23/04/01
クレジットカードの利用限度額の決まり方 限度額を引き上げる3つの方法
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先日、あるクレジットカードを作りました。問題なく審査が通り、後日郵送でクレジットカードが届きました。届いたクレジットカードの案内には、「お届けしたカードのご契約内容」として、利用限度額、ショッピング枠、割賦枠、キャッシング枠などと書かれています。これらの枠にはどのような意味があって、どう決まっているのでしょうか。
今回は、クレジットカードの利用限度額の決まり方と、限度額を引き上げる3つの方法を紹介します。
クレジットカードの利用限度額をチェック!
クレジットカードがあれば、今手元にお金がなくても買い物ができます。といっても、際限なくいくらでもお金が使えるわけではありません。人それぞれ、クレジットカードで決済できる金額には上限があります。上で紹介した「お届けしたカードのご契約内容」は、このクレジットカードの利用限度額を示したものなのです。
それぞれの項目の意味は、次のとおりです。
●利用限度額(総利用可能枠)
利用限度額は、このクレジットカードで利用できる金額の合計です。このクレジットカードを利用して、最大いくらまでのショッピングやキャッシングなどができるかを表しています。たとえば、ここに100万円とあれば、すべての使い方を合わせて100万円まで使えるという意味です。利用限度額内であれば、クレジットカードを何回でも利用できます。
なお、「毎月100万円まで使える」という意味ではありません。総利用可能額が回復するのは、きちんと返済をしたあとです。利用限度額から返済が済んでいない金額を引いた金額を「利用可能金額」と呼ぶこともあります。
●ショッピング枠
ショッピング枠は、利用限度額のうち買い物やサービスの利用料金の支払いで使える金額です。利用限度額とショッピング枠が同じクレジットカードも多くあります。
●割賦枠(割賦利用可能枠)
割賦枠は、ショッピング枠のうち、分割払いやボーナス払い、リボ払いなどに使える金額です。3回払い以上の分割払いやリボ払いには金利手数料が発生します。割賦枠は、支払い能力に応じて上限が決められます。
●キャッシング枠
キャッシング枠は、利用限度額のうちキャッシング(現金を借りること)に利用できる金額です。
利用限度額のルールは、クレジットカードの会社や種類によっても異なります。気になる方は、お手持ちのクレジットカードのルールを見直してみましょう。
クレジットカードの利用限度額は「支払可能見込額」で決まる
クレジットカードの利用限度額は、クレジットカード会社が審査のときに割賦販売法という法律に基づいて算出するものです。具体的には、「支払可能見込額」という金額を算定し、そこから利用限度額を決めています。
支払可能見込額は、ひとことでいうと利用者が1年間に無理なく支払える金額のことです。以下の計算式で求められます。
●支払可能見込額(基本的な算定式)
=①年収−②生活維持費−③クレジット債務
①年収は、クレジットカードを申し込む際に年収欄に記載した金額です。特に年収の証明書などの提出は求められませんが、もちろんうそを書いてはいけません。
②生活維持費は、1年間の生活に必要な金額です。生活維持費は、世帯(同一生計)の人数や住居所有の有無、居住地などによって異なります。基本となる1年間の生活維持費は、法律によって機械的に決められています。
日本クレジット協会の資料によると、東京23区などの場合の最高値は、次のようになっています。
●基本となる1年間の生活維持費
日本クレジット協会「クレジットの申込時の法律チェックポイント」より
③クレジット債務は、向こう1年間にクレジット払いする予定の金額です。クレジット会社は、指定信用情報機関を利用して、他にクレジットの債務がないかを確認します。他社でたくさん借りている場合は、利用限度額が少なくなるというわけですね。
クレジットカードの場合、上記の計算で出た金額に0.9を掛けることで、利用限度額を算出します。
たとえば、年収500万円のAさん(都内在住・4人世帯・住宅所有・住宅ローンあり・クレジット債務50万円)の場合、クレジットカードの利用限度額は
(①500万円−②240万円−③50万円)×0.9=189万円
となります。つまり、Aさんには、189万円以内の利用限度額のクレジットカードが発行されます。
実際にはここからさらに個人情報の調査、審査が行われ、最終的な利用限度額が決定します。
利用限度額を引き上げる3つの方法
クレジットカードが利用限度額に達してしまうと、それ以上クレジットカードを使えなくなってしまいます。こんなときには、クレジットカードの利用限度額を引き上げることを検討しましょう。
クレジットカードの利用限度額を引き上げる方法には、大きく次の3種類があります。
●クレジットカードの利用限度額を引き上げる方法①:一時増枠
「海外旅行に行きたい」「結婚式を挙げたい」「家具を揃えたい」など、一時的に大きなお金が必要になったときは、一時増枠が便利です。一時増枠は、クレジットカード会社に電話やネットを通じて申し込みます。
再度審査のうえ、問題がなければ、ショッピング枠(ほとんどの場合、1回払い)が一時的に増えます。これで、一時的に大きな出費にも対応できるようになるというわけです。所定の期間が過ぎれば、ショッピング枠は元に戻ります。
●クレジットカードの利用限度額を引き上げる方法②:継続的な増枠
日常的にクレジットカードの利用額が増え、現状の利用限度額では足りなくなってきたときには、継続的な増額の申請をしましょう。こちらも、クレジットカード会社に電話やネットで申し込みます。審査が通れば、利用限度額が増えます。一時増枠とは違い、こちらは増えた枠がそのまま続きます。
クレジットカード会社によっては、入会から半年間は継続的な増枠ができないケースもあります。審査もカード作成時より厳しめだといわれています。
●クレジットカードの利用限度額を引き上げる方法③:上位カードへの切り替え
仕事の勤続年数が長くなった、年収が増えたといった場合には、上位カードへの切り替えも選択肢に入るでしょう。クレジットカードには、一般のカードだけでなく、ゴールドカード・プラチナカードといった上位カードが用意されています。上位カードはそもそもの利用限度額が高いため、持つことができれば利用限度額も引き上げられるというわけです。
もちろん、この場合も審査が必要。また、プラチナカードなど、一部のハイグレードのカードの場合は、クレジットカード会社からの招待(インビテーション)がないと持つことができない場合もあります。日頃からきちんとクレジットカードを使い、支払いの遅延などを起こさず、クレヒス(クレジットヒストリー)を磨いていくことも大事だといわれています。詳しくは、クレジットカード会社に確認してみましょう。
まとめ
クレジットカードの利用限度額は「支払可能見込額」をもとにして決められていることをご紹介しました。また、審査に通る必要がありますが、増枠ができることも知っておくと、大きな買い物をするときなどに便利です。ぜひ一度、普段利用しているクレジットカードの利用限度額をチェックしてみてください。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
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