24/04/03
日本の「上位10%」にあたる年収はいくら?
年収はさまざまな要素で決まりますが、年収が上がることを期待する人は多いのではないでしょうか。年収が上がれば今よりもゆとりができて、生活水準も変わってくるかもしれません。では、日本において年収上位10%に入る年収はどれくらいになるのでしょうか?
今回は日本の上位10%にあたる年収と、日本の平均年収、昇給のタイミングについてご紹介します。
上位10%にあたる年収はどれくらい?
仕事内容や勤続年数、勤める企業や業界など、年収はさまざまな要素によって決まります。同じ年齢の人でも年収は人それぞれです。人によっては、年収に関係なく仕事にやりがいを感じている人もいれば、今よりも年収を上げたいと考えている人もいるでしょう。
では、日本における「年収上位10%」はどれくらいの年収になるのでしょうか?
国税庁が実施する「民間給与実態統計調査(令和4年分)」の給与階級別分布によると、次のような結果が出ています。
<給与階級別分布>
国税庁「民間給与実態統計調査(令和4年分)」より作成
男女の合計で見ると図の赤枠の部分、年収800万円超の人の合計が全体の10.9%となっています。つまり、年収が800万円を超えたら、年収上位10%に入れるということになります。
しかし、男女別に見てみると、異なる結果が確認できました。
・男性は年収900万円超の人は全体の11.8%
・女性は年収600万円超の人は全体の8.2%(500万円超の人は全体の14.6%)
日本では、男性と女性の給与に差が出ています。その理由は、女性が家事や育児を担うケースが多く、出産や育児をきっかけにフルタイムで働くことが難しくなるためです。パートやアルバイトなど時短勤務の女性が多いため、女性の年収は男性よりも低くなっています。そんな背景から、年収上位10%を見ても男女差が生じているのです。
これらのことを踏まえると、年収上位10%に入れるのは、男性は年収900万円超、女性は年収600万円台以上の人であると考えてよいでしょう。
日本の平均年収は?
ではここで、日本の平均年収を見てみましょう。
国税庁の「民間給与実態統計調査(令和4年分)」によると、男女別の平均年収は次のような結果が出ています。
・男性の平均年収:563万円
・女性の平均年収:314万円
<男女別・年齢階層別の平均年収>
国税庁「民間給与実態統計調査(令和4年分)」より作成
上でも紹介したとおり、年代別に見ても男性よりも女性のほうが給与の伸びが少ないことがわかります。また、もっとも年収が多い55〜59歳の男性でも平均年収は702万円です。年収上位10%は男性が年収900万円超、女性は600万円台以上ですから、ひと握りの人しか高収入を得られていないことがわかります。
ただ、年収が多ければ生活にゆとりができると思われがちですが、必ずしもそういうわけではありません。年収が高くでも貯蓄が少なくやりくりに困るケースもあれば、平均的な年収でもきちんと貯蓄ができているケースもあります。生活の安定は年収の高さというよりも、家計力の有無が関係しているのかもしれませんね。
昇給はいつ実施されるの?
生活の安定は年収だけによるものではないと述べましたが、やはり少しでも年収を上げたいと思う人は少なくないでしょう。また、企業によっては定期的な昇給が見込まれるところもあります。では、多くの企業では昇給はいつ実施されるのでしょうか?
Job総研が2023年12月に930人の社会人男女を対象に実施した「2023年働き方変化の実態調査」の調査結果によると、2023年に年収が増えた人の割合は52.2%と、過半数を占めています。
<年収の増減・年収の増えた月と増加額>
Job総研「2023年働き方変化の実態調査」より
また、年収が増えたと答えた人に対し年収が上がった月を問うと、その答えが最も多かったのが「4月」で29.3%、次いで「6月」が24.9%、その次が「10月」の23.1%でした。
さらに、増加額の平均は119.2万円というのですから驚きですが、中央値は50万円、最頻値は20万円とのことなので、平均は一部の人が大きく引き上げたのでしょう。とはいえ、50万円でも20万円でも、増えるのは嬉しいですよね。
昇給のタイミングは企業によりますが、一般的には年1回のところは4月、年2回のところは4月と10月が多いようです。昇給のタイミングは会社の就業規則にある賃金規定で定められているので、勤め先のタイミングを確認してみてはいかがでしょうか。
春の昇給に期待大?
国税庁の民間給与実態統計調査(令和4年分)によると、年収上位10%の年収は800万円超という結果が出ていますが、男女別に見てみると、年収上位10%に入るのは男性が年収900万円超、女性は年収600万円台以上という結果となっています。これを見ると年収の男女差は大きいことがわかります。
また、企業によっては定期的な昇給を実施しているところもあります。一般的には4月に昇給となる企業が多いようです。自分の勤め先で定期的な昇給があるのかどうかは賃金規定を見ればわかります。企業によっては昇給のタイミングになるでしょう。
大手企業でいわゆる「春闘」の満額回答が目立っているとの報道もあります。自分の勤め先はどうでしょうか。春の昇給を期待したいですね。
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前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。
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