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20/12/29

相続・税金・年金

企業年金っていくらもらえるのか。受取額の平均は?

あなたがお勤めの会社では企業年金を実施していますか?この企業年金がどんな年金なのかをきちんと理解している人は少ないかもしれません。また、退職時にどれくらい受け取れるのかも気になります。そこで今回は、企業年金についての基礎知識と、平均してどれくらいの額を受け取れるのかご紹介しましょう。

年金制度の3階部分にあたる企業年金

日本の年金制度といえば、1階部分は国民年金、2階部分は厚生年金という公的年金制度のことだと理解している人も少なくないでしょう。でも、実際はこれだけではありません。年金制度には3階部分も存在するのです。その3階部分にあたるのが、企業年金制度です。これは公的年金にプラスして受け取れるもので、社員が退職後も安心して暮らせるように、企業が厚生年金に上乗せして支給するために実施しています。いわば福利厚生の一環となる企業独自の年金制度なのです。そのため、企業年金を実施する企業もあれば、実施していないところもあります。自分が勤める会社の企業年金がどうなっているか、ぜひ知っておきましょう。

企業年金制度には3種類ある

企業年金には、次の3種類のものがあります。
・厚生年金基金
・確定給付企業年金
・企業型確定拠出型年金
では、これらの年金がどのようなものなのか、その内容を見ていきましょう。

●厚生年金基金

厚生年金基金は、国が実施する公的年金制度の厚生年金に上乗せして給付する企業年金制度のこと。以前は企業年金の中心となる存在でした。しかし、2012年に運用会社が不祥事を起こしたことがきっかけで厚生年金保険法の一部が改正されて、2014年4月1日以降は厚生年金基金の新規設立ができなくなりました。そのため、現在、厚生年金基金制度を実施する企業はほとんどありません。

●確定給付企業年金(DB)

2002年4月に新しい年金制度として始まった確定給付企業年金は、企業が掛金を負担し、運用も企業が責任を持って行うことで、社員の退職金時に支給される年金です。運用した結果、元本を割った場合は損失分を企業が補てんしてくれます。つまり、これは社員の受取額が確定している年金なのです。

確定給付企業年金には2つのタイプがあります。1つは、企業が契約した保険会社や信託会社に対し規約に基づいて掛金を払い込み、保険会社や信託会社が年金資産を管理、運用し年金の給付を行う「規約型」です。もう1つは、企業が法人格を持った企業年金基金を設立して、その基金が管理や運用、年金の給付を行う「基金型」です。

●企業型確定拠出年金(DC)

企業型確定拠出年金は、企業が毎月掛金を積み立て、その運用方法は社員が自ら選択するという企業年金制度で、2001年10月から始まりました。運用できる金融商品は、元本が変動する投資信託や元本保証の保険商品、定期預金など多岐に渡ります。元本変動型の金融商品を選択した際は元本割れするリスクが伴い、そのリスクは社員が負うことになりますが、運用成績が上がれば資産を増やすことができます。

また、積み立てた年金資金は原則60歳までは引き出すことができませんが、60歳以降になれば引き出せるようになるので、必要なときに社員が自ら手続きをして受け取ります。

企業年金の受け取り方法は?

企業年金の受け取り方は、「一時金で受け取る」「年金で受けとる」「一部を一時金として受け取り、残りを年金で受け取る」という3通りの方法があります。

まず覚えておきたいことは、退職時に企業年金を受け取るときは税的優遇措置が受けられるという点です。一時金で受け取れば「退職所得控除」が、年金で受け取ると「公的年金等控除」が受けられるので、所得税や住民税が安くなります。

次に、受け取り方によって想定できる状況を見てみましょう。退職時に一時金として受け取ると、その後の運用方法を考えなければなりません。ただ、住宅ローンの返済や子や孫への援助など使いたいことが決まっている場合は、一時金として受け取ってもよいでしょう。
また、年金で受け取る場合は、計画的に年金資金を取り崩していくことができます。しかし、企業型確定拠出年金の場合は、年金資金を受け取るごとに事務手数料が差し引かれます。それに、確定給付企業年金の場合は、企業や基金がもし破綻した場合は、年金資金が受け取れなくなるかもしれません。

年金資金を一時金もしくは年金のどちらで受け取るかは、想定できる状況を参考にしてみてください。さらに、退職後のライフプランを考えたうえで、公的年金の受給額や別途、退職一時金を受け取れるかどうかも考慮して決めるとよいでしょう。

企業年金の受取額、平均はどれくらい?

実際のところ、企業年金としてどれくらいの額を受け取ることができるのでしょうか?
厚生労働省が2018年に実施した「就労条件総合調査」によると、退職金および企業年金の受取額の平均として、以下のような結果が出ています。

●退職金および企業年金の受取額の平均

厚生労働省「就労条件総合調査(2018年度)」退職給付(一時金・年金)の支給実態より筆者作成

退職一時金とは、企業が社員の退職時に一時金として支払う制度のことで、いわゆる退職金と呼ばれているものです。勤続35年以上の場合を見てみると、退職一時金のみの企業では受け取れるのが1,897万円のところ、企業年金のみの会社では1,947万円も受け取ることができます。これはおそらく、退職一時金は企業が勤続年数などによる算出方法で金額を決めているのに対し、企業年金は外部にて運用されているので、退職までの期間は運用利回りによって原資が増えていくためだと考えられます。

また、退職一時金と企業年金の両方を実施している企業では、退職金の受取額が勤続35年以上で2,493万円となっています。これは月収換算で見ても47.4ヶ月分とかなり多いのがわかります。就労条件総合調査(2018年度)での企業規模別に見た退職金と企業年金との併用割合を見てみると、1,000人以上の企業では47.6%の企業が併用していますが、100~999人の企業では27.6%、30~99人の企業では12.5%と、大企業になるほど退職金と企業年金を併用しているところが多くなっています。
つまり、企業年金を実施する会社は退職金の受取額が高くなる傾向にあり、大企業になるほど退職一時金と企業年金を併用しているため、かなりまとまった退職金を受け取ることができるのですね。

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まとめ

企業年金の基礎知識と受取額の平均を紹介してきました。ぜひあなたのお勤めの会社で企業年金を実施しているか、また、実施しているならどんな種類の企業年金なのかを確認しておきましょう。そのうえで、退職後には退職一時金や企業年金をどのように使っていくか計画していくとよいでしょう。

前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)

2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。

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