24/11/29
コストコ再販店って結局得なのか
近年、コストコの商品を仕入れて販売する「コストコ再販店」が全国にオープンしているのをご存じでしょうか。今回は、コストコ再販店とはどんなお店なのか、またコストコ再販店で買い物するメリットはあるのか解説します。
そもそも、コストコとは?
コストコとは、アメリカ発のスーパーマーケットで、日本でも35店舗を展開しています(2024年8月時点)。郊外の広々とした敷地に巨大な店舗を構えているのが特徴で、商品倉庫をそのままお店にしたようなイメージの、いわば倉庫型店舗です。
コストコでは、仕入れた商品を小分けにせず箱のまま店頭へ置くことで、品出しにかかる人件費を削減しています。また、一般的なスーパーマーケットのように商品を倉庫から複数の店舗に運ぶ必要もないため、配送費を大幅にカットできます。コストコはこのような経費削減により、多くの商品を相場よりリーズナブルな価格で販売しています。
なお、コストコは会員制スーパーですから、買い物をするには毎年会費を支払う必要があります。個人会員の場合、年会費は税込4,840円です(2024年11月時点)。
近年増加しているコストコ再販店とは?
コストコ再販店とは、コストコの商品を仕入れて販売するお店です。コストコ再販店がコストコに出向いて商品を購入し、それを小分けにして再販しています。
商売として利益を出す必要があり、また配送費や小分けにする容器代もかかるため、コストコ再販店の商品は本家コストコより2割ほど高い価格設定となっています。なお、コストコ再販店は会員制スーパーではないため、年会費は不要です。
コストコ再販店は数年前から急増しており、2024年11月時点で全国に120店舗以上のコストコ再販店があります。
コストコ再販店は違法にならないのか?
「コストコの商品を再販している」と聞くと、「それって違法にならないのか?」と心配になる方が多いのではないでしょうか。
結論から申し上げると、コストコ再販店自体は違法ではありません。なぜなら、コストコが商品を再販や転売することを許容しているためです。
ただし、コストコは再販事業者と業務提携をしているわけではなく、再販店と一切の関係はありません。ただ商品の再販を認めているだけです。そのため、「コストコ公認」などと謳い、商標を無断で利用しているお店は違法となります。
コストコ再販店で買い物をする際は、商標を不正利用している違法なお店ではないか事前に確認するようにしましょう。
コストコ再販店のメリット
コストコ再販店とは何か説明してきました。ここからは、コストコ再販店はいったい何がいいのか、そのメリットを紹介していきます。
●メリット1:年会費が不要
先ほども述べたように、コストコで買い物をするには年会費を支払う必要があります。コストコに行ったことのない方が試しに利用したいと思っても、5,000円近くする会費を払わねばならないとなると、ハードルが高いですよね。
コストコ再販店は会員制でないため、会費なしで誰でも気軽に利用できます。例えば「再販店でコストコの商品を試しに購入してみて、良さそうであればコストコに入会する」という使い方もできます。
また「コストコの商品は好きだけど、年1~2回程度しか行かないため、年会費がもったいない」と感じていた方にもおすすめです。
●メリット2:コストコの商品が小分けで購入できる
コストコの商品はその多くが大容量です。安価でたくさん購入できるのは嬉しいですが、一人暮らしや二人暮らしの方にとっては量が多すぎると感じることもあるでしょう。口に合うかわからない食品や、初めて使う日用品を試してみたくても、大容量パックしかないとなると、合わなかったときのことを考えて購入をためらってしまう方もいるのではないでしょうか。
コストコ再販店は、コストコの商品が使いやすい小分けで販売されているため、一人暮らしや家族が少ない方にぴったりです。また「気になる商品をちょっと試してみたい」というときにもおすすめです。
●メリット3:アクセスしやすい場所にある
コストコは広々とした敷地のある郊外に大きな店舗を構えているため、車を持っていない方にとっては行きづらいでしょう。いっぽう、コストコ再販店は本家コストコより店舗の規模が小さく、駅の近くやショッピングセンターの中など、アクセスしやすい場所にあります。
休日に車を出してわざわざ郊外の大型店舗まで向かわなくても、毎日の通学・通勤帰りにふらっと立ち寄ってコストコの商品を買えるのが嬉しいですね。
コストコ再販店のデメリット
コストコ再販店の良いところを紹介してきましたが、反対にデメリットもあります。
●デメリット1:価格が割高
先ほども述べた通り、コストコ再販店はコストコの商品を仕入れて小分けにして再販していますから、本家コストコで購入するよりも割高となります。コストコ再販店は年会費がかかりませんが、割高の商品ばかり購入した場合、トータルで見ると本家コストコで購入したほうがお得になることもあります。
本家コストコが近所にある方や、コストコの商品を頻繁に使用する方は、再販店よりもコストコで購入したほうがお得でしょう。
●デメリット2:取り扱っている商品が限られている
コストコ再販店は本家コストコよりも店舗の規模が小さく、仕入れる商品も限られています。欲しいコストコの商品が必ず再販店にあるとは限りません。また、広々とした店舗を巡ってたくさんの品揃えから商品を探す楽しみも薄れるでしょう。
●デメリット3:衛生面が不安
コストコ再販店は、コストコで仕入れた商品を一度取り出して、小分けにして販売しているため、食料品などはどうしても衛生面が気になります。
食料品の小分けは誰でもできるものではなく、保健所の許可が必要です。また、白衣やマスク、衛生キャップ、手袋を必ず着用し、清潔な空間で作業しなければなりません。小分け用の容器にも、もともとの商品の原材料や賞味期限・消費期限をそのまま記載する必要があります。
コストコ再販店で小分けの食料品を購入する際は、これらが守られているかチェックしましょう。小分け作業をガラス越しにお客様が確認できる店舗もあります。どのような環境で作業が行われているか確認できると、安心して購入できるのではないでしょうか。
コストコ再販店は、コストコ初心者や一人暮らし、車のない方におすすめ
近年店舗数が増加しているコストコ再販店について解説してきました。
コストコ再販店は年会費不要でコストコの商品が少量ずつ購入できるため、コストコ初心者でまず商品を試してみたい方や、一人暮らしで大容量を消費するのが難しい方にぴったりです。また、車を持っておらず郊外に行くのが難しい方でも、再販店なら徒歩や電車でアクセスしやすいためおすすめです。
ただ、本家のコストコと比べるとどうしても価格が割高になってしまうことや、小分けにするため衛生面が不安という点がデメリットです。安いものを多く購入したい方や、衛生面が不安という方は、再販店ではなく本家のコストコを利用したほうがよいでしょう。
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木下七夏 Webライター
大学卒業後金融機関に勤め、個人のお客さま向けの営業を担当。退職後にFP2級を取得し、フリーライターに。FPで学んだ知識や金融機関勤めの経験を生かして、生活にまつわるお金の疑問を分かりやすく噛み砕いて解説する記事を作成している。
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