はぜひチェックしてみてください!
塾費用や受験料を無利子で借りられ、入学すれば返済免除!
受験生チャレンジ支援貸付は、一定所得以下の世帯に対し、学習塾の塾費用や受験料を無利子で貸してくれる制度です。経済的な理由で高校や大学への進学をあきらめるようなことがないように設けられています。
この制度のすごいところは、受験に合格した場合には借りたお金の返済が不要となるところ。免除申請書と共に入学した学校の入学証明書や在学証明書などを提出すれば、返済が免除されます。ですから、対象となる方はぜひ申し込んで、活用したほうがいい制度といえます。
どんなお金をいくら借りられる?
受験生チャレンジ支援貸付の貸付資金には、高校・大学受験対策の学習塾等の費用をサポートする「学習塾等受講料」と、高校・大学等の受験料をサポートする「受験料」があります。
具体的には、以下の金額の貸付が受けられます。
●受験生チャレンジ支援貸付の貸付金額
東京都福祉保健局のウェブサイトより筆者作成
上記の表のように、学習塾受講料と受験料で中学3年生等なら22万7400円まで、高校3年生等なら28万円まで無利子貸付してくれるということですね。そして、合格して入学すれば、返済が不要になります。
どんな世帯が申し込める?
受験生チャレンジ支援貸付に申し込むには、前年度時点で、下記の条件を満たす必要があります。
・世帯の生計中心者である
・中学3年、高校3年、これに準ずる者(高校・大学等中退者、高卒認定試験合格者、定時制高校4年生、浪人生、編入希望者等)を養育している
・受験生がその年の4月1日時点で20歳未満である
・都内に引き続き1年以上在住(住民登録)している(例外あり)
・世帯収入が一定以下(世帯合計)である
【総収入・合計所得金額の目安】
東京都「令和3年度 受験生チャレンジ支援貸付事業貸付金のご案内」より筆者作成
・預貯金等資産保有額が600万円以下である
・土地・建物を所有していない(現在住んでいるところを除く)
・生計中心者や要支援者は都内に1年以上在住(住民登録)し、住民票地に居住している(要支援者に一部例外あり)
・生活保護受給世帯でない
・他の公的資金の返済を滞納していない
・暴力団員が属する世帯でない
以上に加えて、新型コロナウイルスの影響で収入が激減した世帯については特別措置が行われる場合があります。受験生チャレンジ支援貸付の対象は前年度の状況で審査されますが、今年度の状況をもとに審査をしてくれるケースもあるとのこと。ぜひ、相談窓口に問い合わせしてみましょう。
受験生チャレンジ支援貸付はどうやって申し込む?
受験生チャレンジ支援貸付を申し込む場合は、まずお住まいの区市町村に相談しましょう。そこで、制度が利用できると判断されたら、貸付申請の書類や借用書を提出し、審査を受けます。そして、審査に通ったら、貸付金が銀行に振り込まれる、という流れです。お金を使ったら、そのことを示す領収書を窓口に提出する必要があります。
なお、受験に合格した場合、貸付金は親の一時所得となります。したがって、他の一時所得と合算して50万円を差し引いた残り半分に対しては課税されます。他に一時所得がない場合は、受験生チャレンジ支援貸付の一時所得は50万円以下なので、課税されることはありません。
しかし、残念ながら不合格となってしまった場合には返済が必要です。
返済開始は、貸付を受けた年度末の翌日から6ヶ月後。最長5年間は無利子ですが、返済期間を過ぎてしまうと残元金に対して遅滞利子が発生するので注意が必要です。
大学受験時に最大金額の28万円を借りていたとしても、5年返済ならば月4700円弱で済む計算です。働いていれば無理なく返済できる金額なので、遅滞利子が発生する前に返済を完了させることをお勧めします。
まとめ
がんばる受験生を応援する「受験生チャレンジ支援貸付」制度。経済的な理由で進学を諦めていた子供たちの夢を広げる素敵な制度です。現段階では、申し込み可能な世帯はかなり限定されている印象ですが、今後広がっていくと良いですね。利用の対象になりそうであれば、ぜひお住まいの自治体に確認してみてください。
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城山ちょこ ライター
東京海上日動火災保険出身。慶応大学院SDM研究科修了。
2013年よりライターの道へ。執筆ジャンルは金融(保険)、働き方、子育て、結婚など女性のライフスタイル全般。2児の子育てと仕事の両立に日々奮闘中。丁寧でわかりやすい記事をモットーとしています!
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