19/06/14
投資信託で勝ちたいならしてはいけない7つのNG習慣
預けたお金をプロが運用してくれる投資信託。私たちが買うことのできる投資信託は6000本以上もあります。
せっかく運用してもらうのですから、お金はやっぱり増やしたいですよね。
でも、下手な投資は怪我のもと。やり方によっては、お金を大きく減らしてしまう可能性もあるのです。
今回は、長期投資を前提にした投資信託選びや売買のときについついしがちなことを「投資信託7つのNG習慣」としてまとめました。
あなたは大丈夫でしょうか? ぜひチェックしてみてください。
投資信託7つのNG習慣①金融機関のおすすめを買ってしまう
銀行や証券会社などで、「投資信託を買ってみたいんですけど、はじめてでよくわからないんです」と言うと、おそらく相談ブースに通されて、担当者が説明をしてくれます。そして、おすすめの商品を紹介してくれるでしょう。
「親切に教えてくれたからこれを買う」のはちょっと待ってください。
金融機関のおすすめは、金融機関の売りたい商品。そして金融機関が売りたい商品は、金融機関が儲かる商品です。たとえば、購入時にかかる販売手数料が高く設定されていることもあるのです。
ぜひ活用したいのがネット証券。同じような投資先の商品でも、手数料が安く設定されていることが多いからです。中には販売手数料が無料の商品(ノーロード)もあるほどです。払わなくて済む手数料は、できるだけ払わないのが鉄則です。
投資信託7つのNG習慣②信託報酬の高さを甘くみてしまう
投資信託を買って持っている間には、信託報酬という手数料がかかります。投資信託の資金(純資産総額)の中から、毎日差し引かれています。安いものは年0.1%程度、高いものでも年2%となっています。
「じゃあ、1%くらいならいいか」と思う方は要注意。
投資信託の最終的な利益は、得られた利益から信託報酬を引いたものですから、信託報酬が少ない方が利益を出しやすくなります。しかも数年、数十年と長期保有すると、信託報酬の低い投資信託と高い投資信託の手数料の差はどんどん開いていくことになります。
投資信託の将来のリターンはわかりませんが、信託報酬はわかります。同じような投資先の投資信託が複数あったら、信託報酬がなるべく低いものを選ぶのがオススメです。
投資信託7つのNG習慣③毎月分配金のもらえる投資信託を選んでしまう
毎月分配金がもらえる「毎月分配型」と呼ばれる投資信託が人気です。確かに、おこづかいのように毎月お金が入ってきたらうれしいですよね。
「私もおこづかいが欲しい」という気持ちはわかりますが、毎月分配型の投資信託ははっきり言って長期投資には向きません。なぜなら、分配金は受け取るのではなく、再度投資に回して元手を大きくした方が、値上がりしたときに大きく増えますし、利益がさらに利益を生む複利の効果も期待できるからです。
分配金のなかでも特に、元本を取り崩して支払う元本払戻金(特別分配金)を出している投資信託はNG。言ってしまえば単なる預貯金の取り崩しです。それも高い手数料を払っての取り崩しです。また、元本が減ってしまうので、複利の効果を受けにくくなってしまいます。
投資信託7つのNG習慣④流行りのネタに飛びついてしまう
AI、ロボット、フィンテック…今後有望とされるテーマ(分野)に投資を行う「テーマ型」と呼ばれる投資信託も人気です。確かに、ニュースなどでもよく耳にする言葉です。
「この人気にあやかろう」と飛びつきたくなる気持ちはわかります。しかし、流行はいずれ過ぎ去っていくもの。テーマの賞味期限が切れると、途端に値下がりしてしまうものも少なくないのです。
テーマ型投資信託が新規に販売されたときには、すでにそのテーマの旬を過ぎていることが多々あるようです。
もちろん、一時的には値上がりする可能性もありますが、長期投資で持ち続けるものではないことはおわかりいただけるでしょう。
投資信託7つのNG習慣⑤複雑な仕組みの投資信託をつかんでしまう
通貨選択型や先物・オプションといった、複雑な仕組みを取り入れた投資信託もあります。さらに利益を増やしたり、リスクを減らしたりするしくみとして紹介されることがあります。
「なんだかわからないけど儲かりそう」と思ってしまう方は、ぜひ考えを改めてください。そもそも、よくわからない投資信託に、自分のお金を預けるのはおかしいですよね。普通、買い物でなんだかわからないものは買わないはずです。それと同じなのですが、なぜか投資になると買う人がいるのです。
また、複雑な仕組みの投資信託は、多くの場合手数料が高めに設定されています。シンプルな仕組みで手数料の安い投資信託のほうが、値動きも納得できますし、利益も出しやすいでしょう。
投資信託7つのNG習慣⑥一度にまとめ買いしてしまう
「まとまった額のお金ができたら投資信託を買おう」と考える方もいます。そのお金ができたとして、投資信託を一度にまとめ買いするのも、作戦としてはありえます。しかし、より堅実にお金を増やしていくなら、一定金額で少しずつ積立購入していく方法だといえます。
もし、これからその投資信託が一方的に値上がりを続けるとわかっているなら、一度にまとめ買いしたほうがお得。安いときに買って高いときに売るのが投資の基本です。でも、確実に値上がりを続けるかどうかなんて誰にもわかりません。相場は上下に値動きを繰り返しますが、売買のタイミングは非常に難しいものです。
値上がりと値下がりを繰り返すようなときは、一定金額で少しずつ積立購入していくと、安いときにたくさん買い、高いときには少ししか買わないため、平均の購入金額を下げることができます(ドルコスト平均法)。
これからの値動きがどうなるかは投資のプロでもわからないもの。一定金額で少しずつ積立購入したほうが堅実でしょう。
投資信託7つのNG習慣⑦値下がりしたからといってすぐに売ってしまう
投資信託に限らず、金融商品を買うとどうしても値動きが気になるものです。スマホなどで1日に何度もチェックしてしまう方もいるでしょう。
「買ってすぐ値下がりした…売ろうかな」と考えた方は、長期投資が前提だったことを思い出してください。投資信託にも値動きがある以上、値下がりする場面がでてくるのは仕方のないことです。すぐ売ってしまうと、手数料の分でも損をする可能性が高まります。
確かに値下がりは気持ちのいいものではないかもしれません。けれど、もし積立購入をしていたら、値下がりはむしろ平均購入金額を下げるチャンスにもなりえます。数年・数十年後に大きく増やすことが目標なのですから、目先の値動きに惑わされないようにしましょう。
まとめ
以上、投資信託7つのNG習慣として、投資信託の注意点をご紹介してきました。あなたも、お金を増やしたいのに、かえって損をしている…かもしれません。しっかり見直して、より効率よくお金が増やせるようにしていきましょう。
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頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
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