23/08/18
花王(4452)の株を10年前から持っていたら、配当金の総額は?値上がり益はいくら?
化粧品や洗剤でおなじみの花王(4452)は日本企業で最長となる33年連続の増配を実施しています。これだけ長い期間増配を続けている花王の株を仮に10年前(2013年)から持ち続けていたら、配当金はいくらもらえたのでしょうか?また、値上がり益はどのくらいあったのでしょうか。「たられば」の話とはいえ興味深いので調べてみました。
花王の株を10年前から持っていたら、配当金は総額いくら?
増配とは、株を持っていることでもらえる配当金の金額を会社が増やしてくれることです。とくに、長年にわたり毎年配当金を増やしている銘柄を連続増配株といいます。
日本の連続増配株の代表は、花王です。花王といえば、化粧品や洗剤の大手メーカー。「アタック」「マジックリン」「メリット」など、商品名を聞いたことのある人も多いでしょう。花王は、1989年から数えて33年も連続して増配を実施しています(2023年8月時点)。途中、バブル崩壊やリーマンショック、コロナショックなどもありますが、連続増配を続けていることがわかります。
花王のウェブサイトによると、「株主の皆さまに対しては、安定的・継続的な配当を重視しています」とのこと。金融機関と海外機関投資家が株主の約7割を占めていることから株主優待制度は設けていない、とのことですが、その分配当金をきちんと出している、というわけです。
では、そんな花王の株を10年前、2013年から保有し続けていたら、配当は10年でいくらもらえたのでしょうか?仮に100株保有していた場合、2013年からもらえた配当金の金額はいくらになるのか、調べてみました。
●花王の配当金額(100株保有時・年度)
2013年 6400円
2014年 7000円
2015年 8000円
2016年 9400円
2017年 1万1000円
2018年 1万2000円
2019年 1万3000円
2020年 1万4000円
2021年 1万4400円
2022年 1万4800円
花王の10年分の配当金を合計すると、11万円になりました。
花王の値上がり益は?
配当金がいくら連続増配になっているとしても、株価自体が下がっていれば魅力はありません。
仮に2013年1月の始値で花王の株を100株買っていたら、22万9000円でした。それに対して花王の株価(100株あたり)を調べてみると、2023年8月7日時点で56万5600円になっています。つまり、約10年間で実に33万6600円も値上がりしていることになります。
したがって、2013年に花王の株を100株約23万円で買って10年保有し続けていたとしたら、配当はトータル11万円入り値上がり益も約33万円ある状態ということです。資産がずいぶん増やせていることがわかります。
このように紹介すると「花王の株を買っておけばよかった、持っている人は羨ましい」と思うことでしょう。しかし、実は花王と同じように、増配し続けていたり、配当をたくさん出したりしている企業は多く存在するのです。たとえば、次のような企業です。
●連続増配企業の例
三菱HCキャピタル(8593) 24年
小林製薬(4967)23年
ユニ・チャーム(8113)21年
リンナイ(5947)21年
KDDI(9433)21年
サンドラッグ(9989) 21年
ロート製薬(4527)19年
ニトリホールディングス(9843)19年
連続増配株に投資するメリット
連続増配企業の多くは、誰もが知っている有名企業です。
そもそも、毎年増配するには、右肩上がりで安定成長し、利益を出し続けている必要があります。また、財務が健全で、配当を行うだけのお金を貯めていることも大切な要素です。そうした企業は倒産のリスクが少なく安定しています。それでいて、配当金もたくさんもらえるのですから、嬉しいですよね。市場全体が暴落したときも、いち早くそこから立ち直る期待ができるのも、好業績の銘柄です。
また、花王のように株主優待を実施していない企業は海外投資家や法人投資家にも公平に利益が分配されます。海外投資家からの買いも集めて株価が安定する期待ができます。
まとめ
花王のように配当が増え続けている企業は、安定しておりリスクが少ない投資先といえるでしょう。株価が上がると利回りは下がってしまいますが、安定して配当を受け取ることができるため長期保有しながら株価アップを待つこともできます。人気の株主優待だけでなく、増配という視点で投資先を検討してみてはいかがでしょうか。
*本記事で紹介した個別の銘柄については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄の株式等の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願い致します。
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稲村 優貴子 ファイナンシャルプランナー(CFP︎︎®︎)、心理カウンセラー、ジュニア野菜ソムリエ
大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆活動を行っている。日経ウーマン、北海道新聞などへの記事提供、テレビへの取材協力など各メディアでも活躍中。著書『年収の2割が勝手に貯まる家計整え術』河出書房新社。趣味は、旅行・ホットヨガ・食べ歩き・お得情報収集。FP Cafe登録パートナー
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