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23/10/06

家計・ライフ

生活が苦しくても「生活保護」にならない5つの理由

生活が苦しくても「生活保護」にならない5つの理由

誰もが一度は耳にしたことのある「生活保護」。生活が苦しい時は、生活保護を頼みの綱として考えている方もいるのではないでしょうか?「いざとなれば生活保護をもらえばいい」などと簡単にいう人もいますが、実は生活保護は厳しい条件を満たさないともらえません。今回は、生活保護をもらう条件について紹介します。

そもそも生活保護とはどんなもの?

生活保護は日本国憲法第25条の「生存権」に基づいて、最低限の生活を保障し、自立をサポートするための制度です。生活保護の保護費には、生活するうえで必要になる費用に応じて、生活扶助・住宅扶助・教育扶助・医療扶助・介護扶助・出産費用・生業扶助・葬祭扶助・葬祭扶助の8つの扶助があります。

このうち、生活費にあたる生活扶助の金額は、次のようになっています。

●生活扶助基準額の例

厚生労働省「生活保護制度に関するQ&A」より

たとえば、地方在住の高齢者夫婦世帯(68歳、65歳)の場合、11万円弱受け取れる可能性がある、というわけです。

生活保護を受けられるようになると、生活費や家賃、就労に必要な技能の習得のための費用、葬祭費、そして子供の義務教育に必要な学用品費が支給され、医療費、介護費の負担もなくなります。こう聞くと、貯金がなくとも気軽に暮らしていけるのではと考える方もいるかもしれません。

生活が苦しくても生活保護がもらえない5つの理由

ですが、生活保護を受け取るには厳しい条件をクリアしないといけません。そのため生活が苦しくても生活保護がもらえない可能性もあります。具体的な理由を解説します。

●生活保護がもらえない理由①:公的給付を受取っている場合は最低生活費との差額のみ

雇用保険の失業手当や、年金といった公的給付を受給している場合、生活保護の金額は最低生活費と収入の差額のみとなります。「11万円弱もらえる」などと安易に考えていると、もらええない可能性があります。

●生活保護がもらえない理由②:親族の援助がある場合は対象外

民法で扶養義務があるとされる3親等から援助が受けられる場合は、生活保護の受給ができません。3親等は両親、子、兄弟、姉妹だけでなく曽祖父母、祖父母、孫、ひ孫、甥・姪、おじ、おば、まで含まれます。生活保護の受給には、扶養の可否の調査がありますので、上記の親族からの援助が受けられる可能性がある場合は生活保護の需給は難しいでしょう。

●生活保護がもらえない理由③:働ける状態ならば対象外

病気や障害がなく働ける状態ならば生活保護の受給はできません。また、生活保護を受けていても就職した場合は生活保護の受け取りは終了します。ただし、働いている場合でも、受給額より収入が少ない場合は差額を受給できる可能性があります。生活保護を検討する前に、就活をして働くこと、収入を増やすことを考えましょう。

●生活保護がもらえない理由④:車や不動産など売却できる資産がある。

車や不動産を所有している場合は、原則として売却しなければ生活保護の対象となりません。また売却してすぐはまとまったお金を保有していることになりますので、すぐには生活保護を受けられません。
例外的に、持ち家は住宅ローンの支払いが完了していれば、生活保護の対象となります。ただし、65歳以上の場合は、自宅を担保にしてお金が借を借りるリバースモゲージを案内される可能性がありますので注意が必要です。また車も、障害があり通勤、通院等に必要な場合等には、保有が認められることもあります。

●生活保護がもらえない理由⑤:借金がある

生活保護は生活のための費用を援助することが目的であり、ローン返済のための受給はできません。借金がある場合は、まず自己破産の申請を行いましょう。

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生活保護よりも家計の見直しを

生活保護の制度は困っている人を助ける手厚い援助である一方で、厳しい条件が設けられています。そのため、もし、生活保護に頼る予定で生活をしている場合は、その考えを改めてまずは家計を見直しましょう。健康なうちは働いてお金を貯め、将来に備える意識をしっかりと持ちましょう。

逆に、本当に苦しくて生活保護に頼るしかないというときは、迷わずにお住まいの地域の保健福祉センターへ生活保護の申請を行い、生活基盤の立て直しをしましょう。

金子圭都 ファイナンシャルプランナー(CFP︎®︎)

学生の頃、親族の死をきっかけにお金について学び、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。お金の勉強をする女性コミュニティでイベントの企画・運営に3年間携わり、のべ200人以上のお金の悩みに寄り添う。その後独立し、お金の不安を安心に変えるマネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー。

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