23/06/11
最大15%ポイント還元「Olive」とは?三井住友カードとの違いを徹底比較
「Olive」(オリーブ)は三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)がスタートした新しいサービス。Oliveは、さまざまなお金のサービスを1つのアプリで使い分けられます。そのうえ、最大15%のVポイントの還元も用意されています。
ただ、すでに三井住友カードを利用している方は、「三井住友カード(NL)とどう違うの?」「Olive乗り換えた方がいいの?」など気になる方もいるでしょう。
そこで今回は、Oliveのサービス、Oliveでできることや特典、Oliveのメリットと注意点、Oliveの申し込み方法、三井住友カードからOliveに乗り換えたほうがいいかを解説します。
Oliveってどんなサービス?
Oliveは2023年3月1日にスタートした、三井住友フィナンシャルグループのサービスです。Oliveは、銀行の店舗での取引でもPCでの取引でもなく、スマホのアプリでの取引を前提としたサービスです。
Oliveアカウントを開設すると、銀行・クレジットカード・ネット証券・保険などの情報をスマホで一元管理できます。キャッシュレス決済やポイントを使って買い物をしたり、銀行口座の残高を管理したり、お金の振り込みをしたり、資産運用をしたり…といったことがOliveひとつで可能です。
なお、「Olive専用アプリ」はなく、三井住友銀行の「三井住友銀行アプリ」と三井住友カードの「Vpass」アプリからOliveを活用することになります。これまで三井住友銀行アプリやVpassアプリを利用してきた方であれば、新たなアプリをダウンロードせずにOliveを活用できます。もっとも、これまで両アプリを使ってこなかった方でも難なく使えるようになるでしょう。
「キャッシュレス決済は◯◯アプリを使っている」「ネット証券での投資はスマホでやっている」という方はたくさんいるでしょう。Oliveを利用すれば、それらのサービスがすべてひとつのアプリで完結する、というわけです。
Oliveの主な4つの機能
Oliveでは、いろいろな金融サービスを利用できます。ここでは、Oliveの主な4つの機能を紹介します。
●Oliveの機能1:デジタル口座が開設できる
Oliveでは、店舗や窓口を持たないデジタル上の支店で口座を開設できます。この口座をアプリで利用すれば、近くに三井住友銀行の店舗がなくても、銀行で行う手続きをOliveで完結できます。また、デジタル口座に関する手続きや相談は三井住友銀行の店舗やコールセンターでもすることができます。
●Oliveの機能2:クレジットカード「Oliveフレキシブルペイ」が発行される
Oliveアカウントを開設すると「Oliveフレキシブルペイ」というクレジットカードが発行されます。Oliveフレキシブルペイのクレジットカードには、「一般」「ゴールド」「プラチナプリファード」の3種類があります。いずれもカード番号や口座番号の記載がない両面ナンバーレスデザインで、個人情報を外から見られる心配なく使うことができます。
Oliveフレキシブルペイは1枚で「キャッシュカード」「クレジットカード」「デビットカード」「ポイント払い」の4つの役割を果たします。Oliveフレキシブルペイは、キャッシュカードとしてATMでの入出金にも利用できますが、それだけではないのです。
Oliveフレキシブルペイには、VISAの「フレキシブルペイ」という新機能が搭載されています。アプリで「デビットカード」「クレジットカード」「ポイント払い(プリペイドカード)」を切り替えることで、Oliveフレキシブルペイの支払い方法を切り替えることができます。いくら使ったかは、後からそれぞれの明細で確認ができます。
●Oliveの機能3:SBI証券で投資信託の積み立てができる
OliveをSBI証券口座と連携すると三井住友銀行アプリ・Vpassアプリから「SBI証券かんたん投資サイト」にアクセスして、投資状況の確認や投資信託の購入ができます。
SBI証券では、投資信託の購入に「Oliveフレキシブルペイ」を利用できます。Oliveフレキシブルペイを利用することで、入金の手間なく取引ができます。SBI証券では100円という少額から投資信託の積立投資が可能。つみたてNISA・2024年以降の新しいNISAに対応しているので、利益にかかる税金をゼロにしながら効率よく資産を増やせます。
また、SBI証券でOliveフレキシブルペイを利用して投資信託を購入すると、最大で購入金額の5.0%のVポイントがもらえます(ポイント付与率はカードの種類によって異なります)。現金で積立投資したのではもらえないポイントですから、Oliveフレキシブルペイを利用したほうがお得ですね。Vポイントは、SBI証券のサービスを活用することでも貯まります。そして貯まったVポイントは1ポイント=1円として買い物に使えるのはもちろんのこと、SBI証券で投資信託の買付・積立投資に利用することもできます。
※VポイントとTポイントは2024年春に統合。青と黄色の「Vポイント」となる予定です。
●Oliveの機能4:保険ポータルサイトが使える
Oliveでは、保険サービスとも連携しています。ライフネット生命・三井住友海上火災保険・住友生命保険などの保険会社と提携して、生命保険・損害保険・健康増進プログラムなどの提供、保険相談の予約機能まで用意されています。
Oliveで最大15%還元を受けるには?
