20/07/08
LINE証券で「投資信託のつみたて投資」スタート。お金のプロが選ぶおすすめ商品ベスト3はコレだ
LINE証券では2020年6月17日から「投資信託のつみたて投資」がスタート。LINE証券ではこれまでも投資信託を扱っていましたが、新たに積立投資もできるようになりました。
今回は、LINE証券の投資信託のつみたて投資の特徴・メリット、おすすめ商品を紹介します。
※編注:LINE証券は2024年中に撤退を発表しました。新規口座開設の受付を終了しています。
LINE証券「投資信託のつみたて投資」5つの特徴・メリット
LINE証券の「投資信託のつみたて投資」には、大きく次の5つの特徴があります。
●LINE証券「投資信託のつみたて投資」の特徴・メリット1:毎月最低1000円から購入時手数料無料で積立投資ができる
LINE証券では、28本の投資信託を100円から1円単位で購入することができます。「投資信託のつみたて投資」では、この中からブル・ベア型ファンドを除いた25本の投資信託に最低1,000円の少額から積立投資できます(上限10万円まで)。
投資信託には主に、購入時にかかる購入時手数料、保有時にかかる信託報酬、売却時にかかる信託財産留保額の3つの手数料がかかります。このうち、購入時手数料は金融機関によって違う場合があります。その点、LINE証券の購入時手数料は無料。費用を最小限に抑えながら投資ができます。
●LINE証券「投資信託のつみたて投資」の特徴・メリット2:「LINE Pay」との連携で簡単に積立投資ができる
LINE証券で毎月積み立てる代金は、スマホ決済の「LINE Pay」の残高か、LINE Payに連携している銀行口座からの引き落としで支払います。どちらを選んでも手数料はかかりません。毎月積み立てる金額を入力し、目論見書や引き落とし方法を確認・設定すれば、すぐに積立投資をスタートできます。
なお、現状「Visa LINE Payクレジットカード」は支払い方法に選択できませんので、お持ちの方はご注意ください。
●LINE証券「投資信託のつみたて投資」の特徴・メリット3:LINEポイントを使って投資できる
LINEのさまざまなサービスを利用することで貯まるLINEポイントを、1ポイント=1円として投資できます。普段からLINEのサービスを利用してLINEポイントを貯めているなら、LINE証券でポイントを投資に回すことで、より少ない金額でおトクに投資ができます。
なお、投資信託のつみたて投資は現状、ポイント還元の対象外となっています。
●LINE証券「投資信託のつみたて投資」の特徴・メリット4:将来の資産額を簡単にシミュレーションできる
LINE証券の「つみたてシミュレーション」では、毎月の積立金額や積立期間、運用方針を選択すると将来の資産額の予測を確認できます。
試しに、毎月3万円で20年間、バランス重視で手堅く運用した場合で試算したところ、20年後に720万円の元本が1,233万円に増加する(年率5%リターン運用の場合)と表示されました。画面下部に表示されるおすすめの商品を選択すれば、ここからすぐに注文できます。
●LINE証券「投資信託のつみたて投資」の特徴・メリット5:運用手数料(信託報酬)のキャッシュバックが受けられる
LINE証券では、LINEポイントクラブの「マイランク」がプラチナ・ゴールドならば、対象の投資信託の保有残高に応じて運用手数料のキャッシュバックが受けられます。たとえば、対象の投資信託の保有残高(月初)が100万円の場合、マイランクがプラチナならば年率0.3%(月250円・年3,000円)、ゴールドならば年率0.15%(月125円・年1,500円)が現金でキャッシュバックされます。
さらにLINE証券では、今後つみたてNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)についても取り扱うべく準備をする方針です。これらの制度が利用できれば、運用益が非課税にできますので、もっとおトクになるでしょう。
投資信託選び 6つの基準
じっくりコツコツと積立投資をするときに大切なのは、はじめにいい投資信託を選ぶことです。
投資信託選びの基準は次の6つ。要点をまとめて紹介します。
●基準1:インデックス型・バランス型なら純資産総額は大きいほうがいい
・投資信託が効率よく運用をするには、ある程度以上の規模が必要
・純資産総額が低いままだったり、減少が相次いでいたりする投資信託の場合、途中で運用を中止する「繰上償還」が行われてしまう可能性も
・アクティブ型の場合は、純資産総額が適切なサイズであるかがポイント
●基準2:信託報酬は安いほどいい
・信託報酬の高い商品は、利益を減らし、損失を大きくしてしまう
・ほんのわずかの差でも、数十年にわたる運用を行うと、数十万円単位の差になる可能性もある
●基準3:指標は広く投資するものがいい
・たとえば、日経平均株価の対象は225銘柄だが、TOPIX(東証株価指数)は東証1部の2000銘柄以上が対象。なるべく広く投資する商品のほうが分散効果が高いと考えられる
●基準4:運用成績は中長期で順調に伸びているものがいい
・純資産総額と基準価額がともに右肩上がりになっているものがいい
●基準5:同ジャンル・同カテゴリではシャープレシオは高いほうがいい
・シャープレシオは「リスクに見合った利益が得られているか」を表す指標。値が大きいほど効率よく運用できていることを示す
・同ジャンル・同カテゴリの投資信託を比較する際にチェック
・なるべく過去3年以上の数字を確認する
●基準6:インデックス型を選ぶ際、トラッキングエラーは小さいほどいい
・トラッキングエラーは、ベンチマークと投資信託の値動きの差を数値で表したもの。数字が小さいほど、ベンチマークと連動していることを表す
LINE証券の投資信託おすすめ商品ランキングベスト3【インデックス&バランス型】
LINE証券で積立投資ができる投資信託の中から、おすすめの商品を紹介します。なお、金額や手数料率は2020年7月6日現在のものとなっています。
