21/12/20
マイナンバーカードの電子証明書の有効期限は5回目の誕生日まで。切れたらどうする?
2016年に交付がスタートしたマイナンバーカードの交付枚数は2021年11月に5000万枚を突破したとのこと。すでにお持ちの方、活用している方もいるでしょう。しかし同時に、マイナンバーカードに搭載されている電子証明書の有効期限が切れている方もそろそろいるはず。今回は、マイナンバーカードの電子証明書の役割・有効期限・切れた場合の手続きを解説します。
マイナンバーカードには電子証明書がある
マイナンバーカードには、標準で「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」の2種類の電子証明書が搭載されています。
署名用電子証明書には、氏名、住所、生年月日、性別が記載されています。主にe-Taxを利用した確定申告や、民間のオンライン取引などの際の電子文書を作成・送信するときに利用します。署名用電子証明書を利用することで、「作成・送信した電子文書が、あなたが作成した真正なものであり、あなたが送信したものであること」を証明することができます。暗証番号は6桁から16桁の英数字です。なお、15歳未満のマイナンバーカードには、署名用電子証明書を搭載することはできません。
一方、利用者証明用電子証明書は、行政の手続きやお知らせの確認ができる「マイナポータル」にログインしたり、コンビニで住民票や印鑑証明を発行したりする際に利用できる証明書。名前のとおり「ログイン等した者が、あなたであること」を証明します。暗証番号は4桁の数字です。利用者証明用電子証明書は、15歳未満でも搭載できます。
有効期限が切れるとマイナポイントも受け取れない!
マイナンバーカード自体の有効期限は、発行の日から10回目の誕生日まで(20歳未満の場合は容姿が大きく変わるので5回目の誕生日まで)となっています。しかし、電子証明書の有効期限は20歳以上でも20歳未満でも「5回目の誕生日まで」となっています。
●マイナンバーカードの「電子証明書の有効期限」
お手元にマイナンバーカードがある方は、表面を見てみましょう。電子証明書の有効期限が記載されているはずです。もし万が一記載されていなかったら、20歳以上の場合はその上にあるマイナンバーカード自体の有効期限の5年前と考えましょう(なお、20歳未満の場合はマイナンバーカード自体の有効期限と同じです)。
電子証明書の有効期限が切れても、ペナルティーがあるわけではありません。ただ、電子証明書が使えなくなるので、上で紹介したe-Taxやマイナポータルへのログイン、コンビニでの住民票などの取得などはできなくなってしまいます。2021年からスタートしたマイナンバーカードの健康保険証としての利用も、電子証明書の情報を読み取って行うためできなくなります。これらのサービスを利用しているならば、不便になってしまいます。
そして何より、マイナポイントの取得ができなくなってしまいます。
マイナポイントは、電子マネー・QRコード決済・クレジットカードといったキャッシュレス決済で利用できるポイントです。
2020年から実施されているマイナポイント第1弾では、マイナンバーカードを取得し、選んだキャッシュレス決済でチャージまたは買い物をする(最大2万円)ことで、5000円分のポイントを受け取ることができます。対象は「2021年4月末までにマイナンバーカードの申請をした人」です。
また、2022年にも実施される予定の「マイナポイント第2弾」では、
①マイナンバーカードを新たに取得し、マイナポイントを申請すると最大5000円相当
②健康保険証の利用登録を行うと7500円相当
③公金受取口座の登録を行うと7500円相当
のポイントが受け取れます(①はマイナポイント第1弾を受け取った方は対象外)。つまり、最大で2万ポイント(または1万5000ポイント)が受け取れるのです。
①はマイナポイント第1弾と同様の制度になると考えられます。手続きには利用者証明用電子証明書が必要です。②の設定は前述の「マイナポータル」から行います。こちらも利用者証明用電子証明書が必要になります。そして③の詳細は本稿執筆時点では公表されていませんが、こちらもマイナポータル、あるいはマイナンバーカードの電子証明書を用いて登録するのが濃厚でしょう。となれば、電子証明書の有効期限が切れたままだと、マイナポイントが受け取れなくなってしまいます。
電子証明書の更新手続きは無料でできる
マイナンバーカードの電子証明書の更新手続きは、有効期限の3か月前からできます。すでに電子証明書の有効期限が切れていても可能です。更新手続きは無料です。ただ、マイナンバーカードをなくして再発行する場合には1000円かかります(マイナンバーカード800円・電子証明書200円)。
有効期限を迎えるマイナンバーカードを持っている方には、国の機関である地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から「マイナンバーカード・電子証明書有効期限通知書」という封書が郵送で届きます。これが届いたら、お住まいの自治体の役所で手続きしましょう。
自分で手続きする場合は、マイナンバーカードと電子証明書の暗証番号が必要です。電子証明書の暗証番号を忘れてしまった場合は、本人確認書類を提示することで再設定できます。
代理人が手続きする場合は、更新を行うマイナンバーカード・代理人の本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など顔写真付きのもの)に加え、郵送で届く書類の中にある「照会書兼回答書」を持参します。照会書兼回答書は、更新を行うマイナンバーカードの持ち主(申請者)本人が記載する必要があります。
手続きが終わると、窓口でマイナンバーカードに新しい電子証明書が書き込まれます。これで引き続き、電子証明書を利用することができます。
まとめ
マイナンバーカードの電子証明書の有効期限は5回目の誕生日まで。電子証明書の有効期限が切れてもペナルティはありません。しかし、電子証明書が使えなくなると利用できなくなるサービスもありますし、2022年にスタート予定のマイナポイント第2弾も受け取れません。もし、お手持ちのマイナンバーカードの電子証明書の有効期限が切れているようでしたら、ぜひ早めに手続きして、更新しておくことをおすすめします。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
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