25/11/07
定期預金「満期で放置」は、もったいない2つの理由

生活費として今すぐ使わないお金を定期預金に預ける人は多いのではないでしょうか。でも、「定期預金に預けているからほったらかしで大丈夫」と思っていませんか。その考えは少しもったいないかもしれません。そこで今回は、定期預金が満期を迎えたときの取り扱いと、満期で放置した場合に起こるもったいないことを紹介します。
定期預金は満期を迎えるとどうなるの?
定期預金は1年や3年など決まった期間、銀行にお金を預け続けることで普通預金よりも高い金利を受け取れる商品です。満期までの期間は短いもので1カ月、長いものだと5年や10年などの定期預金もあります。
定期預金が満期を迎えたときの取り扱いには、主に「自動継続」と「解約」の2つがあります。
●自動継続
自動継続の場合、手続きを行わなくても、自動的に同じ期間の定期預金に預けられます。金利は継続日時点での定期預金金利になります。
定期預金を自動継続する金額は「元金」か「元利(元金+定期預金で得た金利)」の2種類から選べます。元利継続の場合は、複利効果があるので、元金継続よりも効率よくお金を増やせます。
●解約
解約の場合、満期を迎えるタイミングで、定期預金から普通預金に預金が移動します。金利は以後、普通預金の金利が適用されます。満期後の預金は解約手続きを行わずに自由に使えるようになります。
定期預金を満期で放置するともったいない2つの理由
満期を迎えた定期預金を放置するともったいない理由は大きく2つあります。
●①金利が下がってしまう
満期解約の場合は普通預金金利が適用され、定期預金よりも金利が下がります。本来なら定期預金に預け続けられた余裕資金が、活用されずにもったいないことになります。
自動継続の場合、定期預金の金利が適用されますが、初回契約のキャンペーンで高金利が設定されていた場合、継続時の金利は下がることが多くあります。
●②休眠預金となり、すぐにお金が引き出せなくなる
2009年(平成21年)1月1日から、10年以上取引のない預金等は「休眠預金」になるようになっています。休眠預金のお金は、民間公益活動に活用されます。休眠預金となった後も、利用していた金融機関でお金を引き出すことができますが、手続きが必要になります。お金がすぐに必要というタイミングで休眠預金になっていたら、自由にお金が使えず機会損失を生んでしまいます。また、そもそも休眠預金になっていることも忘れてしまうかもしれません。
定期預金の活かし方
では、定期預金の満期後の放置をどのようにして防げばいいでしょうか。
●自動継続をする
定期預金の自動継続を活用することで、普通預金金利が適用されたり休眠預金になったりすることを防ぎましょう。しばらく使う予定のないお金であれば、5年・10年といった期間の長い定期預金を活用して金利の優遇を受けるのもいいでしょう。また、今後も金利が上昇すると考えるのであれば、短期の定期預金を利用しておくのも一案です。
万が一、定期預金を途中で解約したくなった場合も、満期時の利息よりは下がりますが、手続きをすれば引き出せます。中途解約でも、元本を割ることなく引き出せることはメリットの一つと言えるでしょう。
●投資をする
定期預金の金利は上がってきたとはいえ、まだ0%台です。より大きく増やしたいというのであれば、預金の一部を投資信託や個人向け国債に回してみるといいでしょう。投資信託には元本割れのリスクがありますが、長期・積立・分散投資に取り組むことで堅実にお金が増やせますし、NISAを利用すれば運用益に税金がかかりません。個人向け国債も「変動10年」であれば金利が半年ごとに見直されるので、今後の金利上昇に対応することができます。いずれも定期預金に預けているような、今すぐには必要にならないお金で行うといいでしょう。
●予定していたライフイベントに活用する
住宅購入やリフォームの費用、老後の生活費など、定期預金を始めた当初の目的のライフイベントに活用しましょう。まとまったお金を使うことにストレスを感じるかもしれませんが、定期預金の最終的な目的は「使うため」です。計画通りにお金を使うことも大切にし、「お金が足りなくて欲しいものが買えなかった」という機会を逃すことを防ぎましょう。
預金の棚卸をして、損を防ごう
定期預金をこれから申し込もうとする方は、契約時に「自動継続」か「解約」のどちらなのか確認を行いましょう。すでに契約している方も、自分の想像通りの契約か、確認をしておくといいでしょう。しばらく使わないお金だからと気にしないのではなく、目を配ることで損を防げます。大切に貯めたお金だからこそ、定期預金を使うべきときがくるまで丁寧に扱うことで、安全に資産を築いていけます。定期預金に何年間いくら預けるかなど、目標を決めて上手に活用していきましょう。
【関連記事もチェック】
・本質を理解して投資するために「投資の解像度を上げる」【Money&YouTV】
・【四季報2025年4集秋号】飛躍期待の好業績株5銘柄【Money&YouTV】
・55歳になったら絶対すべき、老後破綻を避ける「たった1つのこと」
・会社も役所も銀行も教えてくれない「定年後のお金の正解」【Money&YouTV】
・新NISAの積立日は何日がベスト?損する日はいつ?過去データで徹底検証してみた【Money&YouTV】
金子圭都 ファイナンシャルプランナー(CFP︎®︎)
学生の頃、親族の死をきっかけにお金について学び、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。お金の勉強をする女性コミュニティでイベントの企画・運営に3年間携わり、のべ200人以上のお金の悩みに寄り添う。その後独立し、お金の不安を安心に変えるマネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
























