25/09/29
24期連続の増配を発表したKDDIに、10年前に「100万円」投資していたら今いくら?配当金合計は?

保有し続けるだけで定期的に収入が得られる「高配当株投資」が注目されています。なかでも、毎年配当を増やし続けている連続増配株は、その会社の業績が上向きであることも多く、特に人気を集めています。
連続増配株に投資すると、どれくらい資産を増やすことができるのでしょうか。今回は、24期連続で配当金の増配を発表した大手通信キャリアのKDDI(9433)を例として、もし10年前に100万円を投資していたら今どれくらい増えているのか、また配当金をどれだけ受け取れていたのか解説します。
そもそもKDDIとはどのような会社か
KDDIは、1984年に創業された日本を代表する大手通信キャリアです。資本金は約1419億円、売上高は約5兆9180億円、営業利益は約1兆1187億円で(連結決算・2025年3月時点)、日本株の時価総額上位22位にランクインしています。
国内で唯一、固定電話などの固定通信事業、スマートフォンなどの移動通信事業、国際電話などのグローバル通信事業の3つに携わっているのが特徴です。
移動通信事業については、au、UQ mobile、povoの3ブランドでよく知られており、これらに加え法人やIoT、mvnoサービスをあわせて約6,780万の回線を提供しています(2024年3月時点)。
通信事業の規模の大きさや総合力を活かし、ほかのさまざまな領域にも進出。以下のように多岐にわたるサービスを展開しています。
・ インターネット関連事業
・ コンテンツ・メディア事業
・ ネットワーク建設・運用・保守事業
・ 金融事業
・ 流通・小売業
・ エネルギー関連事業
・ 教育事業 等
KDDIは、2025年3月期の決算短信において、2026年3月期の年間配当額予想を80円と発表しました。これが実現すると、なんと24期連続の増配となります。
10年前にKDDIの株式を100万円分購入したら、現在はいくらか
まず、KDDIの10年前と現在の株価を比較し、どれだけ増えたか計算します。株式情報サイト「株探」によると、2015年8月31日の終値は1333.5円、2025年8月29日の終値は2550.5円(分割調整後の株価で表示)でした。
2550.5÷1333.5≒1.9ですから、10年前と比べて株価がおよそ1.9倍になったことがわかります。10年前にKDDIの株式を100万円分購入していた場合、100万円×1.9=190万円となり、10年間で90万円の売買差益を得られたことになります。
10年間KDDIの株式を保有し続けていたら、配当金はいくら受け取れたのか
続いて、10年間KDDIの株式を保有し続けていた場合、受け取れた配当金の合計はいくらになるか考えます。
2015年にKDDI株を株価1333.5円で100万円分購入したとすると、100万円÷1333.5円≒750、つまり750株購入できたことになります。
また、2015年から2025年の10年間における、1株あたりの配当額の推移は以下の通りです(2025年4月1日の株式分割を考慮)。
<KDDIの1株あたりの配当額の推移と配当利回り(2015年~2025年予想)>

IR BANK「KDDI 配当金の推移」より筆者作成
2015年に750株購入しているため、毎年750株分の配当金を得られることになります。それぞれの年度の750株分の配当額は、以下のようになります。
<KDDIの750株あたりの配当額の推移(2015年~2025年予想)>

IR BANK「KDDI 配当金の推移」より筆者作成
上記のとおり、2015年から2025年の10年間で受け取れる750株分の配当金合計は96万7500円となりました。100万円を投資して10年間保有し続けることで、元本と同じくらいの配当金を受け取れるとは驚きです。
保有しているだけで資産が大きく増える、連続増配株の魅力
10年前にKDDI株を100万円分購入していた場合、売買差益90万円、配当金96万7500円で、合計186万7500円資産が増える計算となりました。毎年配当を増やし続ける連続増配株の魅力がお分かりいただけたかと思います。
今回取り上げたKDDI株は、配当が増えるにつれ株価も上昇する傾向にありました。しかし、配当は増え続けているものの株価は下降している銘柄もあるため、銘柄選びには注意が必要です。この場合、配当利回り(1株あたり年間配当金÷株価×100)が高くなるので一見お得そうですが、株価が下がった理由が業績悪化などの場合、ゆくゆく配当が減る(減配)・なくなる(無配)事態に陥ることもあります。配当の高さだけでなく、その企業の業績などにも目を向けるようにしましょう。
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木下七夏 Webライター
大学卒業後金融機関に勤め、個人のお客さま向けの営業を担当。退職後にFP2級を取得し、フリーライターに。FPで学んだ知識や金融機関勤めの経験を生かして、生活にまつわるお金の疑問を分かりやすく噛み砕いて解説する記事を作成している。

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