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22/11/03

相続・税金・年金

iDeCoとつみたてNISAはどっちから始めるべき?仕組み、特徴、選び方をお金のプロが解説

iDeCoとつみたてNISAはどっちから始めるべき?仕組み、特徴、選び方をお金のプロが解説

将来に向けて、お金を堅実に増やすために活用したい制度に、「iDeCo」と「つみたてNISA」があります。どちらも非課税のメリットを生かしながら長期積立投資ができる制度です。
通常、利益が出ても、その金額を丸ごと受け取ることはできません。なぜなら、投資で得られた利益には、20.315%の税金がかかるからです。
利益が100万円の場合、20万3150円が差し引かれることになり、受け取れる金額は79万6850円です。

iDeCoとつみたてNISAを活用すれば、この税金を支払わずに済みますので、この金額分も次の投資に回すことができます。普通に投資するよりも効率よくお金を増やせる可能性があります。iDeCoは運用益非課税に加えて、毎年の所得税や住民税まで安くできる制度となっています。

毎月の積立資金に余裕がある場合は、両制度をフル活用した方が良いのですが、資金が限られている人の場合はiDeCoとつみたてNISAどちらを優先すればいいのでしょうか。
今回はiDeCoとつみたてNISAの基本を抑えながら、どちらを優先すべきか一緒に考えていきましょう。

iDeCoとつみたてNISAの制度の仕組み・特徴をおさらい

iDeCoとつみたてNISAの制度概要をまとめた表がこちらです。どちらも長期積立投資の非課税制度ですが、特長が違うのがわかります。

●iDeCoとつみたてNISAの比較表

(株)Money&You作成

●iDeCoの仕組み・特徴

iDeCoは「公的年金の上乗せ」という位置付けなので、国民年金または厚生年金に加入していることが条件として加入できる制度です。よって年齢上限が設定されています。
最低投資金額は月額5000円からで1000円単位で掛金の額を変更できます。投資金額の上限額は働き方や企業年金の有無などにより異なります。

iDeCoでは、投資信託・定期預金・保険で運用を行います。所得控除の効果は得たいけど、どうしても投資は怖いという方にとっては、定期預金や保険といった「元本確保型」の商品が選べることはメリットがあります。

iDeCoのもっとも大きなポイントは、3つのタイミングで税金が節約できることです。
まず、毎月支払うお金(掛金)が全額所得控除になります。つまり、毎年の所得税や住民税を減らすことができます。次に、運用によって生まれた利益が非課税になります。これはつみたてNISAと同じで、効率よくお金を増やすことができます。そして、受取時に「退職所得控除」または「公的年金等控除」という税制優遇を受けることで、税金の節約ができます。

運用益非課税に関しては、実はつみたてNISAよりも長くできます。
20歳から運用した場合、一時金受け取りなら75歳まで、年金受け取りならば最長95歳になるまで75年間も運用益が非課税になります。

60歳まで原則として引き出せないことがデメリットとして語られることもありますが、人間は意志の弱い生き物なので、「資金ロック」があることは老後資金を強制的に準備できる制度と言えます。

iDeCoでは、加入時に口座開設手数料、運用中に口座管理手数料がかかります。この中で重要なのは加入する金融機関に支払う「運営管理手数料」。運営管理手数料の金額は金融機関によって違い、無料のところもあれば、年5000円程度かかるところもあります。
もちろん、運営管理手数料が安い金融機関の方が有利です。




●つみたてNISAの仕組み・特徴

つみたてNISAは2018年にスタートした制度です。成年年齢引き下げにより、2023年からは18歳以上の日本居住者なら誰でも利用できます。年齢上限がないので、例えば「60歳から20年間の運用益非課税の恩恵を受けながら投資したい」というニーズにも応えられる制度となっています。

新規に投資できる期間は2042年まで、投資した年から最長20年間にわたって、年間40万円までの投資で得られた利益を非課税にできます。

つみたてNISAで投資できるのは、金融庁の一定の基準を満たした投資信託・ETF(上場投資信託)。長期間積み立てと分散投資ができる商品のみです。日本で個人が買える投資信託は約6000本ありますが、その中から自分にとって「良い商品」を選ぶの至難の技です。国が予め厳選した商品から選ぶことになりますので、初心者にとってはありがたい制度と言えます。
もちろん、金融庁の基準を満たすから、将来的に必ず値上がりする、というものではありません。しかし、手数料が安くてシンプルな商品が多く、資産を堅実に増やすのに向いています。

iDeCoと異なり、引き出し制限はありませんので、教育資金、住宅購入資金、余暇資金などを貯める目的で活用できます。もちろん、老後資金を貯める目的でもOKです。

つみたてNISAは口座開設・口座管理の手数料が一切かかりません。手数料を気にせずスタートできるのは心理的にも始めやすい点です。

LINE証券

iDeCoとつみたてNISA、どちらを優先するべきか

iDeCoとつみたてNISAを併用するのがベストですが、毎月捻出する積立金額が限られている方もいるでしょう。その場合、どちらを優先すべきかは、毎月の投資金額や積み立ての目的、住宅ローン控除の適用有無などで変わります。

「はじめてのNISA&iDeCo」(成美堂出版)より抜粋

●指針1:住宅ローン控除が適用されている人は「つみたてNISA」優先

住宅ローン控除によって、所得税や住民税がない、または少ない場合は、iDeCoによる所得控除の効果が低くなってしまうことがあります。ただし、住宅ローン控除は10年または13年で終わってしまうので、その後も所得控除を受けたいときは、iDeCoを活用しましょう。

●指針2:老後資金を貯めたいなら「iDeCo」、それ以外が目的なら「つみたてNISA」

iDeCoは毎年の所得税・住民税を節税しながらお金を貯められる制度ですが、資金ロックが付いているので、老後資金しか貯められません。
教育資金、住宅購入資金、余暇資金などを貯めるならば、つみたてNISAを活用しましょう。

●指針3:毎月捻出できる積立金額が1万円未満ならば「つみたてNISA」

iDeCoは口座管理手数料がかかるのがネックです。iDeCoは「5000円からできる」「所得控除の節税効果がある」といっても、掛金が少ないと、その分手数料の割合が高くなるため、投資効率が悪くなってしまいます。最低でも月1万円以上で加入するのがおすすめです。
投資金額が少なめ(おおむね1万円未満)の方はつみたてNISAがおすすめです。

上記の指針に従って、どちらを優先するのか検討してみてください。
なお、毎月の投資資金捻出の余裕が出てきたら、iDeCoとつみたてNISAを併用するのがおすすめです。

『はじめてのNISA&iDeCo』 頼藤太希・高山一恵 著

NISA・iDeCo本売上ダントツNo.1、15万部超の大ベストセラー!
制度改正対応最新版として10月31日に改定本を発売。
制度の仕組みから、自分に合った金融機関・商品選びまで、オールカラーで解説。
各章冒頭には導入漫画があり、楽しく学べます。

頼藤 太希 (株)Money&You代表取締役/経済ジャーナリスト

中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、アメリカンファミリー生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に6年間従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。女性向けWebメディア『FP Cafe』や『Mocha(モカ)』を運営。資産運用・税金・Fintech・キャッシュレスなどに関する執筆・監修、書籍、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。『はじめてのお金の基本』(成美堂)、『はじめての資産運用』(宝島社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂)など著書多数。日本証券アナリスト協会検定会員、ファイナンシャルプランナー(AFP)、日本アクチュアリー会研究会員。twitter→@yorifujitaiki

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