Oliveフレキシブルペイを利用して対象のコンビニ・飲食店で買い物をすると、最大15%のポイント還元が受けられます。還元率アップの条件は、次のとおりです。
●Oliveフレキシブルペイの還元率アップの条件
①基本の還元率 0.5%
Oliveフレキシブルペイの3種類のカードのうち、「一般」「ゴールド」の基本の還元率は0.5%です。「プラチナプリファード」は、基本の還元率が1%になっています。
②対象のコンビニや飲食店でタッチ決済 最大+4.5%
セブンイレブン・ローソン・マクドナルド・すき家・サイゼリア・ガスト・ドトールといった、対象のコンビニ・飲食店でVisaのタッチ決済をすると、+4.5%のポイントが還元されます。なお、タッチ決済以外の場合は+2%還元です。
③家族ポイント(家族の登録) 最大+5%
Oliveフレキシブルペイでは家族の登録が可能。対象のコンビニ・飲食店を利用するときに、登録している家族1人につき+1%、最大5人で+5%までポイントが増やせます。
④Vポイントアッププログラム 最大+5%
Vポイントアッププログラムは、SMBCグループ各社の利用状況によって、対象のコンビニや飲食店で利用したときにもらえるVポイントのポイント付与率がアップするサービスです。
Vポイントアッププログラムでは、
・Oliveアカウントの選べる特典(後述):+1%
・Oliveアカウントの契約&アプリログイン:+1%
・Oliveアカウントのご契約&住宅ローンのご契約:+1%
・SBI証券:最大+2%
(投資信託の買付月1回以上で+0.5%、国内株式または米国株式の取引が月1回以上で+0.5%、当月末のNISA/つみたてNISA口座の保有資産評価額が30万円以上で+1%)
の還元率アップが得られます。
(プラチナプリファードの方が選べる特典(後述)でVポイントアッププログラム+1%を2つ選択した場合は最大+6%)
Oliveの「選べる特典」もうれしい
Oliveアカウントでは、次の4つの特典から選んでお得になる「選べる特典」が毎月利用できます。
①「給与・年金受取特典」で月1回Vポイント200ポイントプレゼント
②コンビニATM手数料が月1回無料
③「Vポイントアッププログラム」の対象のコンビニ・飲食店の還元率が+1%
④1万円以上の預かり残高があれば月1回Vポイント100ポイントプレゼント
Oliveアカウントが「一般」「ゴールド」なら1つ、「プラチナプリファード」なら2つ受けることができます。
乗り換えるべき?Oliveフレキシブルペイと三井住友カードを比較
Oliveフレキシブルペイの一般カード・ゴールドカード・プラチナプリファードカードは、既存の三井住友カード(NL)・三井住友カードゴールド(NL)・三井住友プラチナプリファードとほぼ同様のスペックになっています。では、既存の三井住友カードを利用している人は、Oliveフレキシブルペイに乗り換えるべきなのでしょうか。
●Oliveフレキシブルペイ一般カードと三井住友カード(NL)の違い
(株)Money&You作成
表内、赤字のところが有利と考えられる点です。
三井住友カード(NL)の場合、Oliveフレキシブルペイと違って、国際ブランドがMastercardも選べ、家族カードが発行できます。ただ、デビットカード払い・ポイント払いには対応していません。
対象のコンビニ・飲食店で還元率が大きい点は同じですが、三井住友カード(NL)のVポイントアッププログラムの対象はSBI証券の利用による+2%のみなので、還元率は最大で12%となります。「選べる特典」も利用できません。
●Oliveフレキシブルペイゴールドカードと三井住友カードゴールド(NL)の違い
(株)Money&You作成
三井住友カードゴールド(NL)とOliveフレキシブルペイのゴールドカードとのスペックの違いは一般カードの場合と同様です。
●Oliveフレキシブルペイプラチナプリファードと三井住友カードプラチナプリファードの違い
(株)Money&You作成
三井住友カードプラチナプリファードにはMastercardがありません。また、Oliveフレキシブルペイプラチナプリファードでは「選べる特典」が2つ選べます。
以上を踏まえると、
・Mastercardを利用したい
・家族カードを使いたい
というニーズがあるならば、三井住友カードを利用するのがいいでしょう。それ以外の場合は、選べる特典が利用できて、還元率をよりアップできるOliveフレキシブルペイのほうが向いています。
既存の三井住友カード利用者がOliveフレキシブルペイを申し込む前に知っておきたいこと
既存の三井住友カードからOliveフレキシブルペイに乗り換えるときには、いくつか注意点があります。これまで三井住友カードを利用してきた人がOliveフレキシブルペイを申し込む際に知っておきたいことを紹介します。
