25/01/01
【2025年版】プロが勧めるお金の増やし方ベスト5
2025年がスタートしました。どのような新年をお迎えでしょうか。
本年もMochaでは、お金にまつわるさまざまな情報を発信してまいります。みなさまに「知ってよかった」「ためになった」「人生が変わった」といわれるように取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、新年1本目はマネーコンサルタントの頼藤太希さんとファイナンシャルプランナー高山一恵さん、お金のプロ2人に聞く2025年のお金の増やし方ベスト5をお届けします。
お金のプロも、お金を増やすために実際にさまざまな投資をしています。そのなかから、2025年にお金を増やすならどんな方法がおすすめか、ズバリ聞いてきました。お金の増やし方を知りたい方は必見です!
●教えてくれたのは…
頼藤太希さん
マネーコンサルタント/経済評論家
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。早稲田大学オープンカレッジ講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に創業し現職。日テレ「カズレーザーと学ぶ。」、TBS「情報7daysニュースキャスター」などテレビ・ラジオ出演多数。主な著書に『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)など書籍100冊、累計180万部。YouTube
「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。日本年金学会会員。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
高山一恵さん
ファイナンシャルプランナー/経済ジャーナリスト
(株)Money&You取締役。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「マンガと図解 はじめての資産運用」(宝島社)など書籍100冊、累計180万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue
お金の増やし方その1:「変動10年国債」で金利上昇の恩恵を得る
2024年は、日銀がそれまで17年間続けてきたマイナス金利政策を解除。3月と7月に政策金利を引き上げる「利上げ」を行いました。これを受けて「金利のある世界」へと変わりつつあるなか、注目したいのが個人向け国債です。
債券は、国や地方自治体、会社などがお金を借りるために発行する借用証書のようなもの。国が発行している債券(国債)の中で、政府が個人でも買いやすくしたものを「個人向け国債」といいます。
個人向け国債は毎月発売されており、1万円から購入できます。個人向け国債を買うと、半年に1度利子が受け取れるうえ、満期になると貸したお金が返ってきます。
個人向け国債には「固定3年国債」「固定5年国債」「変動10年国債」の3つのタイプがあります。
<個人向け国債の3つのタイプ>
(株)Money&You作成
「固定」「変動」は金利の仕組みのことです。固定は販売している利率が満期まで変わらずにもらえること、変動は半年に1度、利率が見直されて変動することを表します。
また年数は、お金を貸す期間(=満期になるまでの期間)のことです。それぞれ、3年・5年・10年と分かれています。
なお、満期になる前でも、発行後1年以上経てば換金できます。その際、直近2回の利息にあたる金額が差し引かれますが、元本割れはしません。
個人向け国債の利率は、最低でも年0.05%が保証されています。
2022年中頃まで、個人向け国債の金利は3タイプとも0.05%の下限で設定されていました。しかし、近年は金利がじわじわ上昇してきています。
たとえば、2024年12月募集分の個人向け国債の金利(適用利率・税引前)は
・変動10年国債…0.71%
・固定5年国債…0.71%
・固定3年国債…0.60%
となっています。
個人向け国債のおすすめは「変動10年国債」です。なぜならば、今後も政策金利が上昇していった場合に、すでに保有している変動10年国債の適用利率も上昇し、もらえる利子が自動的に増えるからです。固定3年国債と固定5年国債は、金利が上昇しても、購入時点の金利から変わることはありません。
実際、変動10年国債の半年ごとの適用利率も、上昇しています。たとえば、2021年12月に発行された変動10年国債(第140回)の適用利率は、はじめは0.07%でしたが、そこから半年ごとに上昇。2024年12月16日からの適用利率は0.65%になっています。
<変動10年国債(第140回)の適用利率>
財務省のWebサイトを元に(株)Money&You作成
画像内赤枠で示した適用利率(税引前)をみると、徐々に上昇していることがわかります。変動10年国債の場合、このように半期ごとに適用利率が見直されます。
