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22/12/22

相続・税金・年金

多くの人が年金「繰り下げ受給」を選ばない5つの理由

多くの人が年金「繰り下げ受給」を選ばない5つの理由

年金だけを頼りにしていると老後の生活費が足りなくなるといわれます。そこで、年金収入を増やす方法として「繰り下げ受給」がありますが、実際には活用している人はまだまだ少ないのが現状です。年金が増やせる制度なのに、どうして繰り下げ受給を選べないのでしょうか?その理由を探ってみました。

繰り下げ受給をする人はかなり少ない!?

繰り下げ受給とは、通常65歳からもらい始める年金を66歳から75歳までの間に遅らせて受給することです。繰り下げ受給をすると、年金が1ヶ月につき0.7%増額します。たとえば70歳まで繰り下げれば42%、75歳までなら84%増額することができるのです。そして、一度決まった増額率は一生変わりません。

けれども、実際に年金を繰り下げ受給する人は少ないのが現状です。
厚生労働省年金局が公表した「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2020年度(令和2年度)における国民年金の受給権者約3,420万人のうち、65歳から受給を始めた人は全体の86.7%(約2,965万人)で、繰り上げ受給(60歳から64歳までの間に受給を早めること)をした人は11.7%(約400万人)でしたが、繰り下げ受給をした人はわずか1.6%(約55万人)だったのです。

●国民年金受給権者の繰り上げ・繰り下げ受給状況の推移

厚生労働省年金局「厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和2年度)より

過去5年で見ると、繰り上げ受給を選ぶ人は減りつつあり、繰り下げ受給を選ぶ人はわずかながら増加しています。しかしそれでも、1.6%は少ない水準でしょう。

年金が増額するのにもかかわらず繰り下げ受給を選べないのには、いくつかの理由があるようです。

繰り下げ受給を選べない5つの理由

繰り下げ受給をする人は年金の受給権者のうち、たった1.6%しかいないことがわかりました。これには心理的・経済的な理由があるようです。ここでは繰り下げ受給を選べない理由を5つご紹介します。

●繰り下げ受給を選べない理由1:いつまで元気でいられるかわからないから

繰り下げ受給をすれば年金額が増えることはわかっていても、いつまで元気でいられるかを予測することはできません。また、65歳から年金がもらえるのは確実なことです。それなら、あえて繰り下げ受給をするよりも、受給が確実な65歳からもらっておいた方がいいと考える人は少なくありません。

●繰り下げ受給を選べない理由2:税金や社会保険料が増えるから

繰り下げ受給をすると年金額が増えるので、住民税や健康保険料などが上がる可能性があります。それだけでなく、所得が増えることで医療費や介護保険サービスの自己負担割合が増えるかもしれないのです。年金を増やすことで、かえって出て行くお金が増えるのなら、繰り下げ受給はあえて選びたくないと考える人は少なくないでしょう。

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●繰り下げ受給を選べない理由3:もらえるはずの給付金がもらえなくなるから

会社員だった夫に年下の妻がいると、65歳になってから加給年金がもらえる場合があります。でも、繰り下げ受給を選択すると加給年金はもらえません。
また、住民税非課税世帯になれば、低所得者向けの給付金がもらえる場合があります。しかし、繰り下げ受給で所得が増えれば、給付金がもらえなくなるかもしれないのです。

●繰り下げ受給を選べない理由4:在職老齢年金で年金額が調整されてしまうから

65歳以降も働きながら在職老齢年金(老齢厚生年金)をもらうことはできますが、場合によっては年金の一部または全部が支給停止になることがあります。この在職老齢年金も繰り下げ受給は可能です。しかし繰り下げによる増額分は支給停止で減額となった年金額をもとに計算されるので、本来の繰り下げ受給による恩恵をフルに受けられなくなります。




●繰り下げ受給を選べない理由5:特別支給の老齢厚生年金をもらうから

1985年の年金制度改正で、老齢年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられました。その際、男性は昭和36年(1961年)4月1日までに生まれた人、女性は昭和41年(1966年)4月1日までに生まれた人は、60歳から64歳までの間(生年月日・性別により受給開始年齢は異なる)に「特別支給の老齢厚生年金」をもらうことができました。ただ、すでに始まっている年金受給を繰り下げ受給で止める人は少なく、通常の年金も65歳からもらい始める人が多かったのです。

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年金のもらい方を考えるヒント

年金額が増えるのに繰り下げ受給を選べないのには5つの理由があることがわかりました。でも、今現役世代の人がもらえる年金は、もしかしたら今よりも減るかもしれないし、特別支給の老齢厚生年金がもらえるわけではありません。

今、私たちが考えなければいけないことは、自分の望む生活レベルを実現するために、どのように老後の生活費を補てんするかということです。そのためには資産運用も大切ですし、65歳以降も働くという選択肢もあるでしょう。

65歳以降も働きながら在職老齢年金をもらうと老齢厚生年金に当たる部分は一部または全部が支給停止になることがあります。けれども老齢基礎年金は働きながら受給しても、年金額が調整されるわけではありません。つまり、老齢基礎年金のみを繰り下げ受給して年金額を増やすことは可能なのです。また、加給年金の対象者も老齢基礎年金のみを繰り下げ受給すれば加給年金はもらえます。

老齢基礎年金と老齢厚生年金のいずれか片方を繰り下げ受給することは可能なので、働き方やライフスタイル、家計状況などに合わせて年金ももらい方を考えてみてはいかがでしょうか。

前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。

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