21/06/16
投資で成功するために絶対に守るべきルール
最近、ネット証券・スマホ証券の口座開設が急増しています。
楽天証券では口座数が5か月で100万口座増加し、600万口座に到達。さらに、つみたてNISA口座は2020年3月から2021年2月の1年間で51万口座から109万口座に倍増と発表がありました。スマホ証券のSBIネオモバイル証券やLINE証券はサービス開始から約1年半でともに50万口座突破しているとのこと。投資信託や株式投資する人が増えている証拠です。
「貯蓄から投資へ」がなかなか進んでこなかった日本なだけに、このように多くの人が資産形成に前向きに取り組んでいることは喜ばしいことです。
資産形成する上で、誰もが求めていることは「お金を減らさずに増やす」ことでしょう。過度にリスクを取った投資はご法度。お金を一気に失う可能性が高いです。
今回は投資で成功するために守るべきルールをお伝えします。
絶対ルール:自分の資産の線引きをする
投資を始めるときに、絶対に守ってほしいのが「自分の資産の線引きをする」ことです。投資に回してもよい資産と、生活に必要な資産を分けて考えてください。生活に必要な資産は、絶対に失ってはいけない資産です。これを取り崩して投資を行うことはとても危険ですので、やってはいけません。
「命金には手を出すな」という投資格言があるほど、これは重要なルールなのです。
投資をスタートするときは、万が一を考えて、最低でも6カ月分の生活費を貯めてください。その上で、当面使う予定のない余裕資金が生まれたら、それを投資に回しましょう。
著書「はじめての資産運用」より
とはいえ、生活費の6カ月分を貯めるのは大変で、それを待ってはなかなか投資を始められません。2〜3カ月分が貯まったら、月数百円〜数千円で投資を始めてみてもよいでしょう。少額で始めることで、投資でお金を稼ぐ感覚をつかむことができます。
堅実な投資のためのエントリールール
株式や投資信託を買うときは、「なんとなく」で行ってはいけません。
自分がなぜその銘柄を購入したのか、きちんと説明できるようにしてください。理由を自分で説明できないものは買うべきではありません。
たとえば、株式投資では株価が上昇中の株を買う「順張り」と、下降中の株を買う「逆張り」という方法があります。逆張りがうまくいくと大きな利益を得ることができますが、逆張りを軸とする投資はリスクが高く、避けたほうがよいです。
著書「はじめての資産運用」より
初心者のうちは、順張り投資で堅実に利益を増やしていきましょう。銘柄選びに自信が持てないうちは、好成績を収めるアクティブファンドが投資している株式銘柄を購入する「コバンザメ投資」もよいでしょう。
初心者のうちは、ナンピン買いや信用取引は避ける
「ナンピン買い」とは、保有している銘柄の株価が下落したときに買い増しして、平均購入価格を下げることで、相場が再び上昇したときに利益を増やすという手法です。
ナンピン買いは難しい手法の1つです。素直に損切り(ロスカット)をしていたほうが傷は浅くすむケースが多いでしょう。売却時のルールとしておすすめなのは、「価格が20%上昇したら利益確定、10%下落したら損切り」です。ポイントは損切りを浅く設定しておくことです。
人間は損を抱えている状態だと、その損を取り返すために通常よりも過度にリスクを取ってしまう傾向にあります。リスクを取るということは取り戻せる可能性がありますが、お金を失う可能性も高いのです。ナンピン買いをした後も相場の下落が続くと、損失がさらに広がるため、投資の経験が浅いうちは避けたいところです。
また、心得ておくべきは、「資金に余裕がないときには信用取引をしない」というルールです。信用取引で損失を出すと保証金を追加する(追証)必要があります。
著書「はじめての資産運用」より
追証を行わないと損失が確定(実現損)するため、多くの場合、追証のために貯蓄の取り崩しや、キャッシングやローンを借りて取引を続けることになります。それでうまくいけばよいのですが、負の連鎖を生む危険性もあるため、資金が十分ないときは絶対に避けてください。
「リスク」を知り、正しく向き合おう
投資で失敗する人の特徴の1つは、「リスク」について正しく把握していないことです。資産運用で損をした場合に、どれくらいのリスクなら許容できるのかを考えておかないと、身の程以上の投資をしてしまい、生活に支障をきたす損失を出してしまうことがあります。自分にとって無理のない範囲で投資できるよう、リスク管理はしっかり行ってください。
また、投資で失敗する人は、それぞれの投資資産に対する知識が十分でないことが多いです。「なんとなく、儲けられそうだから」「儲かっている人がいると聞いたから」と高リスクの商品ばかりを購入し、投資先の値下がりと同時に資産を失ってしまいがちです。
ただし、高リスクの商品を購入すること自体が問題なのではなく、資産配分を考えずに集中して購入することが問題であると言えます。投資にはさまざまなリスクがあります。それらのリスクを減らす方法を知らないと失敗してしまいます。
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頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。日テレ「カズレーザーと学ぶ。」、TBS「情報7daysニュースキャスター」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「定年後ずっと困らないお金の話」(大和書房)など書籍100冊、累計180万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
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