「日銀は2024年7月の利上げ以降、2024年内は政策金利を据え置いてきました。ただ、2025年に利上げが行われる可能性は十分あります。日銀の植田総裁も「経済・物価情勢の改善が続いていけば、それに応じて、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と発言しています。利上げが行われれば、変動10年国債の適用利率も上昇するでしょう」(頼藤太希さん)
変動10年をはじめとする個人向け国債は、銀行や証券会社などの金融機関であればだいたいどこでも取り扱っています。インターネット上で購入できる証券会社・銀行もあります。金融機関によっては、キャッシュバックやポイントバックのようなキャンペーンを行うこともありますので、チェックしてみてください。
お金の増やし方その2:NISAつみたて投資枠でリスク許容度に合わせて積立投資
2024年に改正され、使い勝手が向上したNISA(新NISA)。NISAでは、つみたて投資枠・成長投資枠の2つの投資枠を活用して、一生涯にわたって運用益非課税の投資ができます。
このうち、NISAのつみたて投資枠では、金融庁の基準を満たした投資信託・ETF(上場投資信託)に年間120万円まで積立投資ができます。
「これから投資を始めるならば、NISAのつみたて投資枠をまず活用するのがおすすめ。長期・積立・分散投資を意識して、じっくりと投資に取り組みましょう」(高山一恵さん)
長期投資とは、長い時間をかけて投資を行うことです。短期間で相場を見ると、一時的な要因で大きく変動することがあります。しかし、長期間ならば値動きが安定します。また、増えたお金が新たなお金を生み出す複利効果が味方になります。複利効果を活用すれば、お金の貯まるスピードは増していきます。
積立投資は、あらかじめ決まった金額を続けて投資することです。定期的にコツコツ投資をしておけば、高いときだけ買ったり、安いときに買わなかったりすることを防げます。さらに、平均購入価格を下げる「ドルコスト平均法」の効果も得られます。平均購入価格が下がれば、少しの値上がりでも利益を出しやすくなります。
分散投資は、値動きの異なる複数の資産に投資することです。こうすることで、過度な値動きを抑えつつリターンを狙えます。投資先の地域も分散することで、成果はより安定します。
つみたて投資枠での投資は無期限で非課税にできますし、毎月などの頻度で淡々と一定額ずつ積み立てることができます。そのうえ、投資信託自体がさまざまな投資先に分散投資している商品です。したがって、つみたて投資枠を利用するだけで、長期・積立・分散投資が簡単にできます。
「投資信託は1~2本に絞って淡々と積立投資をすれば手間もなく簡単です。成長投資枠で自由に投資したいと思う人もいるかもしれませんが、まずはつみたて投資枠を活用しましょう。なお、成長投資枠を優先して使う場合、投資上限額は1200万円ですので、生涯投資枠(1800万円)を使い切りたい場合は、つみたて投資枠で600万円を使う必要があります」(頼藤太希さん)
投資信託は、リスク許容度(いくらまで損に耐えられるかの度合い)に合わせて選びましょう。リスク許容度は人によって異なり、万人に適する商品はありません。
リスク許容度が低いのであれば1本で株や債券に投資する「バランス型投資信託」、積極的にリスクを取りたいならば、世界株や米国株に投資する「インデックス型投資信託」などが候補になってくるでしょう。具体的には、次のような商品が該当します。いずれも、低コストで手軽に分散投資ができます。
以下データは断りのない限り2024年12月26日時点のものです。
【リスクを抑えて堅実に増やしたい方向け】
・ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
設定日:2015年8月27日
純資産総額:707 億円
基準価額:18,798円
信託報酬(税込):年0.154%
実質コスト::0.171%(2022年11月22日~2023年11月20日)
トータルリターン(5年・年率):9.08% ※2024年12月20日時点
リスク(5年・年率):10.59% ※2024年12月20日時点
国内外の株式と債券に均等に投資する投資信託。株式と債券の比率が50%ずつで、国内と海外の比率も50%になっています。こちらの商品を保有するだけで、年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と同様の資産配分で投資ができます。
【積極的にリスクを取って増やしたい方向け】
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
設定日:2018年10月31日
純資産総額:5兆1104億円
基準価額:27,745円
信託報酬(税込):年0.05775%
実質コスト::0.131%(2023年4月26日~2024年4月25日)
トータルリターン(5年・年率):18.37% ※2024年12月20日時点
リスク(5年・年率):14.24% ※2024年12月20日時点
日本を含む世界の先進国23カ国・新興国24カ国の株式で構成された指標との連動をめざします。1本買うだけで、世界の株式市場の85%をカバー可能。年0.05775%というとても安い信託報酬で、世界中の株式に分散投資できます。
・eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
設定日:2018年7月3日
純資産総額:6兆5260億円
基準価額:34,409円
信託報酬(税込):年0.09372%
実質コスト::0.104%(2023年4月26日~2024年4月25日)
トータルリターン(5年・年率):22.69% ※2024年12月20日時点
リスク(5年・年率):18.10% ※2024年12月20日時点
S&P500は米国市場に上場する銘柄の中から、主に時価総額の大きな主要500社の時価総額をもとに算出される株価指数です。米国株式市場の時価総額約80%をカバー。広く米国に分散投資ができます。
お金の増やし方その3:NISA成長投資枠で1株投資・配当株投資
NISAの成長投資枠では、積立投資だけでなく一括投資も可能。年間240万円までの投資で得られた利益が非課税にできます。
NISAの成長投資枠では、株式投資もできます。とはいえ、株を買うには多額の資金が必要だと思われる方もいるかもしれませんが、今や多くの証券会社で1株(単元未満株)から株が買えるサービスが提供されています。これを利用すれば、3000円・1株単位で株式投資ができます。
「証券会社によっては、個別株の積立投資もできます。1株からでもコツコツ積み立てればいずれ100株(単元株)の株主になれます。平均購入単価を下げつつ購入できる点もメリットですね」(頼藤太希さん)
また、配当金がもらえる高配当株・増配株を狙うのもよいでしょう。
配当金は、会社の事業が順調なときに、株を持っている株主に支払われる利益の一部。たとえ1株の株主であっても、1株分の配当金がもらえます。配当金は、日本株の場合は年1回〜2回、米国株の場合は年4回もらえるのが一般的です。
このうち、高配当株とは、株価に占める配当金の割合(配当利回り)が高い銘柄のこと。明確な基準はありませんが、配当利回りが3〜4%を超えてくると一般的に高配当といわれています。
また、増配株は、配当金の金額を増やしてくれる銘柄のことです。特に長年にわたって毎年配当金の金額を増やしている銘柄を連続増配株といいます。
NISAで高配当株や連続増配株を保有していれば、配当金を非課税で受け取り続けることができます。
安心して長く保有を続けられる高配当株・増配株を選ぶ際には、次の3つのポイントを確認しましょう。
①配当利回りは「2%以上」で検索
「3%以上」を条件に検索すると、3%に近い"優良"の銘柄が見つけられなくなってしまいます。人気が集まり、株価が高くなると配当利回りが低くなる仕組みですから、検索タイミングによっては、優良銘柄を見逃すことになります。
②「連続増配」「非減配」で抽出
少なくとも毎年増配している銘柄は、企業の業績が右肩上がりで成長している可能性が高いといえます。また、増配はしていなくても減配していないかどうかも重要です。長期的に減配せず増配や配当金を維持する銘柄を「累進配当銘柄」といいます。
③配当性向は30〜50%が目安
配当性向は、当期純利益のうち、どれだけを配当金の支払いに向けたかを示す指標です。
配当性向は業界によって平均値に差がありますが、長期的に値上がり益を狙いつつ、配当金を得る投資戦略であるならば、30~50%くらいを目安にしておくとよいでしょう。
「高配当株・増配株が選べないという場合は、高配当株ファンドもおすすめです。1本でさまざまな高配当株に投資するのと同様の効果が得られます」(高山一恵さん)
高配当株・増配株であっても、リスクを抑えるには10〜20銘柄に投資しておきたいところ。それが大変であれば、手軽に分散投資効果が得られる高配当株ファンドを活用するのがよいでしょう。
以下データは断りのない限り2024年12月26日時点のものです。
・日経平均高配当利回り株ファンド
設定日:2018年11月9日
純資産総額:1,720億円
基準価額:17,805円
信託報酬(税込):年0.693%
実質コスト:0.350% ※2023年12月16日~2024年6月17日
トータルリターン(5年・年率):16.44% ※2024年12月20日時点
組入銘柄の配当利回り:4.5% ※2024年11月29日時点
分配金利回り(1年):3.19%
分配金健全度(5年):81.95%
日経平均株価の構成銘柄から予想配当利回り上位 30社に投資する高配当株ファンドです。新NISA対象の高配当株ファンドの中で、唯一つみたて投資枠での投資が可能です。
組入銘柄の予想配当利回りも4%を超え、分配金利回りは3.19%と高く、トータルリターン(5年・年率)も16.44%と、高いパフォーマンスを維持しています。
・SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)
設定日:2023年12月12日
純資産総額:828億円
基準価額:11,498円
信託報酬(税込):年0.099%
実質コスト::--
トータルリターン(年率):--
リスク(年率):--
