24/04/12
買った時点で損?お金のプロが絶対買わないアイテム5つ
家計をおトクにやりくりするには、「何を買うか」が大切ですが、「何を買わないか」も同様です。
ともすると、買うことばかりに目がいってしまいがちですが、買わないアイテムにこそ、やりくり上手のコツがあらわれます。
今回は、FPである筆者が買わないと心掛けているモノはなにか、じっくり考えてみました。
FPが買わないモノ1:ノリで買わせにくるお買い得品
買うか買わないか、最後の決め手は損得勘定よりも感情、ということは誰しも経験があるのでは。かくいう筆者も例外ではありません。
スーパーの食料品売り場の「3割引き」シールが貼ってあるお肉のパック、デパートの「わけあり品ワゴンセール」、インターネットショッピングの「今だけチャンス」のタイムセールなど、買う気にさせるあの手この手は枚挙にいとまがありません。
リアル店舗ではムダに買い過ぎないように気を付けていても、ネットスーパーではうっかり…というケースも多いのではないでしょうか。
コロナ禍以降、普段の買物をリアル店舗からインターネットショッピングへの切り替えが増えたと言われています。
リアル店舗では、買物カゴがいっぱいになると視覚的にこれ以上買うことにストッパーがかかります。しかし、ネットスーパーではその点わかりにくくなっています。
しかも、買ったものが多くても玄関先まで運んでくれるので、気軽に買ってしまいがち。
その場のノリで買って、その時はよくても、その後冷静になると「そんなにおトクじゃなかった」「似たようなモノを持っていた」「結局使いきれなかった」など、買ったことを後悔することもしばしばではないでしょうか。
売り手はプロなので、その場で冷静さを取り戻すのは至難の業。そんなわけで、売り手にのせられそうな雰囲気を感じた時には買わないことにしています。買わなければ、少なくとも損はしないと思うからです。
FPが買わないモノ2:見栄心をくすぐられる贅沢品
気分で買ってしまうモノには、見栄心をくすぐる贅沢品も当てはまります。ウェブサイト、SNS、雑誌などを見ると、素敵だなと思うモノは次々と出てきます。
しょせんすべては買えません。しかし、なかにはつい買ってしまいそうになるモノがあります。それは、見栄を張りたい気持ちが刺激されるモノではないかなと思っています。
似たようなモノであれば、高いほうを選びがちな人は要注意。
価格が高いからといって、品質まで高いとは限りません。ブランドロゴが入っているかどうかにかかわらず、品質をしっかり見極められるといいですね。
自分なりの選択基準を持っていると、見栄心で買ってしまうことは減らせるでしょう。
自分が使う持ち物ばかりではなく、お世話になった方など思い浮かべて「あの人にプレゼントしたら喜ばれそう」、もっと正確に言えば「私の株が上がりそう」、という下心なのかもしれません。そんな気持ちとセットになりがちな贅沢品を見かけたら、お財布のヒモをギュッとかたくするようにしています。
FPが買わないモノ3:惰性で買物カゴにはっている常備品
逆に、何も考えていないからこそ買ってしまいがちなモノもあります。たとえばスーパーに買物に行ったとして、まず果物売場でリンゴ、魚売場で鮭の切り身…、と自動的に買物カゴに入れてしまうことがあります。まだ家にあった、と思い出しても引き返すのは面倒だし、売場に戻すのも気が引けるし、まぁ日持ちするからいいか、と自分を納得させて買うことは、できれば避けたい購買行動です。本当に必要なモノとは言えないからです。
同様に、習慣的に立ち寄るコンビニ、いつもの自販機、ラーメンにはいつも餃子セット、といったように、無意識のうちに買っているものは意外と多いのかもしれません。
たとえば、玉子と牛乳を買いにいったスーパーで、結局あれもこれもと買物カゴがいっぱいになってしまう、という人は、買物に行く日を決める、あるいは行かない日を決めておくことをお勧めします。
欲しいモノ、必要なモノは買いますが、きちんと意識して買いたいものです。いつも買っているからと惰性に流されて買っていると節約にはつながりません。
時には、本当に必要なのか、なくても問題ないのではないか、と立ち止まってみるのも必要なのではないでしょうか。
FPが買わないモノ4:手数料が高い投資信託
