20/03/14
マスクの転売が禁止に! 迷惑な高額転売を掴まないための3つのポイント
新型コロナウイルスの影響でマスクが品薄になる一方、フリマアプリなどでの高額転売が問題となっています。政府は2020年3月10日にマスクの転売を禁止する政令改正を閣議決定したので、転売は収束すると思われます。しかしそもそも、フリマアプリなどでの転売は問題ないのでしょうか。また、情報に踊らされないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。
横行するフリマアプリでの高額転売
コロナウイルスの影響によりマスクの不足がささやかれたころ、メルカリには、1人のユーザーが大量のマスクを高額で出品するなど、「そもそもどうやって手に入れたの?」と思うような出品物があふれました。
高額出品のターゲットはマスクにとどまらず、除菌ができるハンドジェルやウェットティッシュ、ティッシュペーパーやトイレットペーパー、キッチンペーパーなどに及んでいます。
私が住んでいる地方も、普段は棚いっぱいにあるトイレットペーパーが1個もない状態でした。ということは当然ながら転売が起きるわけで、私が確認したときにはトイレットペーパー18ロールで2500円という高値で売られていました。
転売についての各フリマアプリの対応は?
各フリマアプリにおいてこうした転売は認められているのでしょうか。メルカリ、ラクマ、ヤフオク!・PayPayフリマのルールを確認してみましょう。
●メルカリの対応
メルカリでは、ガイドラインの中で「メルカリ事務局で不適切と判断される行為」として「転売等の営利を目的としてメルカリで商品を購入し、著しく高い金額で売ること」を挙げています。文面からは、メルカリ以外で買った商品ならば問題がないようにも読めますが、これとは別に「通常の経済的価値と著しくかい離した販売価格により商品を出品すること」という項目もあります。
当初メルカリでは、削除や利用制限などには踏み切っていませんでした。しかし、高額転売が増えている中、「コロナウイルス感染拡大に伴う生活用品等の取引について」というお知らせを発表。入手経路の確認や商品の削除・利用制限等を行うとしています。
●ラクマの対応
「ラクマのルール」を見ると、「自然災害や事故に際し通常の市場価格に比較し著しく高い価格で出品する行為」と、条件付きで今回のような転売を禁止しています。「通常の市場価格に比較し著しく高い価格を設定して販売するような行為は、ユーザーの窮状に乗じていることになり、悪質性が強いものと考えます」と説明しています。
●ヤフオク!やPayPayフリマの対応
ヤフオク!やPayPayフリマでも、出品禁止物として扱われています。
「ヤフオク!ガイドライン細則」の「出品禁止物」のなかに、「44. 災害などの緊急事態において、供給不足により人の身体・生命に影響がある物品を不当な利益を得る目的で入手し、出品していると当社が判断する出品」とあります。
マスクの転売が禁止に
3月10日に国民生活安定緊急措置法の政令改正が閣議決定されたことによって、マスクの転売が禁止されることになりました。取得価格よりも高値で転売する違反者には1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。政令は11日に公布され15日に施行されます。
施行に先立ち、メルカリでは3月13日、ラクマは3月12日15時、ヤフオク!は3月11日より、マスクの出品を禁止しました。
ただし、今回の政令改正においてはマスクの転売が禁止されただけ。消毒液などは含まれていません。もし今後も続くようならば、マスク以外の商品が対象になる可能性も否定できませんね。
迷惑な高額転売をなくす3つのポイント
もしかしたら今後も、高額転売を見かけることがあるかもしれません。そうした迷惑な高額転売をなくすために心がけたい3つのポイントを紹介します。
●高額転売を掴まないためのポイント1:高額転売の品物を買わない
今回のような緊急事態における高額転売では、転売をしないことは大前提ですが、「買わない」という行動も必要になります。マスクやトイレットペーパーがお店からなくなって焦る気持ちは理解できます。だからと言って買ってしまうと「売れるんだな」と思われてしまい、高額転売が続くようになってしまいます。
●高額転売を掴まないためのポイント2:送料にも注意する
フリマアプリでは出品者が送料を負担し、着払いで送ることになるので、送料の問題はなさそうです。しかし、送料を出品者が決められるサービスの場合、送料が異様に高くなっている場合があります。例えば商品の価格自体は500円ですが、送料が1万円になっている、という具合です。このように送料で儲けるパターンもあるので、販売価格だけではなく送料もしっかり確認して判断しましょう。
●高額転売を掴まないためのポイント3:公式な発表や情報をチェックする
マスクが不足していることは政府も認めています。しかし、トイレットペーパーやティッシュなどは全く不足していません。多くの人が一気に買ってしまったので、お店の棚からはなくなり商品の入荷も遅れているのは事実ですが、公式にコメントが発表されています。
経済産業省の「マスクや消毒液やトイレットペーパーの状況 〜不足を解消するために官民連携して対応中です〜」には、大量のトイレットペーパーが倉庫にある写真も掲載されています。また日本家庭紙工業会からもお知らせがありました。
私たちはTwitterなどのSNSを使うことも多く、そこにはいろいろな情報があります。しかし、今回のようにデマも含まれているので、公的な情報を踏まえて考えることは大切ですね。
まとめ
新型コロナウイルスによって浮き彫りにされたのは、高額転売という、いってみればフリマアプリの「闇」でしょう。サービス提供側はマスクだけでなく、他の商品でも対策に追われています。これだけ多くの人が困っている中では「儲けること」ではなく、「助け合うこと」も考えていきたいものですね。
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川崎さちえ ネットフリマ・ネットオークション アドバイザー
2004年に夫が子育てのために仕事を辞める。翌月からの生活のため、株式投資とネットオークションをスタート。自分の経験をもとにして独自のノウハウを構築。現在はフリマアプリ・ネットオークションの専門家として執筆やメディア出演をしている。2008年からAllAboutのガイドをつとめる。
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