24/10/29
【2024年10月から】年金生活支援者給付金の基準額が改定!年金額が少ない人は申請しないと大損
年金生活者支援給付金は、老齢年金、障害年金、または遺族年金を受け取っている人で、一定の条件を満たす方に支給される、年金に上乗せされるお金です。
年金生活者支援給付金の制度は、消費税の引き上げ分を活用して、年金などの収入が少ない方の生活をサポートするために設けられています。
今回は、毎年10月に年金生活支援者給付金が見直され金額が変わること、2024年10月以降の金額、受け取っている人数や平均額について詳しくご紹介します。
年金生活者支援給付金とは?
年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準額以下の方に、国が生活の支援を図ることを目的として給付金を支給する制度です。年金生活者支援給付金は、国民年金や厚生年金を受け取る方のうち、支給要件を満たす方の年金額に上乗せされます。
まずは、年金生活者支援給付金の支給対象となる方の支給要件を確認しましょう。
「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金」を受け取れる人の要件
年金生活者支援給付金の対象は、以下の要件をすべて満たしている方です。
・65歳以上の老齢基礎年金の受給者である。
・同一世帯の全員が市町村民税非課税である。
・前年の公的年金等(障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まず)の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下である。
なお、公的年金等の金額が
昭和31年4月2日以後に生まれた方:789,300円を超え889,300円以下である方
昭和31年4月1日以前に生まれた方:787,700円を超え887,700円以下である方
には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
●年金生活者支援給付金はどのくらい受け取れるの?
年金生活者支援給付金の支給額は、保険料納付済期間等に応じて以下のとおり計算されます。
・保険料納付済期間に基づく額(月額)=5310円×保険料納付済期間÷被保険者月数480月
・保険料免除期間に基づく額(月額)=1万1333円×保険料免除期間÷被保険者月数480月
支給額の算出のもととなる保険料納付済期間等は、お手持ちの年金証書や支給金額変更通知書等でご確認できます。
「障害年金生活者支援給付金」を受け取れる人の要件
障害年金生活者支援給付金の対象は、以下の支給要件をすべて満たしている方です。
・障害基礎年金の受給者である。
・前年の所得(障害年金等の非課税収入は含まず)が472万1000円以下である。
ただし、「472万1000円」は、扶養親族等の数に応じて増額します。
●障害年金生活者支援給付金はどれくらい受け取れるの?
障害年金生活者支援給付金の支給額は、認定されている障害等級によって異なります。
・障害等級が2級の方: 5310円(月額)
・障害等級が1級の方: 6638円(月額)
「遺族年金生活者支援給付金」を受け取れる人の要件
遺族年金生活者支援給付金の対象は、以下の支給要件をすべて満たしている方です。
・遺族基礎年金の受給者である。
・前年の所得(遺族年金等の非課税収入は含まず)が472万1000円以下である。
ただし、「472万1000円」は、扶養親族等の数に応じて増額します。
●遺族年金生活者支援給付金はどれぐらい受け取れるの?
遺族年金生活者支援給付金の支給額は「5,310円(月額)」です。
ただし、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5310円を子の数で割った金額をそれぞれ支払います。
年金生活者支援給付金の基準額は毎年10月に更新される
年金生活者支援給付金の支給額は、毎年10月に物価や生活水準の変動を反映して見直されます。上記は2024年10月に更新された新たな金額です。
基準額の変更は、支給される給付金の増額や減額に直結するため、年金受給者にとっては注目すべき情報といえます。
2024年10月からの年金生活者支援給付金の基準額は、2023(令和5)年の物価変動率が3.2%の上昇であったため、給付基準額は3.2%の引き上げとなり、2023(令和5)年度基準額(5140円)から2024(令和6)年度基準額(5310円)へ170円増額しました。
年金生活者支援給付金はどのくらいの人が受け取っている?
年金生活者支援給付金を実際に受け取っている人の数と平均給付金額は、次のとおりです。
<年金生活者支援給付金の状況(2023年3月時点)>
厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業統計」(令和4年度)より筆者作成
年金生活者支援給付金の受給件数は約780万件。平均給付金額は老齢年金生活者支援給付金で3930円となっています。満額の場合、年6万円ほどもらえる計算ですので、生活の大きな足しになるでしょう。
なお、年金生活者支援給付金は世帯ごとに受け取るものではなく、要件を満たせば1人ずつ受け取れる給付金です。夫婦2人で暮らしている世帯であ、それぞれが支給要件を満たす場合、2人とも受け取れます。
新たに支給対象になった人は申請を忘れずに
年金生活者支援給付金は、年金受給者で一定の要件を満たす方であれば受け取ることができます。すでに、年金生活者支援給付金を受け取っている方は、手続きしなくても継続して受け取ることができます。
重要なのは、2024(令和6)年度において新たに年金生活者支援給付金の支給対象となる方は、申請しなければ給付金が受け取れない点です。
今回から新たに要件を満たしたという方には、自治体より毎年9月頃から順次「簡易な年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されます。対象の方は早めに申請しましょう。給付金の増額は家計の助けになる重要な制度ですので、忘れずに手続きを行いましょう。
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舟本美子 ファイナンシャルプランナー
「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー
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