25/01/30
高金利&お得なサービスがある「新型ネット銀行」3選
近頃、さまざまな業界の企業が自社ブランドの銀行「新型ネット銀行」を立ち上げる動きが見られます。新型ネット銀行とは、銀行免許を持たない企業が銀行代理業の許可を受け、銀行と提携して、各種銀行商品・サービスを提供するタイプの銀行のことです。
そこで今回は、新型ネット銀行にはどのようなものがあるか、いくつかピックアップしてサービス内容や特典などを紹介します。ご自身のライフスタイルに合わせて、使いやすい新型ネット銀行を見つけましょう。なお、以下の情報は2025年1月25日時点のものです。
新型ネット銀行1:JRE BANK
JR東日本は2024年5月に、楽天銀行と提携して「JRE BANK」を立ち上げました。JRE BANKが注目される理由は、JR東日本グループならではの特典にあります。
例えば、JRE BANKの利用状況や資産残高に応じて、片道料金を4割引で利用できる優待割引券が年間最大10回まで提供されます。また、Suicaグリーン券(モバイルSuica限定)の提供や、JRE POINTと交換しておすすめの4つの駅のどこかに行けるサービス「どこかにビューーン!」の割引クーポンなど、電車や新幹線をよく利用する人には魅力満載の特典が充実しています。
またJR東日本グループが提供するクレジットカード「ビューカード」をお持ちなら、利用代金の引落し金額に応じて提供される特典の枚数がアップするので、さらにお得に利用できますよ。
円預金の金利も見逃せません。円普通預金は年0.10%とメガバンクと同水準ですが、円定期預金は1年ものと2年ものでキャンペーンが実施されており、2025年1月31日(金)までの預け入れでそれぞれ0.35%、0.40%と高金利になっています。JR東日本グループの特典だけでなく、円定期の運用もお得になるのは魅力的ですね。今後のキャンペーンにも期待しましょう。
<JRE BANKの円預金金利>
<JRE BANKのキャンペーン定期預金の例>
筆者作成
新型ネット銀行2:ヤマダNEOBANK
ヤマダNEOBANKは、ヤマダデンキでおなじみのヤマダホールディングスグループの新型ネット銀行で、住信SBIネット銀行の支店として2021年7月に誕生しました。最近では、「ヤマダ積立預金」の満期に10%ポイント還元を受けられるキャンペーンが注目を集めましたが、こちらは新規申し込みを停止しました。
しかしそれ以外にも魅力的な特典があります。例えばヤマダデンキの電子決済サービス「ヤマダPay」を利用して銀行口座から支払うと1%相当のポイントが貯まります。さらに2024年12月2日~2025年1月31日の期間は最大10%(最大1万3000ポイント)が貯まるキャンペーンが実施されています。今後も同様のキャンペーンに期待したいですね。
また、ヤマダNEOBANKでは住宅ローンの「ヤマダNEOBANK住宅ローン」もユニークなサービスです。一般的に、住宅ローンの借入金額には家具・家電の費用は組み込めませんが、ヤマダNEOBANK住宅ローンの場合はヤマダホールディングスグループで購入予定の家電・家具・電気自動車(EV)・V2H機器の購入資金も住宅ローンに組み込めます。
そのうえ、他の住宅ローンでは金利に上乗せすることで得られる先進医療特約付与団信や全疾病保障保険(団体信用就業不能保障保険)も金利の上乗せなしで得られます。
引っ越しや住宅購入・リフォームなどで家電を買う機会のある方は、ヤマダNEOBANKの特典を有効活用できるかもしれませんね。
ヤマダNEOBANKの円預金金利もチェックしておきましょう。普通預金の金利はJRE BANKと同様、年0.1%と標準的な水準ですが、SBI証券の口座をお持ちの方ならSBIハイブリッド預金(SBI証券と連携した円預金口座)に入金することで、通常の普通預金より金利がアップします。
また円定期預金では、1年ものと5年ものが年0.40%の高金利となっています。さらに2025年2月2日(日)までに円定期預金1年ものに預け入れた方には、年0.40%の金利に加えて、年0.40%で1年間運用した際の金利相当の現金がもらえるキャンペーンを実施中。合計0.80%相当の還元が受けられます。預金で安定的に運用しながら高金利も狙いたい方におすすめです。
<ヤマダNEOBANKの円預金金利>
<ヤマダNEOBANKのキャンペーン定期預金の例>
筆者作成
新型ネット銀行3:JAL NEOBANK
JAL NEOBANKは航空会社のJALが展開するネット銀行で、こちらも住信SBIネット銀行の支店としてサービスを提供しています。JAL NEOBANKは、JALマイレージバンク会員を対象としたネット銀行です。JAL NEOBANKの預金残高や給与振り込みなどの利用状況に応じてマイルが貯まる仕組みです。
また、JAL NEOBANKの口座からJAL Pay(JALマイレージバンクアプリを使ったスマホ決済サービス)へのチャージでもマイルが貯まります。JALの機内販売やJAL関連のお店だけではなく、Mastercard加盟店やQUICPay+加盟店でも使えるため、日々のお買い物でもマイルをためることができます。旅行や帰省などでよくJALを利用する方にとっては、日々の口座利用やJAL Payでのお買い物でお得にマイルが貯まるので便利ですね。
JAL NEOBANKの円預金金利はキャンペーンを含めて、ヤマダNEOBANKと同様です。前述のとおり合計0.80%相当の還元が受けられるキャンペーンが2025年2月2日(日)まで開催されているので、JALのマイルを貯めながら、円定期で効率よく運用したい方は口座開設を検討してみましょう。
<JAL NEOBANKの円預金金利の例>
<JAL NEOBANKのキャンペーン定期預金の例>
筆者作成
なお、住信SBIネット銀行のNEOBANKはパートナー企業へ銀行機能を提供するプラットフォーム(BaaS:Banking as a Service)であり、他にも第一生命や高島屋、京王など、幅広い業種が参入しています。
今後の新規参入にも注目!
異業種からのネット銀行参入は、今後も続く可能性があります。中でも最も注目されているのは、大手通信会社の中で唯一グループ内に銀行を持たない「NTTドコモ」です。
NTTドコモは銀行業への参入に意欲を示しており、NTTドコモの前田義晃社長は日本経済新聞の取材で「2024年度に実現できればいい」と述べています。一から銀行を立ち上げるのか、住信SBIネット銀行のNEOBANKのような銀行代理業のプラットフォームを利用するのかはまだ分かりませんが、ドコモユーザーは動向を注目しておく必要がありそうです。
ご自身のニーズに合った新型ネット銀行を選ぼう
異業種からの参入が加速する新型ネット銀行は、参入企業の特色を反映した特典やサービスが魅力です。その企業の商品やサービスをよく利用する方であれば、お得に活用できる可能性があるので、ご自身に合った銀行を見つけて有効活用してみてはいかがでしょうか。
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鈴木靖子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わるなか、その経験を個人の生活にも活かしたいという思いからFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。
HP:https://yacco-labo.com
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