18/08/01
【FP相談現場より】赤字家計体質を脱するための1つの方法
毎月収入はある程度あるのに、日々の生活資金の支払いに追われ「どうしても毎月赤字になる…どうしていいのか分からない」。
筆者の事務所には、このようなお悩みを持った相談者が来られることが珍しくありません。
今回は、これまでの家計相談から見えてきた赤字になってしまうご家庭の特徴と、相談者と実際に実行している赤字家計からの脱却術をご紹介します。
赤字家計体質は「お金の使い方」から生まれる
家計の赤字で悩んでいるご家庭に共通しているのは、収入が多い・少ないに関わらず、「お金の使い方」に問題があるという点です。つまり、赤字家計になる体質だということです。
赤字家計体質ということは、毎月の「収入」より「支出」が上回っているということになりますが、なぜそのようなことになるのでしょうか?
それは、無計画なお金の使い方が要因と言い切ってもいいでしょう。
例えば、
・「家事のストレス解消のため」と外食がついつい多くなる
・「リラックスのため」と音楽や映画等の有料コンテンツを多数ダウンロードしてしまう
・ついつい洋服を衝動買いしてしまう
・通信費や光熱費等、固定費の見直しの余地が十分あるのに放置してしまっている
家計に少しでもお悩みのある方だと思い当たることが1つでもあったのではないでしょうか? これらのお金の使い方は、いずれも楽しくなることが目的です。しかし、結果として赤字家計というストレスをもたらしてしまっています。
このストレスをなくすために、実際に筆者が赤字家計で悩む相談者と行う、赤字から抜け出すための作業をご紹介します。
赤字家計体質を脱するためには、現金出納帳でお金の流れを確認すべし
家計赤字で悩む相談者には、毎月、どの時点でお金が行き詰ってしまうのかを確認してもらうために、相談時点から今後2か月ほどの現金出納帳を作成してもらいます。
現金出納帳というと難しく感じるかもしれませんが、未来のお小遣い帳のようなものです。
赤字家計体質の相談者には預貯金もゼロという方も多いので、今、お財布に持っている手元資金を確認し、今後の収入と生活費等の支出予定を日付ごとに記入していきます。
現実を直視してもらうことがこちらの狙いです。実際、書いてみると「ほら、ここでお金が滞りますよ!」と数日後のお金すら滞ることがわかって驚かれることが多くあります。赤字家計体質の方はこのように資金が滞った場合、安易に「キャッシングしよう」といった発想をすることもよくあります。しかし、この機会にそうした借り入れによる補てん癖もやめてもらうようアドバイスしています。
とはいえ、お金が滞るのはどうにかしなければいけませんので、短期的には何かしらの支出を我慢してもらうか、家族の助けを借りるか、提案をしています。
現金出納帳で、お金を使いすぎていることや、収入内で支出が収まっていないことを実感してもらったら、次に家計の見直しをお願いしています。例えば、
・外食を控える
・洋服を買う時は即決をしないで1週間は間をおいてみる
・携帯会社に出向き、自分の払える通信費予算を伝えて通信費削減を実行する
・光熱費等の固定費の見直し余地があれば削減する
等々
楽しみの我慢はストレスにつながる可能性もあるかもしれませんが、赤字家計で悩んでいる相談者の一番のストレスは「赤字家計」です。
そこを解決することで気持ちが楽になれば、次の楽しみにもつながるのではと思い、時には心を鬼にしたつもりで助言、アドバイスしています。
まとめ
赤字家計の問題で相談に来られる相談者には、子育てに悩みがある方や、離婚してシングルマザーで頑張っている方が多いです。
赤字家計から抜け出す一番の方法は、一人で悩みを抱え込まないことです。子どもも含め、赤字であることの問題意識を共有しているご家庭は、赤字家計体質脱却にほぼ成功しているという共通点があります。もちろん、FPに相談することも有効です。一緒に赤字家計脱却を目指しましょう。
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小林 裕子 ひろファイナンシャルプランニング代表 CFP ・1級FP技能士
2008年FP相談業務開始。2014年事務所運営スタイルを金融機関等からの紹介手数料を一切得ず、報酬は顧客からの相談料のみとするフィーオンリーへ移行。「ファイナンシャルプランニングは100人100様」をモットーにライフプランの実行支援を行っている。
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