21/05/11
地方議員の平均年収はいくら? 都道府県別の議員年収ランキングでチェック
都道府県や市区町村などの住民を代表して行政を担う「地方議員」。昨今は新型コロナウイルスの影響もあり、知事や地方議員の役割や働きがこれまで以上に注目されています。議員の報酬は税金から支払われるため、議員年収がどのくらいなのかは有権者として気になるところではないでしょうか。
本記事では都道府県別の議員年収ランキングをご紹介。お住まいの都道府県の議員年収とその傾向をチェックしてみましょう。
議員の報酬は税金から支払われる
そもそも議員とは、国や地方公共団体に設置されている議会等の議決機関を組織し、その議決に加わる資格を有する人を指します。議員には「国会議員」と「地方議会議員」の2種類がありますが、地方議会議員とは地方議会を組織しその議決に加わる資格を有する人のことです。
地方議会議員の任期は4年で、原則4年に1回におこなわれる地方選挙によって選ばれます。法律上、地方議会議員は地方公務員の特別職に含まれるため、その報酬はその自治体の住民から徴収される税金から支払われます。
また都道府県知事は都道府県の首長であり、地方議会議員とは区別されますが、同じく地方公務員の特別職であるため報酬が税金から支払われる点は同じです。
議員報酬は地方自治体ごとに条例によって定められるため、議員年収は都道府県によって異なります。
議員年収ランキング、トップの都道府県は?
本記事では総務省発表の「地方公務員給与実態調査」より議員年収(知事・副知事含む)ランキングを作成しました。それぞれの平均年収と傾向を見ていきましょう。
●都道府県別「議員年収ランキング」
※平均年収には地方議会議員のほか、知事・副知事の年収を含む
地方公務員給与実態調査結果「第10表 特別職に属する職員の定数及び平均給料(報酬)月額」(平成31年4月1日)を参考に筆者作成
●議員年収ランキングトップ10:人口が多い都道府県が目立つ
ランキングトップ10の議員年収は平均1000万円を超えています。「けっこう貰ってるな」と感じる方もいるかもしれませんね。上表の金額は地方議会議員の月額報酬を年換算したものなので、年末手当など月払い以外の報酬は含まれていません。それらの報酬を考慮すると、実際にはもう少し多い金額をもらっている可能性はあります。
ランキング入りしている都道府県の傾向としては、愛知県や神奈川県など、大都市を抱えるところが目立ちます。意外にも東京都が21位ですが、これは2017年に成立した都議会議員の報酬を20%削減する条例が影響しています。さらに知事の年収だけで見ると東京都は873万6000円と最も低い水準です。小池百合子知事が知事給与を半減した影響です。
●議員年収ランキングワースト10:ワースト1位の大阪府は議員報酬を30%カット
一方、ワースト10の議員年収は平均950万円以下。ランキング1位の愛知県とワースト1位の大阪府の平均年収は400万円近く差があることがわかります。
ワースト10入りしている都道府県の特徴としては人口が比較的少ない都道府県が多く見られます。
ただし大阪府に関しては例外です。人口が多く大都市もある大阪府の議員年収が低い理由は、橋下徹知事(当時)が在任中の2011年度より議員報酬を30%カットしていることが影響しています。
人口や抱えている都市の大きさで議員年収の傾向は出つつも、大阪府や東京都などその自治体の方針で大きく議員報酬が削減されているところもランキングに影響していることがわかります。
まとめ
地方議員は選挙で選ばれるその自治体の代表です。お住まいの都道府県の議員の平均年収を知ることで、「報酬に見合った働き方をしてくれているのか」という観点でよりシビアに選ぶきっかけになるでしょう。次回の地方選挙ではそのような視点もふまえて参加してみてはいかがでしょうか。
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鈴木靖子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わるなか、その経験を個人の生活にも活かしたいという思いからFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。
HP:https://yacco-labo.com
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