金融商品で買わないモノと言えば、手数料の高い投資信託です。投資信託は、株式投資と比べると少額からでも売買が可能で、リスク分散もしやすい投資方法です。刻々と変わる値動きを追っていなくても大きな損失になることもほぼありませんので、比較的安心していられることも、精神衛生上のメリットです。
ただ、気を付けたいのは手数料です。投資信託は投資の専門家が、投資家に代わって運用してくれる仕組みなので、その分手数料(信託報酬)がかかります。投資信託そのもので利益が出ても、手数料が高くては利益が目減りしてしまいます。
しかも、将来の利益は不確定ですが手数料は確定しています。必ずかかるコストだからこそ、しっかり見極めた銘柄選びが肝心です。
信託報酬の手数料が安いのは、一般的にインデックスファンドと呼ばれる投資信託です。
インデックスファンドとは、特定の指標(=インデックス)と同じ値動きをするように設計された投資信託のこと。指標には、日経平均株価やNYダウが用いられます。
株価の上昇が続く状況では、インデックスファンドで十分利益が見込めるうえに、手数料が安いので、ねらい目の金融商品です。
一方、手数料が高くなりがちなアクティブファンドは、投資の専門家が独自の判断で投資をして、インデックスファンドよりも高い利益をねらう商品です。ハイリターンを望めるかわりに、リスクもとり、手数料も高くなります。
しかし、長期的な値動きを見ると、実はインデックスファンドのほうが運用実績がよいケースが少なくありません。
手堅く資産を増やすなら、インデックスファンドがいいと言われるゆえんです。
手数料もリスクも高いアクティブファンドは、値動きを見守る余裕がない時には買わない、と決めています。
FPが買わないモノ5:買ったとたんに大きく値下がりする新築の不動産
不動産物件は、個人にとっては大きな買物です。ローンを組んで長期にわたって返済していくためには、家計のマネープランを立てて実行することが重要です。
そんなマネープランを根底から揺るがしかねないのが、物件価格の予想外の値動きです。
マンションなどの新築物件は買った時点で中古物件になり、何らかの事情により売ることになったとしても、価格の下落は約2割を見込んでおく必要があると言われています。
地域や設備によっては、さらに値下がりする場合も。そのため、不動産を購入する場合には大きく値下がりするリスクのある物件は避けなければなりません。
大きな買物だからこそ、見極めは大切です。
しかも、2024年3月にはマイナス金利政策が解除されたことにともない、住宅ローンの金利が上がることが予想されます。
利率の上昇局面では、住宅ローンは固定金利で組むのがセオリーです。
固定金利は変動金利よりも利率が高くなりますが、長い返済期間の間、返済金額がわかっているほうが計画的に家計を考えることができるので、固定金利のメリットは大きいと言えるでしょう。
一方、気になるのはすでに住宅ローンを組んで、返済をしているケースです。
もし、変動金利で組んでいたら、今後は返済金額が高くなると考えられます。しかし、いきなり月々の返済額が大きく増えては大変ですので、通常、返済開始から5年間は返済額がかわらないルールが設定されています。
とはいえ、返済額は変わりませんが利率は変わりますので、返済金額のうち元金にあてる金額は少なくなり、利息分が増えます。
利率がさらに上がれば返済金額がすべて利息分、ということにも。
もっと利率が上がると、返済金額で払いきれなかった利息を、あとからまとめて払わなくてはなりません。
このような状況を考えると、今後、多くの中古物件が市場に出回ることになるかもしれません。
不動産をこれから買うつもりなら、状況が落ち着くまで静観するほうがよさそうです。
円高による材料費の高騰、働き方改革による人件費の増加、人口減少による需要の低下など…。不動産市場は今後大きく変化する可能性があるのではないでしょうか。
買わないものを決めることも大切
今回は、FPである筆者が買わないように気を付けているモノをピックアップしました。筆者もまだまだ修行中です。
日常生活から投資、不動産まで、お金はムダなく有意義に、楽しく使いたいですね。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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