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20/01/18

資産運用・経済

なぜ多くの人が老後資金の運用で失敗するのか

生命保険文化センター「生活保障に関する調査」令和元年版によると、84.4%の人が老後生活を不安に思っています。そして、その不安の内容としてもっとも多いのは「公的年金では不十分」で82.8%となっています。

「老後資金2000万円不足問題」が話題になり、人生100年時代に備える資金作りの必要性が見直されています。そして、老後資金も運用が必要だということで、雑誌やネットでも運用をすすめる記事が多くみられます。その多くは、株式や投資信託、債券、不動産などの投資のすすめです。

老後資金を運用して、資金寿命を延ばそうというのはいいのですが、その多くの人は運用で失敗しています。
どうして多くの人が運用で失敗をしているのでしょうか? その原因をお話しします。

「いきなり投資」をはじめて「いきなり失敗」をしている

60代は退職金などを受け取るなどして、もっとも貯蓄金額が大きいときです。ですから当然、このまとまった資金をうまく運用できないかと考えます。
しかし、そこに落とし穴があるのです。ここで失敗する人の特徴を挙げてみましょう。

まず、いままで運用の経験が少ない人が、突然、大きな資金を投資で増やそうと思ってしまう、ということがあります。
誰にでも当てはまることなのですが、投資を始めてすぐにうまくいく人はほとんどいません。私も経験がありますが、最初の投資は失敗の連続でした。何度か失敗したり成功したりしながら経験を積んでいかないと難しいのです。

資金運用は、できるだけリスクの少ないものから始めるのが安全です。そして最初から大きな金額で始めないというのも大切です。そうしないと後で取り返しが付かなくなります。
大切な資金を増やすどころか、減らす結果にもなりかねません。

相談をするところを間違えて失敗している

次に陥りやすい失敗が、「相談する」ということです。
「相談する」と失敗につながるというと、「えっ?」と思ってしまいそうですが、相談するところを間違えている場合がほとんどなのです。

運用の経験が少ない人は、詳しい人に相談したいと思いますよね。ところが、いきなり投資アドバイザーやファイナンシャルプランナーに相談するというのは、敷居が高いので、とりあえず銀行などの窓口に行くことになります。

しかし、ここで注意をしておきたいのが、銀行の窓口の人は「運用のプロ」ではないと言うことです。言うならば金融商品を「販売するプロ」です。

ですから、残念ながら銀行の窓口などで勧められる商品は、失敗の元なのです。
では、なぜ失敗の原因になるのかを商品別に解説していきます。

●退職金特別プランに注意

「退職金特別プラン」という商品があります。これは、円の定期預金と投資信託などの商品を50%の割合で組み合わせた商品です。
ある退職金特別プランの定期預金の金利は、なんと年7%あります。一見とてもお得な商品のようですが、注意書きに定期預金の金利は「3か月」と小さく書いてあります。つまり年7%の利率は3か月間のみで、あとは通常の金利になります。
もう片方の投資信託の販売手数料は3.3%、信託報酬が2%となっています。ちなみに、こうした退職金特別プランの投資信託の販売手数料は2〜3%が中心。信託報酬も1〜2.5%のものが多くなっています。

たとえば、総額1000万円で上記の退職金特別プランを利用するとします。定期預金・投資信託それぞれ500万円で利用すると、下記のようになります。

・定期預金(金利年7%、3か月)の500万円の税引き前の利息は8万7500円です(500万円×7%×3/12=8万7500円)
・投資信託の販売手数料は16万5000円です(500万円×3.3%=16万5000円)

定期預金の利息では8万7500円のプラスですが、投資信託の販売手数料が16万5000円かかっているので、スタート時点からいきなり7万7500円のマイナスになっています。

その後運用しても、定期預金にはほとんど利息が付きません。しかも、投資信託は信託報酬が2%ですから、年利2%以上の運用をしないとプラスにはなりません。
このような運用を続けても、老後資金の運用は失敗する可能性が高いと言えます。

●一時払い外貨建て保険は、リスクの高い商品!

運用をすると元本が減ってしまうのが恐いという人もいます。そこで陥りやすいのが保険という罠です。保険は元本保証されていると思い込んでいるため、安心してしまうのです。

老後資金の運用でよく勧められるのが、一時払いの外貨建て変額保険です。
この一時払いの外貨建て変額保険の「元本保証」は、外貨での保証です。円で受け取った場合の元本保証ではありません。つまり、為替リスクがあります。円高になった場合には、受け取れる金額が減ってしまい元本を割ることもあるのです。
また円から外貨に、外貨から円に替える為替手数料もかかります。その上、途中で解約をすると元本を大きく割り込むこともあります。

外貨建て変額保険は、リスクの高い商品だと思ってください。

●信託報酬の高い商品は、長期投資では失敗する

金融機関で勧める投資信託にも注意が必要です。なぜなら、販売手数料や信託報酬の高い商品が多いからです。
ネット専用の投資信託の中には、販売手数料がゼロで信託報酬が1%以下という商品もあります。老後資金は長期で運用する必要があるので、信託報酬の安い商品が有利になります。

よく理解せず、金融機関の窓口や営業員に勧められるままに商品を購入して、長期的に老後資金を運用したとしても、結果的に失敗するということが多いのです。

同じようなものに、投資を金融機関に任せるラップ口座があります。これまた手数料が高いうえ、金融機関と投資先の二重に手数料がかかるため、失敗することが多い商品です。

老後資金の寿命を延ばすための3つの方法

老後資金とは、「余裕資金」ではなく、大切な「老後の生活費」なのです。できるだけリスクは避けることが必要です。

では、老後資金を守るためには、どうすればいいのでしょうか?

3つの選択肢を挙げます。その中で自分にいちばん合うものを選択していただければと思います。

1つ目は、資金運用をする場合には、できるだけリスク分散を心がけることです。
投資する対象を分散するのはもちろんのこと、一気に投資するのではなく投資する時間も分散します。その場合、利益にかかる税金が非課税になるNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)やつみたてNISAを利用するのもよい方法です。

2つ目は、積極的に運用するのではなく、国債や、利率の良い定期預金などを利用して、その分長く働くことです。
長く働くことで収入がありますので、その分資金寿命は延びていきます。

そして3つ目は、老後資金を生活費に使って、その分、年金の繰下げ受給をする方法です。
年金は繰り下げ受給すると受け取り額が増えていきます。70歳まで繰り下げると最大42%の増額になるのです。こんなに利率のいい金融商品はありません。

まとめ

老後資金の運用で失敗しない秘訣は、「人任せにしない」と言うことです。
自分にあった方法を見つけて、豊かな老後を迎えましょう。

長尾 義弘 NEO企画代表

ファイナンシャル・プランナー、AFP、日本年金学会会員。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『お金に困らなくなる黄金の法則』『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)。監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

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