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18/07/31

資産運用・経済

ドラマ「インベスターZ」を見て考える、投資と恋愛。塩漬けの恋愛に注意!

人気マンガが原作のドラマ、「インベスターZ」が2018年7月13日(金)から始まりました(テレビ東京、テレビ大阪ほか、深夜0:52~1:23放送)。
高校生が主人公の学園ドラマであると同時に経済ドラマでもあるという異色のドラマ。経済ドラマと言っても特別な知識がなくても楽しめるので、株式投資の初心者さんにもオススメです。

今回は、7月20日に放送の第二話で取り上げられた、投資と恋愛の共通点について詳しく解説します。

ドラマ「インベスターZ」はどんな内容?

主人公の財前孝史は、トップの成績でスーパー進学校、道塾学園に入学。学園には各学年で成績トップの男女各1名のみで構成される投資部があります。財前もまた入部することになるのですが、投資のことはまったくのシロウト。
そこで財前は先輩たちに厳しく教えられて、投資のイロハから極意までマスターしていくというストーリーです。

第二話では、「恋愛と株は一緒!?法則で攻める「株トレード必勝法」」と題して、株式投資に法則がとても大切であることが分かりやすく描かれていました。
株式投資になぜ法則が大切か。そしてなぜ恋愛と一緒なのでしょうか。
それは、どちらも感情に流されると、冷静な判断ができなくなってしまうからです。

株取引に感情はNGのわけ

株取引の基本は「安く買って高く売る」。
たとえば、一株あたり100円で買って、110円で売れば10円の利益です。
1万株の売買なら10万円、100万株なら1000万円の利益というわけです。

このように値上がりすればいいのですが、逆に値下がりしたらどうでしょう。
一株100円で買ったのに、翌日は95円に値下がり。ここで売ったら5円の損が確定です。
しかし、昨日は100円だったのです。明日にはまた100円に戻るかも。もしかしたら値上がりして120円になるかもしれない。そんなふうに迷っているうちに株価はどんどん下がって、90円になり85円になり…と下がってしまう可能性もあるのです。こうなってしまうと、損が大きくなりすぎて売るに売れなくなってしまいます。

これが、ドラマで神代部長が言っていた「塩漬け株」です。
塩漬け株とは、これから株価が値上がりする見込みが薄くても、損を確定するのを嫌がるあまり、だらだらと保有し続けている株のことをいいます。

いっそ売ってしまったほうがスッキリするのに、損を確定するのはどうしてもイヤ。こんな恋愛をしている人、近くにいませんか。

塩漬けの恋愛とは?

付き合っている彼氏がいて、そろそろ結婚?って思っても、相手はまったくその気なし。
ちょっとでも結婚を匂わすと「じゃあ別れる?」なんて言ってくる。そんな時、彼女の答えは決まって「このままでいい」。

このまま付き合っているうちに、結婚を意識してくれるようになるかもしれない。
付き合いが長くなれば、私が彼にとって必要な存在になるかもしれない。
それに、もしも別れてしまったら、私は彼氏がいない人になってしまう。
新しい出会いがあった時、彼氏がいないと焦って失敗するかもしれない。

何より、別れたら彼氏との未来はそこで終了してしまいます。周りはいっそ別れてしまったほうがいいのに、と思っても、本人は目先の損=彼氏を失うことを確定するのがイヤで、ずるずる関係を続けてしまう。
そして二人は、結婚するわけでもなく、別れるわけでもなく、真剣に付き合うわけでもなく、ただ惰性でダラダラと関係を続けてしまう。そしていつの間にか、「一生独身かもしれない」と考え始める…。
これは、さきほどの塩漬け株とそっくりです。

感情に流されないための法則とは

人は感情に流されると、目先のことにこだわりがちです。大きな視点で考えられず、「損して得取る」とはいかなくなってしまいます。
そこで、必要なのが株取引の法則です。

インベスターZの投資部では、「10%利食い、5%損切り」を絶対の法則としていました。10%利食いとは、10%の利益が出たら、株を売って利益を確定することです。もう少し値上がりしてから売ったらもっとトクをするかも、という欲張った感情に流されず、法則通りに売ってしまうのです。株価は、ある程度上がったら反動で下がることが多いものです。一喜一憂せず、10%利食いをすることで確実に利益を上げていきます。

恋愛にたとえるなら、相手との距離が縮まってきたら、あまりもったいぶっていないで次の段階に進むことに似ています。
出会ってから付き合うと決めるのに、時間のかかる人もいます。結婚を決めるのはさらに時間がかかるでしょう。

人生の一大事なので当然ではありますが、いつまでも「もっといい人があらわれるかも」、と決心がつかないままではタイミングを逃してしまいます。
恋愛でも、ある程度のところで心を決めたほうがいいように、株価は10%値上がりしたら売って利益を決定させます。恋愛と違って株価なら、数字でわかるので悩まず実行できそうです。

5%損切りとは、5%の損失が出たら、株を売って損失を確定すること。株価が値上がりするかも、とぐずぐずしているうちにさらに値下がりしたら大損をしてしまいます。そこで、傷が小さいうちにさっさと損失を確定して、次なるターゲットを探すのです。

恋愛なら、ダメンズにさっさと見切りをつけることにも似ています。仕事をきちんとしなかったり、お金にだらしなかったり、浮気をくりかえしたり…。そんな人でも惚れた弱みで付き合い続けている女性もいますが、周りから見ればキッパリ分かれて次の相手を見つけて欲しいと願わずにいられません。
あるいは、先ほどの塩漬けの恋愛のような、まじめに付き合おうとしない彼氏を切るのも損切りと同じことです。

いつか良くなるかも、といつまでもぐずぐずしていないで、株価が5%値下がりしたら、さっさと売って損失を確定させましょう。

これが株取引の必勝法、「10%利食い、5%損切り」です。

まとめ

株式投資を恋愛に置き換えて考えると、複雑な理論を知らなくても的確な判断ができるようになりますね。 ただし、逆は真ならず。恋愛に株の理論をあてはめても思い通りにはいかないでしょう。恋愛は損得だけでするものではないのでご注意を。

タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)

36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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