25/02/12
メルカリで20万円を超える売上があったら確定申告が必要なのか
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メルカリ、Yahoo!フリマなどのフリマアプリは、品質的にはまだ使えるものの、自分では使わない不用品を売ってお金にできる便利なサービスです。特に、お子さんがいるご家庭では、着られなくなった洋服や、使わなくなったおもちゃを売ったりするのに何かと重宝しているのではないでしょうか。しかし、メルカリなどを使って売上が得られた場合、場合によっては確定申告が必要になるため注意してください。
「何を売ったか」で確定申告の要・不要が決まる
メルカリなどを使って得られた収入については、何を売ったかによって確定申告の扱いが異なります。
自分や家族の着られなくなった服や使わなくなったおもちゃ、本など、ごく一般的な不用品を売ったにすぎない場合、確定申告は必要ありません。これらは、所得税の課されない譲渡所得として扱われるためです。
一方、不用品だったとしても1点30万円以上の貴金属や美術品など、高額商品の場合は確定申告の対象となるため注意してください。例えば、ブランドもののアクセサリーや、プレミアがついている希少価値の高いアイテムだった場合は、これに当てはまる可能性が出てきます。
また、1点30万円に満たない生活用品などであっても、それを何度も継続的に販売している場合は、営利目的で出品しているとみなされます。この場合も、課税対象となり確定申告が必要になります。
いくらもうかったら確定申告が必要?
では、具体的にいくら儲かったら確定申告が必要になるのでしょうか。
普段は会社員として働いているなど、収入が別にある場合は、メルカリなどで物を売るのはあくまで副業に過ぎません。このため、メルカリなどで物を売って得られたもうけ=所得が20万円以下であれば、確定申告は不要です。
ここでいう所得とは、メルカリなどで得られた売上から必要経費を差し引いて計算した額のことです。売上が20万円超あったとしても、必要経費を差し引いた所得が20万円以下なら、確定申告はいりません。
ただし、他にも副業をしていた場合、それらで得られた所得の合計額が20万円を超えていたら、確定申告が必要です。この場合は、雑所得として、白色申告を行います。
一方、メルカリなどフリマアプリでの販売を本業として行う場合、得られた所得が48万円を超えるなら、確定申告をしなくてはいけません。売上から経費を差し引いて所得を計算するのは副業の場合と同じですが、事業所得として申告する点が大きく異なります。なお、事前に申請をしておくと、青色申告として最大65万円の控除を受けることが可能です。
なお、所得を計算する際の経費としては以下のものが考えられます。どれだけかかったかを記録しておきましょう。
●経費の例
・インターネット通信費
・商品の仕入にかかった交通費、振込手数料
・メルカリでの商品販売手数料
・商品発送時の手数料
・商品にかかる送料
所得体の確定申告と住民税の申告は別物
メルカリなどフリマアプリで売上があり、所得税の確定申告が必要になったら、2月16日~3月15日の間に手続きをしなくてはいけません。期限に遅れたり、あえて申告しなかったりした場合は、無申告加算税や延滞税などのペナルティがかかります。
また、所得税の確定申告が必要ない場合でも、所得があったなら、住民税の申告をしなくてはいけません。その年の1月1日時点の住所がある自治体へ、前年の所得に応じた額を納付するルールであるため、引っ越した場合は特に注意が必要です。
なお、副業としてメルカリなどのフリマアプリを使って収入を得ている場合、会社に知られる可能性があります。副業での収入があればその分住民税は高くなるうえに、自治体から会社に住民税の納付書が送付されるためです。どうしても知られたくないなら、住民税の納付書を会社の分と副業の分で分けて発行してもらいましょう。
判断に迷ったら税理士か税務署に確認を
本記事ではメルカリなどのフリマアプリで不用品を売った場合の税務上の扱いについて解説しました。単に日常生活で使わなくなったものを売るだけなら確定申告はいりませんが、副業として何回も繰り返していたり、高価なアクセサリーや美術品、プレミア品などを売ったりする場合は注意が必要です。扱いにおいて不明な点があるなら、税理士や税務署に確認しましょう。
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荒井美亜 金融ライター/ファイナンシャル・プランナー
立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融・マネー系の記事を主に手掛けるライターとして活動中。ゲームを通じて全国の高校生・大学生に金融教育を行うプロジェクト「Gトレ」の認定ファシリテーター(講師)として教壇にも立つ。取得資格はAFP(日本FP協会認定)、貸金業務取扱主任者(試験合格)、宅地建物取引士(試験合格)
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