●三井住友カードからOliveフレキシブルペイへの切り替えはできない
三井住友カードユーザーがOliveフレキシブルペイを申し込む場合、「既存カードからの切り替え」ではなく、「Oliveフレキシブルペイの新規発行」となります。三井住友カードとOliveフレキシブルペイの2枚持ちになり、クレジットカード番号なども新たに用意されます。公共料金など、毎月一定額をクレジットカードで支払っている場合には、クレジットカードの切り替えが必要になります。なお、三井住友カードを廃止して、Oliveフレキシブルペイ1本にすることはできます。
●Oliveフレキシブルペイは他の銀行との紐付けができない
Oliveフレキシブルペイの銀行口座は三井住友銀行に開設されます。Oliveフレキシブルペイを他の銀行と紐づけることはできません。他の銀行をメインで利用しているならば、三井住友銀行をメインにするか、あるいは2つの銀行を使い分ける工夫が必要です。
●Oliveフレキシブルペイのクレジットカードは複数枚持てない
Oliveフレキシブルペイの一般カード・ゴールドカード・プラチナプリファードの3種類のカードは、複数枚持てません。ですから、自分がどのカードを利用するのがもっともお得かを考えてから申し込みましょう。
●「100万円修行」の引き継ぎができない
Oliveフレキシブルペイのゴールドカード・三井住友カードゴールド(NL)で年間100万円以上利用して翌年度以降の年会費を無料にすることを俗に「100万円修行」といいます。
もし、三井住友カードゴールド(NL)で「もう少しで100万円修行が終わりそう」だというのであれば、100万円修行を終えてからOliveフレキシブルペイのゴールドカードに切り替えましょう。
なぜなら、Oliveフレキシブルペイゴールドカードと三井住友カードゴールド(NL)はまったく別物で、利用金額の引き継ぎも行われないからです。また継続特典の「100万円で10,000ポイント」の金額も共有しません。ですから、この場合は先に三井住友カードゴールド(NL)の100万円修行を終わらせたほうがいいでしょう。
また、次に紹介しますが、三井住友カードゴールド(NL)の100万円修行を終わらせてからOliveフレキシブルペイゴールドカードに申し込むと、Oliveフレキシブルペイゴールドの年会費が永年無料になるキャンペーンも開催されています。
Oliveの入会はキャンペーン利用が得
これからOliveを利用したい人が利用できるキャンペーンもあります。
●Oliveリリース記念最大39,000円相当プレゼント!
・Oliveのアカウントを開設
・Oliveフレキシブルペイの利用
・SBI証券の口座開設+積立
を利用することで、最大39,000円相当のVポイントがもらえます。
●Oliveフレキシブルペイゴールドの年会費永年無料キャンペーン
すでに三井住友カードゴールド(NL)で年間100万円以上の利用実績を達成している方は、2023年3月1日~2024年2月29日にOliveフレキシブルペイゴールドを申し込むと、Oliveフレキシブルペイゴールドの年会費が永年無料になります。
●プラチナプリファードへの乗り換えキャンペーン
2023年3月1日~2024年2月29日の間に三井住友カードプラチナプリファードを解約してOliveフレキシブルペイプラチナプリファードに申し込んだ場合、解約時の年間累計利用金額50万円ごとに5,000ポイント(最大40,000ポイント)が進呈されます。
Oliveの申し込みはどうすればいい?
Oliveの申し込み手順は、次のとおりです。
●三井住友銀行の口座を持っていない場合
①三井住友銀行アプリをダウンロードする
②三井住友銀行アプリから口座開設とカードの申し込み手続きを行う
③カード発行通知メールからアプリにログインし、初回登録手続きを行う
④カードが郵送で届く
●三井住友銀行の口座を持っている場合
①三井住友銀行アプリをダウンロードする
(すでに利用中の場合は今のアプリをそのまま使用可能)
②三井住友銀行アプリからカードの申し込み手続きを行う
③カードが郵送で届く
申し込みに当たっては、本人確認書類が必要になりますので、あらかじめ用意しておきましょう。
まとめ
三井住友フィナンシャルグループの新サービス「Olive」を紹介してきました。高機能で嬉しい特典もたくさんありますし、大規模な入会キャンペーンも行っています。資産運用にも役立ちますので、ぜひ入会してみてくださいね。
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頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
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