24/03/18
住民票、戸籍謄本、印鑑証明…証明書が「10円」で取れる裏技
市区町村が発行する証明書は、以前は各自治体の窓口で、数百円を支払い発行してもらっていました。しかし、マイナンバーカードを持っている人であれば、コンビニ交付を利用すれば、コンビニに設置された端末から簡単に証明書を取得することがます。かかる費用も役所の窓口で発行するよりも安く、場合によっては「10円」だけしかかからない自治体も。今回は、マイナンバーカードを使ったコンビニ交付の手順などを詳しくご紹介します。
コンビニ交付で取得できる書類は
コンビニ交付とは、マイナンバーカード(または住民基本台帳カード)を利用して市区町村が発行する証明書が全国のコンビニ等のキオスク端末(マルチコピー機)から取得できるサービスのことです。
●利用できるコンビニは?
全国のあらゆるコンビニで利用できます。コンビニ交付は、コンビニ内に設置されているマルチコピー機(キオスク端末)を使って取得できます。
●利用できる時間帯は?
原則、平日・土日祝祭日ともに6:30~23:00の間で利用できます。
役所の窓口に証明書を取りに行く場合は、平日の日中に行くのが基本でした。役所の窓口はいつも混んでいて待ち時間も長く、不便と感じることが多かったですが、コンビニ交付であれば、勤務先や自宅近くのコンビニで証明書が取得できるので便利です。
●コンビニ交付で取得できる書類
コンビニ交付で取得できる書類は、次のとおりです。
【お住まいの市区町村の証明書】
・住民票の写し
・住民票記載事項証明書
・印鑑登録証明書
・各種税証明書
・戸籍証明書(全部事項証明書、個人事項証明書)
・戸籍の附票の写し
【本籍地の証明書】
・戸籍証明書(全部事項証明書、個人事項証明書)
・戸籍の附票の写し
住所地と本籍地が異なる住民の方でも、「本籍地の市区町村がコンビニ交付サービスに対応している」「事前に本籍地の市区町村に利用者登録を済ます」の2つの条件がクリアできていれば、本籍地の戸籍証明書を取得することができます。
【その他】
・新型コロナウイルス感染症予防接種証明書(2024年3月31日で終了)
申請先は、接種を受けた際に住民票のある市町村(通常は接種券の発行を受けた市町村)です。
なお、市区町村により、取得できる証明書の種類は異なります。
コンビニ交付の手順
コンビニ交付を利用する際に必要なことと手順を解説します。
●コンビニ交付を利用する際に必要なこと
・お住まいの市区町村がコンビニ交付サービスを提供していること
・マイナンバーカード(または住民基本台帳カード)を取得していること
2024年3月12日時点でコンビニ交付サービスを提供しているのは1279市区町村です。お住まいの市区町村や本籍地がコンビニ交付サービスを提供しているかどうかは「コンビニ交付」サイトの「利用できる市区町村」で検索できます。
●マルチコピー機(キオスク端末)でのコンビニ交付の手順
コンビニ交付は以下の手順で行います。
①各店舗に設置されているキオスク端末(マルチコピー機)の画面に表示されている「行政サービス」ボタンを押す
②ご利用上の同意事項を読み「同意する」を選択
③「証明書交付」を選択
④「証明書交付サービス」を選択
⑤キオスク端末の所定の場所にある「カード置場」に、マイナンバーカードを置く
⑥証明書を交付する市区町村を選択
⑦マイナンバーカードの交付時に設定した4桁の暗証番号を入力して本人確認を行う
⑧マイナンバーカードを取り外す
⑨お住まいの市区町村で取得可能な証明書の一覧(住民票の移し、印鑑証明など)が表示されるので、その中から取得したい証明書を選択
⑩証明書の交付種別(本人のみ、世帯全員など)を選択
⑪証明書に記載する項目(世帯主・続柄・マイナンバーなど)の有無を選択
⑫必要な部数を入力
⑬これまで入力した内容が正しいかどうか最終確認を行い、交付手数料を投入
⑭証明書発行
各種証明書の交付手数料が「10円」になる地域は?
ここでは、コンビニ交付で、各種証明書の交付手数料が「10円」になる地域を紹介します。
●東京都世田谷区
世田谷区は、2024年(令和6年)3月1日~2024年(令和6年)4月30日までの期間限定で、コンビニ交付サービスを利用して証明書を取得するときの手数料が10円になります。
<世田谷区の各種証明書・交付手数料>
世田谷区ウェブサイトより
●福岡県福岡市
福岡市は、2023年(令和5年)4月1日から2024年(令和6年)3月31日までの期間限定で、コンビニ交付サービスを利用して福岡市の証明書を取得する際の手数料が、全て10円になります。
<福岡市の証明書・手数料・利用時間>
福岡市ウェブサイトより
なお、上記以外に、「所得証明書(個人市県民税の課税・非課税証明書)」、「納税証明書(個人市県民税分)」についても取得できます。
●奈良県奈良市
奈良市は、2023年(令和5年)1月5日から2024年(令和6年)3月31日までの期間限定で、コンビニ交付サービスを利用して奈良市の証明書を取得する際の手数料が、全て10円になります。
<奈良市の証明書・手数料>
奈良市ウェブサイトより
●埼玉県春日部市
春日部市は、2022年(令和4年)12月20日から2025年(令和7年)3月31日までの期間限定で、コンビニ交付サービスを利用して春日部市の証明書を取得する際の手数料が、全て10円になります。
<春日部市の証明書・手数料>
※上記証明書すべて10円
春日部市ウェブサイトより
2024年3月末で終了する地域も
ご紹介した地域は、各証明書が10円で取れますが、実際、どの地域でも同じという訳ではありません。同じコンビニ交付でも、地域によっては、交付手数料が150~200円という場合もあります。また、10円で証明書が取れる期間が2024年3~4月で終了する地域、2025年3月まで10円の地域、一定期間の延長を行った地域など、バラバラです。
現時点で、いずれかの証明書が必要になることが分かっているのであれば、お住まいの地域の対応状況を確認して、期限までに取っておくようにしましょう。
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舟本美子 ファイナンシャルプランナー
「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー
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