21/03/16
大学生の年金保険料支払い、放置は絶対ダメ! 年金を減らさない3つの選択肢
20歳から加入が義務付けられる国民年金。加入と同時に保険料の納付義務も発生しますが、「学生だからまだいいや…」「社会人になってからは支払っているから大丈夫だろう…」と大学在学中の年金保険料を未払いのままにしてしまっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、放置は厳禁!たった数年間の未払いが大きな損を生むことに…!今回は年金未納が引き起こすリスクと年金を減らさないためにすべき3つのことについてご紹介します。
大学時代の年金保険料を支払わないとどうなるの?
国民年金の正しい手続きを怠り、放置してしまうと、主に2つの問題が出てきてしまいます。
●①もらえる老後の年金が減少してしまう
国民年金は20歳から60歳までの40年間保険料を納付することで、満額を受け取ることができます。2021年度の満額は78万900円です。しかし、未払い期間があると、その期間分年金の支給額が減少してしまいます。たとえば、20歳〜23歳までの3年間未納だと、年金額はおおよそ6万円減少します。しかも、受け取りを開始すると、一生涯この減ったままの金額で支給されます。たとえば、65歳から85歳までの20年間で考えれば、120万円も少ないことになってしまいます。「月5000円程度」と思われるかもしれませんが、引退後の月5000円の違いは結構な差に感じられるでしょう。
●②障害年金、遺族年金ももらえない可能性がある
年金保険料を支払わないことでもらえなくなるのは、老齢基礎年金(いわゆる、老後の年金)だけではありません。被保険者が亡くなった場合に家族に給付される遺族年金、障害によって生活に支障が出てしまう場合に給付される障害年金ももらえなくなってしまう可能性があるのです。
遺族年金、障害年金の給付は原則として国民年金保険料の2/3以上を支払っていることが条件となります。ですから、万が一のときに納付期間が足りないとなると、年金が支給されない恐れがあるのです。
年金を減らさないためにすべきことは3つ!
20歳の誕生日を迎えたころに、国民年金保険料の納付書が送られてきます。届いたらまずは何をするべきなのでしょうか?
受給できる年金を減らさないための3つの選択肢をご紹介します。
●①被保険者本人が支払う
2021年度の国民年金保険料は月額1万6610円。年間約20万円の出費となります。決して少ない金額ではありませんが、学生であってもアルバイトをしたり、貯金をしたりしている場合には支払えるでしょう。支払方法には口座引き落とし、納付書払い、クレジットカード払いがあります。また、最長2年分を前納することも可能。前納の場合、割引もあります。
●②学生納付特例制度を利用する
在学中の支払いが難しいという場合には、学生納付特例制度を利用することができます。
この制度は本人の所得が一定以下の学生に限り、申請により在学中の国民年金保険料の納付が猶予されるというものです。
注意すべきは免除でなく猶予という点。支払いしなくていいわけでなく、あくまでも後で支払いをする必要があるということです。学校を卒業して10年以内であれば追納することができ、追納すれば、将来、老齢基礎年金を満額受けることが可能となります。ただし、3年目以降は経過期間に応じた加算額が上乗せされるので、早いうちに支払うことをおすすめします。
●③親が支払う
本人が支払えない場合には学生納付特例制度を利用するほかに、親が納付するという選択肢もあります。
一見甘やかしているようですが、実は支払う親にも節税効果が期待できるというメリットが。というのも、親が肩代わりした国民年金保険料は社会保険料控除として全額控除することができるのです。生計を一にする親族であれば、国民年金保険料はそれを支払った人の所得控除(社会保険料控除)として申告することが可能なため、親が子の保険料を支払えば、税金が戻ってきます。
おわりに
少しの未納も大きな減額へとつながってしまう国民年金。全額きちんと受け取るためには全額きちんと支払うことが絶対条件です。ただし、学生時代の国民年金保険料については、誰が支払うのか、いつ支払うのかを選ぶことができます。自分に合った方法で手続きをして、必ず納付をしましょう。まだまだ学生だから…と何もせずに放置してしまうことがないように、くれぐれもご注意ください。
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城山ちょこ ライター
東京海上日動火災保険出身。慶応大学院SDM研究科修了。
2013年よりライターの道へ。執筆ジャンルは金融(保険)、働き方、子育て、結婚など女性のライフスタイル全般。2児の子育てと仕事の両立に日々奮闘中。丁寧でわかりやすい記事をモットーとしています!
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