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19/07/23

家計・ライフ

なりすまし、フィッシング…急増する金融犯罪!特に多いキャッシュカードの被害、対策は?

最近のキャッシュレス化やフィンテックの動きにより、スマホやパソコンなど、インターネット上でお金のやり取りをすることはもはや当たり前の世の中になりました。そんな中で、カード類の偽造や盗難、ネットバンキングの預金の不正な引き出しといった金融犯罪は、年々手口が巧妙になっています。

最近増えている金融犯罪にはどんなものがあるのでしょうか。その手口と、安心・安全に自分のお金を守るにはどうしたらいいかを紹介します。

「盗難キャッシュカード」による犯罪被害が増加傾向!

金融庁「偽造キャッシュカード等による被害発生等の状況について」より

被害発生件数を見ると「盗難キャッシュカード」、つまりキャッシュカードの盗難による被害が多いことがわかります。特に29年度からは急増。3年間で4.4倍になっています。

また、1件あたりの平均被害額はインターネットバンキングのほうが多いことがわかります。

よくある手口と対策はこれ!

盗難キャッシュカードやインターネットバンキングの被害には、単純に盗まれてしまうケースのほかに、「なりすまし詐欺」「フィッシング」などでだまし取られてしまうケースなどがあります。

●①単純に盗まれてしまうケース

まずは単純にキャッシュカードが盗まれてしまうケースです。自宅で盗難にあう、ということもありえますが、財布を落としたり、電車やバスなどでいわゆる置き引きにあったりしてなくすことももちろんありえます。

「暗証番号がわからないだろう」と思われるかもしれませんが、犯人はキャッシュカードと一緒に盗んだものをチェックして、誕生日や電話番号などの数字から暗証番号を推測して、あっという間に預金を引き出すといいます。

温泉施設にあるロッカーの暗証番号を偶然知った係員が解錠し、財布の中のキャッシュカードから現金を引き出したという事件も。何にも知らず、ゆっくり温泉につかっている短時間のうちにさえ不正出金の被害にあうかもしれません。

暗証番号には、他人に推測されやすい番号(生年月日、電話番号、住所地番、自家用車のナンバー、単純な並びの番号「1111」「1234」など)を使用しないようにしましょう。

●②なりすまし詐欺

警察官、弁護士、金融庁職員、銀行協会職員、金融機関の職員などを名乗り、「キャッシュカードが偽造されている」「キャッシュカードの情報が漏えいしている」などと不安をあおって、言葉巧みに暗証番号などを聞き出したりキャッシュカードをだまし取ったりするのが「なりすまし詐欺」です。

最近では、手口が巧妙になっているといいます。
たとえば、「銀行顧客管理センター」などをかたって郵便物を送りつけ、届け印や暗証番号などを書かせた上で返信させるケース。銀行が郵送でこんなことを確認するわけがないのですが、情報が漏れているという「非常事態」で気が動転して、つい送り返してしまう人もいるといいます。

キャッシュカードを人に預けることは絶対にやめましょう。暗証番号だけなら大丈夫だろうと人に教えるのもNGです。銀行が店舗の外や電話などで暗証番号などを確認することは絶対にありません。それを知っているだけでも防げる犯罪でしょう。

●③フィッシング

最近ではフィッシングによる不正送金被害も増えています。

フィッシングとは、メールやSNSなどでにせものの金融機関のサイトへ誘導し、暗証番号などを抜き取り、お金を盗み出す手口です。「インターネット版のなりすまし詐欺」ともいえるでしょう。

たとえば、「あなたの個人情報が危険なので、暗証番号を変更してください」などとメールが届きます。紹介されているURLをクリックすると、金融機関のサイトによく似せたにせもののサイトが開きます。URLも紛らわしいものになっている場合がほとんどです。そこでIDと現在のパスワードを入力すると、犯人にその情報が抜き出されてしまって、お金を盗み出されてしまうのです。

対策⇒金融機関から送られてくる電子メールを無条件に信用してはいけません。あやしいと思ったら、金融機関のお客さま対応コールセンターなどの電話等で確認することもできますので、覚えておきましょう。もちろん怪しいメールに記載されている電話番号やメールアドレスへの返答は絶対NGです。

まとめ

いかがでしたか。どれも基本的なことですから、私は大丈夫! と思われた方もいるかもしれません。しかし、そういう方こそ実は危険。いざというときにあせってしまい、被害にあう可能性もあるのです。
なかなか普段その実態を知る機会がない金融犯罪ではありますが、年々社会問題化しており、他人事ではすまない世の中になってきています。

犯罪の手口を知ることは、犯罪から自分の資産を守る第一歩となります。普段からスマホやネット取引に慣れている私たちも便利とリスクは隣り合わせであることを意識しながら、大事な自分の資産を守っていきましょう。

KIWI ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士

長年、金融機関に在籍していた経験を活かし、個人のキャリアプラン、ライフプランありきのお金の相談を得意とする。プライベートでは2児の母。地域の子どもたちに「おかねの役割」や「はたらく意義」を伝える職育アドバイザー活動を行っている。

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