connecting…

  • NISA
  • FIRE
  • Money&You TV
  • 確定拠出年金「iDeCo」「企業型」
  • マネラジ。
  • ふるさと納税
  • 届け出だけでお金がもらえる! 給付金制度を活用しよう
  • セミナーレポート
  • まとめ記事/チェックテスト
  • 歴女の投資ファイル
  • ズボラでも出来るシリーズ
  • 投資信託でプチリッチ!「投信ウーマン」
  • 投資女子への道
  • 恋株
  • ぽいきさんの幸せを呼び込むシリーズ
  • 大人女子を応援!家庭で出来る漢方の知恵
  • 読書ブロガー小野寺理香のブックレビュー
  • 駐在マダム、モラハラ夫からの逃亡記
  • “逆打ち”お遍路をご紹介

21/03/03

相続・税金・年金

年金を増やすための夫婦の年金戦略、4つの視点

多くの人が心配する老後資金。定年後の生活に困ることがないよう、今のうちから年金の受給額を増やすための戦略を考えておきたいですね。そこで今回は、年金収入を増やす方法と、配偶者に先立たれたときの年金受給額の変化をご紹介します。もし、利用できそうな方法があれば、ぜひ実行に移されることをおすすめします。

夫婦の年金を増やす視点1:夫も妻も働いて年金を増やす

私たちは国民年金に10年以上加入すると、65歳から「老齢基礎年金」を受け取ることができます。そして、20歳から60歳まで40年間加入し続けていると、満額の老齢基礎年金を受け取れます。
また、企業に勤めて厚生年金に加入し、なおかつ老齢基礎年金の受給資格を満たしていると、65歳から「老齢厚生年金」を受け取ることができます。

このように、誰もが受給要件を満たせば老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取れるのですから、夫婦が共に働けば、その分受け取れる老齢年金を増やすことができるのです。では、老齢年金の受け取り額がどれくらい変わるのか、「専業主婦世帯」「会社員経歴のある専業主婦世帯」「共働き世帯」で見てみましょう。

●世帯タイプ別の年金収入(2021年度のモデルケースによる試算例)

受け取る年金を月額に換算してみると、専業主婦世帯は夫婦で受け取れる老齢年金は月額22万496円、妻が7年間会社員だった経歴のある世帯は月額23万3044円、夫も妻も同等に働いた世帯は月額31万842円です。このように、完全な専業主婦世帯よりも、妻に厚生年金の加入歴がある世帯のほうが受け取れる年金は多くなります。

妻が働く場合、社会保険料の負担で手取りが減るのを避けるために、106万円の壁や130万円の壁を気にする人も少なくありません。確かに、妻が自分の社会保険料を負担するようになると夫の扶養から外れるので、収入が減ることもあるでしょう。けれども、妻自身が厚生年金保険料を払うということは、将来の老齢年金を積み増しできるということ。夫婦が共働きをすることで、年金生活に入ってからの年金収入を増やせる点は留意しておきたいですね。

PayPay証券

夫婦の年金を増やす視点2:配偶者に先立たれたとき年金がどう変化するかを知る

人は年齢を重ねるごとに身体の機能が低下して、病気になりやすくなるかもしれません。場合によっては、夫婦のどちらかが先に亡くなってしまうこともあるでしょう。もし配偶者に先立たれた場合、年金の受給額にはどのような影響が出るのでしょうか?

結論からいうと、18歳未満の子どもがいなければ、亡くなった人の老齢基礎年金にあたる部分は受給できません。そして、夫に先立たれた妻は、夫の厚生年金の一部を遺族厚生年金として受け取ることができますが、妻に先立たれた夫の場合は、年収が850万円未満でないと遺族厚生年金を受け取ることはできません。それに、収入要件をクリアしたとしても、遺族厚生年金は55歳以上でないと受給対象とはならず、60歳までは支給停止になってしまいます。夫と妻とでは、遺族厚生年金の受給に大きな差ができてしまうのです。

そこで、具体的に配偶者が先立ってしまった場合の年金額の変化を試算してみました。ここでは、最初の章でご紹介した「専業主婦世帯」「会社員経歴のある専業主婦世帯」「共働き世帯」の3タイプを比較します。

●配偶者に先立たれた場合の年金収入月額の変化

遺族厚生年金は、配偶者の老齢厚生年金にあたる部分は4分の3に減額されます。ただし、自身に厚生年金の加入歴がある場合は、遺族厚生年金の受給額から自身が受け取る老齢厚生年金の受給額が差し引かれるので注意が必要です。

上記の表で見ると、専業主婦の場合は「夫の老齢厚生年金の4分の3+自身の老齢基礎年金」を受給できます。しかし、厚生年金の加入歴のある妻を持つ夫の場合は、遺族厚生年金から自身の老齢厚生年金を差し引くため、妻の遺族厚生年金は受け取れず、年金収入が「自身の老齢基礎年金+老齢厚生年金」のみとなっています。つまり、配偶者よりも老齢厚生年金の受給額が多くなる場合は、遺族厚生年金を受け取れなくなる場合もあるということです。

