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25/10/25

相続・税金・年金

年金で大失敗する5つのケース

年金で大失敗する5つのケース

老後の生活を支える年金ですが、いざ年金をもらう年齢になって「あれ?思ったより少ない……」と感じる方が少なくないようです。このように感じてしまうのは、年金制度について勘違いや失敗をしていることが背景にあります。今回は、年金で大失敗する人の勘違いや失敗例を5つご紹介します。

年金の失敗1:年金記録の漏れや間違いを放置していた

2007年に報道された「消えた年金問題」を覚えているでしょうか。1996年以前は、同じ人でも加入している年金制度ごとにバラバラの年金番号が使われていましたが、1997年に国民一人につき1つずつの基礎年金番号に統合されました。しかし、それから10年後の2007年、何らかの理由で基礎年金番号に統合されておらず、持ち主が不明となっている未統合の年金記録が5000万件以上もあると判明。調査を続けてはいるものの、2025年時点でも1600万件以上の年金記録の持ち主が分かっていないままです。

もしかしたら、あなたが受け取るはずの年金も「消えた年金」の一部になっているかもしれません。「公的機関の記録が間違っているはずがない」と安心せず、ご自身の年金記録をしっかり確認しましょう。毎年はがきで届く「ねんきん定期便」や、Webサイト「ねんきんネット」を確認し、記録漏れや誤りがないかチェックしてみてください。転職経験がある方や名字が変わった方は、以前勤めていた会社の記録や旧姓時代の記録が漏れている可能性があるため、特に注意が必要です。

年金の失敗2:よく考えず繰り上げ受給をしてしまった

基礎年金や厚生年金は原則65歳から受け取るものですが、手続きをすれば60歳~64歳から繰り上げて受給することもできます。ただし、1か月繰り上げるごとに年金額が0.4%減額され、その金額が一生続きます。

例えば、60歳から繰り上げ受給すると24%の減額となります。月15万円の年金を受給できる方が60歳から繰り上げ受給すると、毎月の受給額が3万6000円も減額され、11万4000円となってしまうのです。

「早く年金が欲しい」と思い、あまり考えずに繰り上げ受給制度を使ってしまうと、将来後悔するかもしれません。ご自身やご家族のライフプランをしっかり考えたうえで検討しましょう。

年金の失敗3:離婚時に年金分割をしなかった

年金分割とは、婚姻中に夫婦が納めていた厚生年金保険料を、離婚時に分割して財産分与する仕組みです。

例えば、夫が会社員として働き、妻が専業主婦として長年家事や育児を担っていた夫婦が離婚した場合に、老後の厚生年金がすべて夫のものになるのは不公平と考えられます。このように、夫婦のうち家事や育児によって家庭を支えてきた側が老後に経済面で不利にならないようにするため、この制度がつくられました。

年金分割は離婚したら自動的に実施されるわけではありません。離婚した日の翌日から2年以内に請求手続きをする必要があります。年金分割の手続きをしなかった場合、人によっては将来もらえる年金額がかなり少なくなります。

「もう相手と顔を合わせたくない」「慌ただしくてそれどころではなかった」などさまざまな理由があるとは思いますが、将来のご自身の生活のためにも、しっかり年金分割の請求手続きを行いましょう。

年金の失敗4:国民年金保険料の納付猶予制度を利用した

所得が低い、生活が苦しいといった理由で国民年金保険料を支払えない方は、申請することで猶予を受けられます。

納付猶予期間は、基礎年金の受給資格期間に含めることができます。ただし、受給金額の計算には含まれません。そのため、猶予を受けた分の国民年金保険料を払わないままだと、その分将来もらえる年金が減ってしまいます。学生向けの支払い猶予制度である「学生納付特例制度」も同様で、基礎年金の受給資格期間には含まれますが、受給金額には反映されません。

なお、国民年金には納付猶予制度だけでなく免除制度もあります。申請後承認されて全額免除になった場合、年金受給額はその期間の分が2分の1として計算されます。

年金の失敗5:遺族年金の計算方法を勘違いしていた

遺族年金の金額について「亡くなった配偶者の年金額の4分の3」と認識している方もいるのではないでしょうか。残念ながら、これは間違っています。

18歳未満の子どもがいない夫婦の場合、会社員の配偶者が亡くなると、遺族厚生年金のみを受給できます。遺族厚生年金の金額は「亡くなった配偶者の老齢厚生年金報酬比例部分の4分の3」です。つまり、亡くなった配偶者の基礎年金部分は計算に含めないのです。また、65歳以上で老齢厚生年金を受け取る権利がある方が亡くなった配偶者の遺族厚生年金を受け取るときは、「亡くなった方の老齢厚生年金の4分の3」と「亡くなった方と自身の老齢厚生年金を2分の1ずつ足した合計」を比較し、高い方の額が遺族厚生年金の額となります。

ただ単に「夫の年金額の4分の3もらえる」と勘違いしていると、実際に受け取ったときに金額が少なく驚いてしまうかもしれません。

なお、遺族年金の制度は2028年以降に改正される予定です。これまでは遺族年金をもらえる年齢に男女で差がありましたが、改正後は男女差がなくなり、60歳未満で配偶者と死別した場合は原則5年間の有期給付となります。なお、有期給付となる代わりに、配偶者の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の1が「有期給付加算」として上乗せされます。

年金制度を正しく把握して失敗を防ごう

老後にもらえる年金が予想より少なくなってしまった例を紹介しました。今回の5つの例のように、年金で失敗してしまうのは、年金に関する知識不足や勘違いが原因ということが少なくありません。

年金はあなたの老後の生活に大きく関わる重要事項です。将来後悔しないように、現役時代から年金制度に関心を持ち、正しい知識をしっかり身に付けておきましょう。

木下七夏 Webライター

大学卒業後金融機関に勤め、個人のお客さま向けの営業を担当。退職後にFP2級を取得し、フリーライターに。FPで学んだ知識や金融機関勤めの経験を生かして、生活にまつわるお金の疑問を分かりやすく噛み砕いて解説する記事を作成している。

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