24/04/15
「99」から始まる基礎年金番号は年金がもらえない?絶対にやるべきこと
基礎年金番号は、公的年金加入者に割り当てられている番号です。年金の手続きに関連して、10ケタの番号を見たことがあるのではないでしょうか?この基礎年金番号、もし「99」から始まっていたら、やらないといけないことがあるので確認しておきましょう。今回は、「99」から始まる基礎年金番号とは何か、なぜ99から始まっているのかを説明します。
そもそも基礎年金番号とは?
基礎年金番号は、公的年金の加入記録を管理するために、すべての年金加入者に付されている番号です。合計10ケタの数字ですが、4ケタの数字と6ケタの数字をハイフンでつなぐ「〇〇〇〇-〇〇〇〇〇〇」という形式になっています。
基礎年金番号が使われるようになったのは、1997年(平成9年)1月からです。それまでは、国民年金、厚生年金、共済組合のそれぞれで別の番号が付されていました。転職などで年金の種類が変わったときにも正確に管理できるよう、統一された番号を使用することになったのです。
基礎年金番号は1人につき1つ割り当てられています。基礎年金番号制度が開始する以前から公的年金に加入していた人には、制度が開始するときに基礎年番号通知書が届いているはずです。一方、基礎年金番号制度開始以降に公的年金に加入した人には、基礎年金番号が記載された青色の年金手帳が発行されています。
なお、2022年(令和4年)4月以降、年金手帳は廃止され、年金加入時に基礎年金番号通知書が発行されるようになりました。基礎年金番号通知書はクレジットカードほどのサイズで、基礎年金番号に加えて氏名・生年月日が記載されています。
基礎年金番号の最初の4ケタには意味がある!
基礎年金番号は全くランダムに付けられている番号ではなく、意味があります。ハイフンの前の4ケタは、加入時の社会保険事務所に割り当てられている符号です。最初の2ケタが都道府県を表しており、次のようになっています。
<都道府県ごとの基礎年金番号>
筆者作成
次の2ケタは、都道府県の年金事務所を番号で表したものです。
なお、共済組合に加入していた人の場合には、最初の4ケタは都道府県ではなく共済組合ごとの番号になっています。
ハイフンの後の6ケタは年金事務所ごとの通し番号であるため、特に意味はありません。
年金コードとは?
年金受給者となって年金を請求すると、年金証書が交付されます。年金証書では、基礎年金番号の次に4ケタの数字が追加され表示されています。基礎年金番号に追加されている4ケタの数字は「年金コード」と呼ばれるもので、受給している年金の種類を表しています。
年金コードの主なものは次のとおりです。
<主な年金コード>
筆者作成
基礎年金番号の確認方法
基礎年金番号は、基礎年金番号通知書や年金手帳で確認できます。しかし、手元に基礎年金番号通知書がなく、年金手帳でも確認できないという人もいるでしょう。年金事務所に問い合わせても、個人情報保護の観点から、電話やメールでは基礎年金番号を教えてくれません。基礎年金番号は、以下のような方法で確認する必要があります。
●国民年金保険料の納付書等で確認
自営業者など国民年金保険料を納めている人は、国民年金保険料の納付書や口座振替額通知書に基礎年金番号が印字されています。
●以前の「ねんきん定期便」で確認
毎年誕生月には、年金加入記録等を記載した「ねんきん定期便」が届きます。最近の「ねんきん定期便」には基礎年金番号は記載されていませんが、過去には記載されていたことがあるため、古いものが残っていれば確認できる可能性があります。
●「ねんきんネット」で確認
「ねんきんネット」の利用登録をしている場合、「ねんきんネット」の「利用者情報」で基礎年金番号を確認できます。
●会社に相談
会社員の場合には、勤務先の総務関係の部署などに聞けば確認できます。
●専用ダイヤルに電話
「ねんきん定期便」を手元に用意した上で「ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号(0570-058-555)」に電話して依頼すれば、後日基礎年金番号が記載された書類を郵送してもらえます。
・年金事務所の窓口で相談
基礎年金番号がわからない場合、最寄りの年金事務所の窓口で相談する方法もあります。
「99」で始まるのは仮基礎年金番号
基礎年金番号の最初の2ケタの数字は、上で説明したとおり、都道府県ごとの番号であるケースが多くなります。ところで、基礎年金番号を確認してみると、最初の2ケタが「99」の人がいます。
基礎年金番号の数字が「99」から始まっていたら、それは仮基礎年金番号です。仮基礎年金番号は、正規の基礎年金番号ではありません。年金の加入手続きを行った時点で既に基礎年金番号を持っている可能性が高い人に、仮に割り当てられた番号です。
転職して新しい会社に入社したときには、既に持っている年金手帳を会社に提出して手続きするのが一般的です。会社に年金手帳を提出しなかった場合、基礎年金番号が確認できませんが、そのまま手続きが進められてしまうことがあります。このような場合に、確認がとれるまでの間、仮の基礎年金番号を割り当てて管理する仕組みになっているのです。
「99」から始まる基礎年金番号を持っている場合、他の基礎年金番号を持っている可能性が高くなります。基礎年金番号が複数あると、それぞれの年金加入記録は別人の記録として取り扱われます。年金保険料支払いの案内なども重複して届くことがあり、本来払う必要のない保険料を払ってしまうといった問題が起こるかもしれません。
基礎年金番号が「99」から始まっていたらどうすればいい?
基礎年金番号を複数保有している場合、年金加入記録が正しく管理されません。そのため、日本年金機構は「99」から始まる基礎年金番号を持つ人に対し、「基礎年金番号確認のお願い(回答票)」という調査票を送付しています。もし調査票が届いたときには、必要事項を記入して速やかに返送しましょう。
日本年金機構では、調査票に記入した内容をもとに、別の基礎年金番号を持っていないかの調査を行います。「99」で始まる基礎年金番号以外の基礎年金番号がある場合には、年金加入記録を統合してもらえます。調査票が届いていない場合でも、「99」で始まる基礎年金番号を持っていることに気付いたら、年金事務所に相談しましょう。
「99」ならすぐに相談を
基礎年金番号は公的年金加入者1人に1つずつ割り当てられています。基礎年金番号が「99」から始まっている場合、他の基礎年金番号があり、年金加入記録が重複している可能性があります。自分の基礎年金番号が「99」から始まることに気付いた人は、すぐに年金事務所に相談しましょう。もし日本年金機構から「基礎年金番号確認のお願い(回答票)」が届いたら、必要事項を記入して速やかに返送し、調査してもらってください。
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森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー
Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。
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