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22/07/15

相続・税金・年金

iDeCoはデメリットしかない? iDeCoが向いていない人はどんな人か

iDeCoはデメリットしかない? iDeCoが向いていない人はどんな人か

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は老後資金づくりに役立つ制度です。しかし、iDeCoは「全ての人に適した老後資金作りの方法」かといえば、そうとは言えません。中にはiDeCoのメリットを活かしきれない方もいます。今回は、iDeCoの概要とメリット・デメリットを踏まえた上で、iDeCoが向いていない人はどんな人なのかについてご説明します。

豊かな老後生活の資金作りに役立つiDeCo

iDeCoとは、公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金の制度の一つです。iDeCoでは、加入の申込、掛金の拠出、掛金の運用の全てを自分自身で行います。そして、掛金とその運用益の合計額をもとに、60歳以降に給付を受けることができます。

iDeCoには、強力な節税のメリットがあります。
iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象になるため、老後資金づくりをしながら、毎年の所得税や住民税が安くできます。そのうえ、iDeCoでは運用を行って得た利益は非課税扱い。税金がかからない分、より効率よくお金が増やせます。さらに、将来iDeCoで用意した資産を受け取るときに税制優遇があります。

iDeCoには、20歳から60歳までの国民年金被保険者であれば、ほぼ誰でも加入できます。また、2022年5月からは、60歳以降の会社員や公務員、国民年金の任意加入者(国民年金の加入期間を増やすために、自ら国民年金に加入している人)であれば65歳になるまでiDeCoに加入できるようになりました。

iDeCoは公的年金と異なり、加入は任意ですが、国民年金や厚生年金と組み合わせることで、より豊かな老後生活を送るための資金作りに役立つ制度だといえます。

iDeCoが向いていないのはどんな人?

老後資金作りをしながら、節税もできる魅力的なiDeCoですが、向いていない人もいます。

●iDeCoが向いていない人1:老後資金以外のお金を用意したい人

住宅取得の頭金を積み立てたい、子供の教育資金を貯めたい等、老後資金以外のお金を用意したい人にはiDeCoの活用は向いていません。というのも、iDeCoで運用したお金は60歳まで原則として引き出すことができないからです。

老後資金以外のお金を用意したいと考えるのであれば、換金性の高い金融商品を選択するようにしましょう。たとえば、つみたてNISAであれば年間40万円までの投資で得られた利益が非課税に。iDeCoと違いいつでも換金できるので、老後資金に限らずさまざまな目的で利用できます。

あくまでも、iDeCoは老後資金作りのための制度です。iDeCoは、老後以外のライフイベントに対する準備がある程度整ったと思われる段階から始めることが望ましいでしょう。

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●iDeCoが向いていない人2:収入が少ない人・収入がない人

iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象になるため、毎年の所得税や住民税が安くできます。しかし、収入が少ない人・収入がない人は、そもそも所得税や住民税の負担が低いか、ないため、iDeCoを利用してもあまり節税効果が期待できないでしょう。たとえば専業主婦(夫)で収入がない場合、所得税や住民税がそもそもかからないので、所得控除の恩恵が受けられないことになります。

また、iDeCoには手数料もかかります。どの金融機関でiDeCoを利用しても、加入時には2829円(税込)の手数料がかかります。また、iDeCoで掛金を拠出している間にも、最低でも毎月171円(税込)の手数料がかかるうえ、金融機関によってはさらに月数百円の手数料が発生します。

収入が少なければiDeCoで拠出可能な掛金額も少ないと考えられます。iDeCoの手数料は、拠出した掛金から支払うので、掛金に占める手数料の割合が大きくなってしまうことが考えられます。先に紹介したつみたてNISAでは、口座開設・維持に手数料がかかりません。iDeCoよりも優先して活用するのがいいでしょう。




●iDeCoが向いていない人3:定期預金や保険しか利用しない人

iDeCoの運用商品に定期預金や保険など、元本確保型の商品しか利用したくないという人には向いていません。iDeCoで元本確保型の商品を選んだ場合、毎月の手数料の方が運用利益を上回ってしまう可能性が高く、手数料負担に節税効果が負けてしまうためです。また、元本確保型の商品ではお金がほとんど増えないため、iDeCoの運用益非課税の効果も得にくくなってしまいます。

iDeCoでの運用効率を上げるためには元本確保型以外の商品、つまり投資信託での運用も必要です。確かに、投資信託には価格変動リスクがあるため、元本割れの可能性もあります。しかし、iDeCoは長期にわたって掛金を出すことで、ドルコスト平均法(価格が変動する金融商品を常に一定金額で、定期的に買い続ける手法)を行います。ドルコスト平均法では、長い目で見れば平均購入単価が下がるので、リスク軽減を図れます。iDeCoを始めるのであれば投資信託にも目を向けてみましょう。

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まとめ

iDeCoは、全ての人がその魅力やメリットを活かしきれるわけではありません。とはいえ、今回ご紹介したケースに当てはまらない方にとっては、iDeCoは老後資金作りに役立つ魅力的な制度です。老後資金を増やす方法として、iDeCoの積極的な活用を検討されてみてはいかがでしょうか。

キムラミキ 株式会社ラフデッサン 代表取締役

AFP・社会福祉士・宅地建物取引士。外資系生命保険会社、マンションディベロッパーの営業を経て独立。現在は、就労移行支援事業所Fine米子オフィス(うつや発達障がいのある方の就労サポート施設)の運営に携わり、経済的自立をしたいと考える方のサポーターとして活動中。得意分野はライフプラン、キャリアプラン、生命保険、不動産。BSS山陰放送ラジオパーソナリティ歴10年以上の顔も持つ。

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