●3位:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
純資産総額:558.57億円
基準価額:10,827円
信託報酬(税込):年0.154%
国内・先進国・新興国の株式と債券、国内外の不動産(リート)の計8資産に投資するバランス型の投資信託です。8つの資産にそれぞれ12.5%ずつ均等に投資してリスクを分散。わかりやすい仕組みや信託報酬の安さが人気で、純資産総額も堅調に増加しています。
また、資産の偏りを元に戻すリバランスも自動的にしてくれるので、手間もかかりません。債券を含んでいる分、株式だけに投資する投資信託に比べるとリスクは控えめ。より堅実にお金を増やしていきたい方向きの商品です。
●2位:eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
純資産総額:1091.95億円
基準価額:12,491円
信託報酬(税込):年0.1023%
MSCIコクサイ・インデックスという指標との連動を目指す投資信託です。1本買うだけで、日本を除く22カ国の先進国、約1300銘柄の株式に投資したのと同じような効果が期待できます。
組み入れている資産のうち6割が米国株。アップルやマイクロソフト、アマゾンといった世界的な大企業の株式を多く組み入れています。低コストでシンプルな商品ということもあり人気です。純資産総額の伸びも堅調です。
●1位:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
純資産総額:342.89億円
基準価額:10,960円
信託報酬(税込):年0.05775%
日本を含む先進国・新興国の株式市場の値動きに連動することを目指す商品です。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスという、世界の先進国・新興国の株式で構成された指標との連動を目指します。年0.05775%というとても安い信託報酬で、世界中の株式に分散投資することができます。
LINE証券のランキングのベスト3はすべてeMAXIS Slimシリーズとなりました。eMAXIS Slimシリーズは、投資家が選ぶ投資信託のランキング「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019」にも複数ランクインしています。なお、このeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、同ランキングで1位に輝いた商品です。
LINE証券の投資信託おすすめ商品ランキングベスト3【アクティブ型】
LINE証券で積立投資ができる投資信託の中から、おすすめの商品を紹介します。なお、金額や手数料率は2020年7月6日現在のものとなっています。
●3位:ひふみプラス
純資産総額:4890.5億円
基準価額:42,096円
信託報酬(税込):年1.078%
成長企業を選定して投資する、アクティブ型の投資信託。「守りながらふやす」という運用を心がけています。主な投資対象は日本株ですが、海外の成長企業にも投資を行います。銘柄選定にあたっては、単に財務指標や株価情報といった数値面だけでなく、各社の経営方針や戦略などといった数字に表れない部分まで徹底的にリサーチ。そのうえで、割安と判断できる銘柄に投資しています。
信託報酬もアクティブ型にしては低めの水準といえます。しかも、純資産総額が一定額以上になると信託報酬が段階的に引き下げられる仕組みです。アクティブ型で積極的にリターンを狙うために利用したい1本です。
●2位:東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン
純資産総額:455.79億円
基準価額:30,137円
信託報酬(税込):年1.584%
経営者が主要な株主となっている企業に投資を行う投資信託です。銘柄選定にあたっては、経営者のリーダーシップに関する定性分析を重視しつつ、企業の成長性・収益性に比較して割安であると判断される銘柄を選んでいます。
組入銘柄にはサイバーエージェント、MCJ、セリア、ソフトバンクグループなどが並んでいます。信託報酬は相対的にやや高い水準ですが、運用コストの高さを補って余りある実績を残しています。
●1位:スパークス・新・国際優良日本株ファンド
純資産総額:862.4億円
基準価額:31,753円
信託報酬(税込):年1.804%
今後グローバルでの活躍が期待できる日本企業の銘柄を20銘柄程度選び抜いて投資を行うアクティブ型の投資信託です。運用の目標とするベンチマークは設けず、ここぞという銘柄に集中投資。基本的に短期売買はせず、長期保有で利益を狙います。
組入上位銘柄にはキーエンス、テルモ、ソニーなどが並びます。分散投資の観点からすれば、広くいろいろな資産に投資すべきなのですが、集中投資の割にはリスク(ボラティリティ)が小さく、10年リターンで10%以上と、信託報酬を補って余りある成果をあげています。
まとめ
LINE証券で新しくスタートした「投資信託のつみたて投資」の特徴・メリットと、LINE証券のおすすめ商品ランキングをご紹介しました。LINE証券では購入時手数料無料で1000円から積立投資ができます。また、LINE PayやLINEポイントを生かすことで、さらにおトクになります。
ぜひ積立投資をスタートして、お金を増やしていきましょう。
※編注:LINE証券は2024年中に撤退を発表しました。新規口座開設の受付を終了しています。
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頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
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