今回、試算をしてわかったことは、配偶者に先立たれた場合、年金収入が夫婦2人の場合に比べると大幅に減ってしまうとうことです。どの夫婦もいつかは1人になる日がやって来ます。そんなときに備えて、年金収入を補てんできる貯蓄は用意しておきたいものです。

スマートプラス『STREAM』開設プロモーション

夫婦の年金を増やす視点3:年金の繰下げ受給を利用する

老齢基礎年金と老齢厚生年金は、66歳から70歳までの間に受給開始年齢を繰り下げることができます。月単位での繰り下げとなり、1ヶ月につき0.7%増額となります。
◎増額率(%)=繰下げ月数×0.7%
そして、70歳まで繰り下げると最大42%増額できます。

では、実際にどれくらい増額となるのか、老齢基礎年金の場合で見てみましょう。

●老齢基礎年金を繰り下げた場合の年金額

2021年度の老齢基礎年金の満額は78万900円(※)となりますが、これを70歳まで受給開始年齢を繰り下げると、110万8878円に増額となります。一度繰り下げをすると、繰り下げ開始時の増額率は固定されます。たとえば70歳まで繰り下げると、その後の年金は42.0%増額されるということ。こうすることで年金収入を増やすことができるのです。

また、老齢基礎年金と老齢厚生年金を一緒に繰下げ請求するだけでなく、老齢基礎年金のみ、あるいは老齢厚生年金のみの繰り下げも可能です。夫婦のうち、どちらかの老齢年金をすべて繰り下げる、あるいは夫婦2人の老齢基礎年金だけを繰り下げするなど、家計状況に応じてアレンジするとよいでしょう。

ちなみに、現在繰下げ受給は70歳までとなっていますが、年金制度が改正されて、2022年4月以降に70歳となる人(昭和27年4月2日生まれ以降の人)は繰り下げできる年齢が75歳まで引き上げられます。75歳まで繰り下げると、年金は84.0%増額されます。この制度を活用して、年金受給額を増やす計画を立ててみてはいかがでしょうか。

(※)出典:厚生労働省「令和3年度の年金額改定について」より

夫婦の年金を増やす視点4:年下の妻がいるなら利用したい、配偶者にまつわる年金制度

年下の妻がいる夫が利用できる「加給年金」という制度をご存じですか?加給年金とは、厚生年金加入期間が20年以上ある夫が65歳になったとき、生計を共にする年下の配偶者がいる場合に支給される年金です。これは、配偶者が65歳になるまで受け取ることができます。加給年金は年額22万4900円ですが、これに夫の誕生日に応じて特別加算が付きます。
たとえば、生年月日が昭和18年4月2日以後の夫には、16万6000円の特別加算額が付き、合計39万900円(※2020年4月以降の場合)の加給年金を受給できるのです。ただし、妻が厚生年金に20年以上加入している場合や妻の年収が850万円を超える場合、加給年金は支給停止となります。

1つ注意したいのは、加給年金を受給できる夫が老齢厚生年金を繰下げ受給した場合、加給年金は支給停止となってしまう点です。加給年金の対象者となる夫が繰下げ受給をするときは、老齢基礎年金のみにしておくのがよいでしょう。

PayPay証券

まとめ

今回は、妻が働いたり、年金を繰下げ受給したりして年金収入を増やす方法をご紹介しました。収入が増えるのはうれしいことですが、反面、納める所得税や住民税、国民年金保険料、介護保険料が増える可能性もあります。税金や社会保険料が増えることで、結果として手取りが減る場合があることは頭に入れておきたいですね。

前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連するみんなのマネー相談(FP Cafe)

50歳から正社員とパート、どちらが得?

年金神奈川県 いいね 2
2015/12/06

主人は自営業で二人で国民年金を20年以上払ってきました。 
50歳になって私は正社員になり厚生年金に。主人は会社で厚生年金を始めました。
正社員といっても手取りで20万円程度で残業代もボーナ...

マネー相談の続きを見る

国民年金基金か確定拠出年金か

年金広島県 いいね 2
2016/10/31

▼プロフィール
年齢:夫 48歳、私 37歳
住居:賃貸マンション
職業:夫(彼) 正社員、私 アルバイト
貯金:夫(彼) 約4000万円、私 約2500万円
年収:夫(彼) 約150...

マネー相談の続きを見る

▼プロフィール
年齢:私 53歳、妻 37歳 娘 小学校6年生
住居:私 賃貸マンション暮らし
職業:私 契約社員、妻 アルバイト
貯金:私 約400万円、妻 約600万円
年収:私 ...

マネー相談の続きを見る

閉じる
FP Cafe® お金の相談をするなら、一生涯の「お金の相談パートナー」へ