24/05/01

資産運用・経済

この記事のライター

稲村優貴子

【新NISA】株主優待と配当金「ダブルで嬉しい」5月の銘柄3選

株高を背景に、ニュースでも株価の高値更新が取り上げられることが多くなっています。筆者がお受けするマネー相談の内容の第一位も、投資・NISAについてです。そんな話題の株式投資で人気があるのは、株主優待や配当金がもらえる銘柄への投資です。ともにもらえて魅力のある「ダブルで嬉しい」銘柄のなかから、5月権利確定の銘柄を3つ紹介します。

新NISAで配当・株主優待の充実した銘柄が人気

2024年にスタートした新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の2つの投資枠を利用して運用益非課税の投資ができます。このうち、成長投資枠では株式投資をすることができます。
成長投資枠では、年間240万円までの投資で得られた利益が生涯にわたって非課税にできます（成長投資枠における生涯投資枠は1200万円まで）。株の値上がり益はもちろん、株から得られる配当金も非課税です。

新NISAの成長投資枠で株主優待と配当金がダブルでお得な銘柄を購入しておけば、株主優待をもらいつつ、配当金も非課税で受け取れてお得です。日本経済新聞の記事によると、ネット証券5社のNISA経由の買付金額の上位には、配当や株主優待が充実した銘柄が上位を占めているとのこと。日本たばこ産業（JT・2914）、NTT（9432）三菱UFJフィナンシャル・グループ（8306）などがランキングの上位銘柄として挙げられていました。

5月に権利確定を迎える「ダブルでお得」な銘柄の中から、新NISAで狙いたい銘柄を3つ紹介します。なお、データは2024年4月30日時点、断りのない限り100株あたりの金額・内容を示しています。

株主優待＋配当金銘柄①：タマホーム（1419）

ローコスト系の注文住宅会社です。首都圏郊外や地方を中心に展開しています。マンションやリフォーム事業、オフィス賃貸・サブリースも行っており住宅にまつわる様々な分野で事業を行い、業績を伸ばしています。株主優待はQUOカードで、年2回もらえます。

・株価　4365円
・最低投資額　100株　43万6500円
・予想配当　1万8500円
・予想配当利回り　4.24%
・権利確定　5月・11月

【株主優待】
100株以上　500円相当のオリジナルQUOカード
※3年以上継続保有の場合1,000円相当に増えます

【配当】

筆者作成

株主優待＋配当金銘柄②：ハニーズホールディングス（2792）

福島地盤のアパレル会社です。10～60代向けに低価格帯の婦人カジュアルを展開しています。ミャンマーに自社工場があります。2024年3月14日から40代女性をターゲットにしたGLACIER lusso（グラシアルッソ）という新しいブランドをインターネットショッピングで展開しています。既存ブランドより値段高めで秋に実店舗出店の予定です。株主優待は100株で3000円分の自社商品引換券。株数が増えるともらえる金額も増えます。

・株価　1707円
・最低投資額　100株　17万700円
・予想配当　5500円
・予想配当利回り　3.22%
・権利確定　　5月

【株主優待】
自社商品引換券
100株　3,000円分（500円券×6枚）
300株　5,000円分（500円券×10枚）
500株　7,000円分（500円券×14枚）
1,000株　10,000円分（500円券×20枚）
※1年以上継続保有の株主のみに贈呈

【配当】

筆者作成

株主優待＋配当金銘柄③：東武住販（3297）

山口、福岡県を地盤に中古住宅をリノベーションして販売する事業を展開しています。販売価格1500万円以下の物件が中心です。住宅の再生販売事業の競争が激化していますが今年度は中古住宅販売が持ち直し業績をのばしています。2023年の株主優待は山口県のふぐ加工品の詰合せ。地元ならではの味が楽しめます。

・株価　1238円
・最低投資額　100株　12万3800円
・予想配当　3700円
・予想配当利回り　2.99%
・権利確定　　5月

【株主優待】
100株以上　自社営業地域関連食品1,000円相当
※3年以上継続保有の場合1,000円増
2023年は1,000円相当　山口県のふぐ加工品詰合せ
（とらふく茶漬（3袋入）、とらふくみそ汁（4袋入））

【配当】

筆者作成

株主優待はどうやったらもらえるの？

株主優待をもらうには、「権利確定日」という日にその企業の株を保有している必要があります。ただし、権利確定日に株を買うのでは間に合いません。株を買っても、株主としての権利が与えられるのは購入の2営業日後だからです。
したがって、権利確定日の2営業日前には株を買っておく必要があります（この2営業日前のことを権利つき最終日といいます）。

2024年5月末が権利確定日の場合、5月29日（水）には株を買っておかなくてはならないので、購入の際にはご注意ください。なお、5月30日（木）の「権利落ち日」になったら売っても株主優待・配当金はもらえます。ただ、権利つき最終日に向けて株主優待・配当金が欲しい人の買いが集まって株価が上がり、権利落ち日に売られて株価が下がる、というこもあるので、直前の売買には注意が必要。余裕を売買するようにしましょう。

＊本記事で紹介した個別の銘柄については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄の株式等の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願い致します。

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稲村優貴子ファイナンシャルプランナー(CFP︎︎®︎)、心理カウンセラー、ジュニア野菜ソムリエ

大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆活動を行っている。日経ウーマン、北海道新聞などへの記事提供、テレビへの取材協力など各メディアでも活躍中。著書『年収の2割が勝手に貯まる家計整え術』河出書房新社。趣味は、旅行・ホットヨガ・食べ歩き・お得情報収集。FP Cafe登録パートナー