19/08/20
日経平均株価とサラリーマンのお小遣い額は連動? 株価は上がっても厳しい懐事情
日経平均株価は日本経済を映し出すバロメーターとしてよく利用されます。
新生銀行「2019年サラリーマンのお小遣い調査」によると、1978年以降、おおよそ日経平均株価が上がるとお小遣いの額も上がっていました。しかし2013年以降、かなり株価が上がっているにもかかわらずお小遣いの額は横ばいとなっています。その理由と、どうしたらお小遣いをアップできるのかを考えます。
株式相場とお小遣いがリンクしなくなっている
新生銀行の調査によると、日経平均株価とサラリーマン(男性会社員)の平均お小遣い額は、以下のように推移しているそうです。
新生銀行「2019年サラリーマンのお小遣い調査」より
バブルの絶頂期である1989年、日経平均株価が3万8916円になった翌年(1990年)のサラリーマンの平均お小遣い額は、過去最高額の7万7725円になりました。今では伝説のようになっていますが、夜中に1万円を振りかざしてタクシーをひろっていた時代ですね。
バブル崩壊以降、日経平均株価は多少の増減はあれど、右肩下がりで変動してきました。それとともに平均お小遣い額も右肩下がりになっている様子がうかがえます。多少、お小遣いの方が遅れて動いているようにみえますね。
ところが2013年以降、日経平均株価はバブル崩壊後の最高値を更新する上昇を見せましたが、平均お小遣い額は株価上昇に追いついていないようにみえます。
2019年のお小遣い額は低水準
同調査には、近年の平均お小遣い額の時系列推移も示してあります。
2019年のお小遣い額の平均は
・男性会社員…3万6747円(昨年の3万9836円から-3089円)
・女性会社員…3万3269円(昨年の3万4854円から−1585円)
となっています。これは調査した年の中で2番目に低い水準だそうです。
お小遣いが上がらない原因としては、これだけ株価が上昇していても給与には反映されているとはいえないことが理由といえそうです。
国税庁「民間給与実態統計調査」によると、2000年(平成12年)の平均給与・手当は380.3万円。ここまではおおよそ上昇傾向にあったのですが、その後は一転して下落。2012年(平成24年)には349.0万円と、約31万円減ったのです。
株価が急上昇した翌2013年(平成25年)の平均給与・手当は352.7万円と少し持ち直したものの伸びは緩やかで、2017年(平成29年)は364.2万円と微増に留まっているのが現状です。そんな中で、お小遣いを増やそうとはなかなか思えないでしょう。
自由に使えるお小遣いを増やすには、まず節約
お小遣い額、つまり自由に使えるお金を増やすためには、無駄遣いを減らすことが大切です。同調査によると、支出の増えたもの上位3つはこちらです。(複数回答)
・男性 食費(飲み代除く)33.1%、飲み代26.8%、子どもの教育関連の費用17.9%
・女性 食費(飲み代除く)40.6%、旅行代24.1%、趣味の費用19.5%
男女ともに食費が1位となっています。これはランチ代も含まれるので、仕事や外出時のランチ代が節約のカギになります。毎日お弁当を作るハードルが高ければ、おにぎりとインスタント味噌汁など、簡単なもので済ませる方法もあります。
とはいえ、コンビニは意外と高くなるので、丸亀製麺や吉野家など「早い・安い・旨い」店を活用するのも節約術の一つです。外食する場合は、余裕資金で株を購入し株主優待で食事券をもらうと日常の外食費を節約できます。
飲み代、旅行代、趣味の費用は、付き合いや見聞を広めるために大切な部分もありますが、回数を絞ったり、より安く済む方法を探したりして工夫して減らしたいところです。
子どもの教育関連の費用も、愛する子供に惜しみなくお金をかけたい気持ちはよくわかりますが、今お金をかけすぎて将来奨学金を借りることになっては子どもに負担をかけることになってしまいます。習い事は2つ程度までに抑えましょう。
また、お小遣いを増やすためには収入を増やすことも大切です。とはいえ、サラリーマンであればまだ副業が禁止されているケースが多いでしょう。
不用品をフリマアプリやネットオークションで売ったり、ポイントサイトやクレジットカードのポイントを貯めたりするなど地道な努力も大切です。
まとめ
ニュースで株価上昇と聞いても自分の生活がよくなった実感がないのは、お小遣い額が上がっていないことが理由かもしれません。株価上昇ほど給料も上がっていないのが現状です。自分のやりくりで自由に使えるお金を増やして、株価上昇に負けないお小遣いアップを目指しましょう。
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稲村 優貴子 ファイナンシャルプランナー(CFP︎︎®︎)、心理カウンセラー、ジュニア野菜ソムリエ
大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆活動を行っている。日経ウーマン、北海道新聞などへの記事提供、テレビへの取材協力など各メディアでも活躍中。著書『年収の2割が勝手に貯まる家計整え術』河出書房新社。趣味は、旅行・ホットヨガ・食べ歩き・お得情報収集。FP Cafe登録パートナー
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