組入銘柄の配当利回り:4.19% ※2024年11月29日時点
分配金利回り(1年):3.79%
配当利回り水準が平均より高い銘柄を中心に投資する日本高配当株ファンドです。NISA成長投資枠で購入できます。分配金は2024年4月140円、7月140円、10月140円と出ていて、分配金利回りは3.79%。信託報酬は年0.099%と日本高配当株ファンドの中で最安水準。SBI証券のユーザーにとって利用価値の高い商品です。
・楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)
設定日:2024年9月18日
純資産総額:978億円
基準価額:10,933円
信託報酬(税込):年0.192%
実質コスト::--
トータルリターン(年率):--
リスク(年率):--
組入銘柄の配当利回り:3.83% ※2024年12月27日時点、ドルベース
分配金利回り(1年):--
「シュワブ・米国配当株式ETF(SCHD)」に投資して配当収益の確保と中長期的な値上がり益の獲得をめざす投資信託。連続 10 年以上配当を続けている約 100 銘柄で構成されています。信託報酬も年0.192%と低コスト。楽天証券のユーザーにとって利用価値の高い商品です。
お金の増やし方その4: iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)でリスク許容度に合わせて積立投資
iDeCoは、自分で出した掛金を預金・保険・投資信託で運用し、その成果を60歳以降にもらう制度。国の公的年金(国民年金・厚生年金)の上乗せを作れる制度です。
最大のメリットは、掛金の「拠出時」「運用時」「給付時」の3つのタイミングで税制優遇が受けられることです。
●拠出時
iDeCoで拠出した掛金は、全額が「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除の対象になります。所得控除をすることで、所得控除をすることで、毎年の所得税や住民税が安くできます。
●運用時
通常、投資で得られた利益には20.315%の税金がかかります。しかし、iDeCoの運用で得られた利益には税金が一切かかりません。税金がかからないぶんお得ですし、利益を運用に回すことで、お金が新たなお金を生み出す複利効果が期待できます。
●給付時
iDeCoの資産は、60歳から75歳までの間に一時金か年金で受け取ります。一時金なら「退職所得控除」、年金なら「公的年金等控除」という所得控除の対象になるため、税金の負担を減らせます。
iDeCoの最低掛金は月額5,000円からで、1,000円単位で掛金の額を変更できます。掛金上限額は働き方や企業年金の有無などにより異なります。
<iDeCoの掛金上限額>
(株)Money&You作成
現行制度では、iDeCoの掛金上限額は月額2万円・2万3000円・6万8000円の3通りです。2025年の税制改正大綱では、専業主婦(主夫)を除き、月額5万4000円・6万2000円・7万5000円の3通りにアップする予定です(なお、確定給付企業年金(DB)や企業型確定拠出年金(DC)といった企業年金がある場合は、掛金上限額から企業年金の掛金額を引いた金額がiDeCoの上限額になります)。
また、iDeCoの加入期間は現状、最長で65歳未満となっています。
65歳未満まで加入できる人の条件は、
①会社員・公務員として厚生年金に加入して働く人
②任意加入被保険者として国民年金に加入している人
(任意加入…国民年金保険料納付済期間が40年に達していない場合、年金を満額もらうために60歳以降も加入継続できる制度)
となっていますが、今後は「iDeCo加入者・運用指図者」または「私的年金の資産をiDeCoに移換できる人」であれば70歳未満まで加入できるようになる予定です。老齢基礎年金及びiDeCoを受給していなければ、70歳未満まで加入可能になります。
「iDeCoでは、自分の将来のためのお金を積み立てるだけで、税金を減らせるという強力な節税効果が得られます。iDeCoの運用先は、元本確保型の定期預金と保険、そして元本変動型商品の投資信託の3種類がありますが、おすすめは投資信託。運用時の非課税の効果をきちんと得られるのは、投資信託だけだからです」(高山一恵さん)
iDeCoで投資できる投資信託は、金融機関によって異なりますが、おおむね数本から多くても35本です。NISAと同様iDeCoでも、自分のリスク許容度に合わせて商品を選ぶのがよいでしょう。
上で紹介した「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」はiDeCoでも投資できる金融機関がありますが、「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」はiDeCoに対応していません。リスクを抑えた運用をしたいのであれば「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」などが選択肢に入ります。
・eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
設定日:2017年5月9日
純資産総額:3206億円
基準価額:17,106円
信託報酬(税込):年0.143%
実質コスト::0.194%(2023年4月26日~2024年4月25日)
トータルリターン(5年・年率):7.70% ※2024年12月20日時点
リスク(5年・年率):13.58% ※2024年12月20日時点
国内・先進国・新興国の株式と債券、国内外の不動産(リート)の8資産に均等に投資する投資信託です。新興国資産も投資対象となるため「4資産」よりはリスクが高めですが、それでも値動きは安定しています。
「2025年の税制改正大綱で、iDeCoの毎月の掛金の拠出限度額がアップすることが盛り込まれました。また、現状65歳未満までとなっている加入期間も70歳未満になる見込みです。その分たくさん、長く節税の効果が得られるようになりますので、今のうちから取り組んでおくのがよいでしょう」(頼藤太希さん)
「iDeCoは、積み立てたお金を原則60歳まで引き出せません。しばしばデメリットだと言われるのですが、確実に老後資金を用意するためには、引き出せないことはむしろメリットともいえます。老後のお金を手厚く準備するためにも、ぜひ活用しましょう」(高山一恵さん)
お金の増やし方その5:信用力を活用して、都内中古ワンルームマンション投資
購入した不動産を貸し出して家賃収入を得たり、売却して売却益を得たりする不動産投資。不動産を買うなんてまとまった金額がないと無理だと思ってしまいそうですが、ほとんどの場合は不動産投資用のローンを組みます。つまり、銀行のお金で資産運用ができるというわけです。
「不動産を購入できる金額が手元にあったとしても現金で買わず、ローンを借りて購入するのが鉄則です。なぜなら、他人のお金(銀行のお金)で購入できて、これまた他人のお金(入居者の家賃)で返済できてしまうからです。自分のお金での投資が1馬力だとしたら、不動産投資は10馬力・20馬力でお金が増やせる効率のよい投資です」(高山一恵さん)
不動産投資のメリットは、入居者がいる限り長期的に安定した家賃収入が手に入ることです。
「株価はさまざまな要因で日々上下しますし、ときには下落相場入りしてしまうことがあります。しかし、不動産から得られる家賃収入は相場の影響を受けませんので、収入が安定するのがメリットです。定年を迎えて、資産を取り崩すフェーズに入った後も、資産をあまり減らすことなく不労所得を得ることができます」(頼藤太希さん)
また、不動産投資をすることで相続税を抑えることができるメリットもあります。
「1億円を現金で相続すると、そのまま1億円に対して相続税がかかります。しかし、不動産の場合、土地は実勢価格の80%、建物は実勢価格の70%が相続税の評価額(計算のもととなる価格)になります。人に貸している不動産ならさらに相続税の評価額が下がるので、相続税が安くできます」(高山一恵さん)
不動産を家族に相続すれば、家族は現金で相続するよりも相続税が安くできます。しかも、相続後に家賃収入も活用できる、というわけです。
不動産投資のおすすめは、都内の築浅ワンルームマンションです。東京は、人口が減少している日本にあって、今でも人口が増えている都市です。人の流入が多く、高い賃貸の需要が見込めます。
「東京はビジネスマン、学生、外国人など、単身で住みたいと考える人の需要が高い地域。2035年には、単身世帯が半数を上回るという予測もあります。ですから、都内のワンルームが狙い目というわけです。新築物件にはプレミアム価格が乗っているので割高です。中古を選んだ方が投資効率はいいでしょう」(高山一恵さん)
もっとも、不動産投資用のローンを組むにはある程度の信用力が必要です。
「不動産投資で銀行からお金を借りられる目安は年収400万円以上。公務員や大企業、成長企業に勤めていると有利です。勤続年数も3年以上で、できるだけ長いほうが有利ですね。これらを満たす信用力のある方なら、不動産投資にぜひ積極的に取り組みましょう」(頼藤太希さん)
Mocha(モカ)編集長のおすすめは?
筆者のおすすめは、やはりNISAのつみたて投資枠の活用です。
少額からコツコツできて堅実なのはもちろんのこと、ネット証券ではクレジットカードで積立投資のお金を支払う「クレカ投資」が充実。ポイントを貯めながら自分のお金が増やせます。そして何より、利益にかかる税金が一生涯非課税にできるメリットを生かさないのはもったいないと思います。
お金は、ただ置いておいても増えない時代です。そうはいっても、投資にはいまだに怖いものというイメージが根強くあるのも事実です。Mocha(モカ)がそのイメージを変えていく最初の一歩となれば幸いです。
筆者も引き続き精進して、2025年もMochaでみなさまのお役に立つ情報を発信し続けられればと思います。2025年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
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