21/12/29
個人事業主・フリーランスが最大50万円受け取れる「事業復活支援金」とは
2021年も新型コロナウイルスにさまざまな影響を受けた1年だったといえるでしょう。「仕事が減った」「売上高や利益が減った」という個人事業主・フリーランスの方も多いのではないでしょうか。
政府は11月、コロナの影響を受けた個人事業主に対して「事業復活支援金」を支給する方針を発表しました。今回は、事業復活支援金の対象や金額を紹介します。
コロナで売上が減った事業者に支払われる事業復活支援金
事業復活支援金は、コロナで大きな影響を受ける中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主が、2022年3月までの事業継続の見通しを立てられるようにと支給される支援金です。2021年度の補正予算案に、事業復活支援金の予算として2兆8032億円が計上されています。
事業復活支援金の対象となるのは、コロナの影響で2021年11月から2022年3月のいずれかの月の売上高が、前年または2年前の同月と比べて50%以上、または30%〜50%減少した事業者です。たとえば、2022年1月の売上高と2021年1月または2020年1月の売上高を比較して、50%以上、または30%〜50%減少していた、という場合に対象となります。
事業復活支援金は、条件を満たせば、地域や業種を問わず幅広く給付が受けられます。同じコロナの支援金でも、たとえば「月次支援金」は飲食店の休業や時短営業の影響を受けた事業者や、外出自粛等の影響を受けた事業者が対象になっていました。今回の事業復活支援金はそれに関わらず、個人事業主やフリーランスも含めてさまざまな方が対象となる、というわけです。
個人は最大50万円、法人は最大250万円
事業復活支援金の給付額は、2021年11月〜2022年3月までの売上高減少額を基準に算定されます。上限額は、次のとおりです。
●事業復活支援金の上限額
中小企業庁の資料より
個人の場合、売上高減少率が50%以上だった場合には最大で50万円、30%〜50%だった場合には最大で30万円が受け取れます。また法人の場合は、年間売上高の規模に応じて三段階に分かれていて、最大で250万円が受け取れます。売上高減少率が30%〜50%だった場合は、50%以上だった場合の6割が上限となっています。
事業復活支援金はいつから受付が開始される?
本稿執筆時点(2021年12月14日)では、まだ2021年度の補正予算案が成立していません。とはいえ、中小企業庁の資料には「補正予算成立後、所要の準備を経て申請受付開始予 定」とありますので、補正予算が成立してから、そう間をおかずに申請がスタートするものと考えられます。
中小企業庁の事業復活支援金の「実施計画書(仕様書)」によると、迅速な給付を行うために、令和2年度・3年度に実施した「一時支援金」や「月次支援金」の申請者情報などを活用する、とされています。したがって、これらの支援金をすでに受け取っているようであれば、簡易な手続きで受給できる可能性があります。
特に個人事業主やフリーランスの方の場合、支援金の申請自体が初めてという方もいるでしょう。同じく実施計画書には、申請書類として「確定申告書、売上台帳、本人確認書類の写し、通帳の写し、その他中小企業庁が必要と認める書類」が必要となる旨が記載されています。「その他中小企業庁が必要と認める書類」が追加される可能性はありますが、支援金を受けようという方は、あらかじめ準備しておくといいでしょう。また、申請は電子申請で受け付けます(必要に応じて電子申請に支障がある申請者の申請サポートも行われます)。
手続き後、基本的には申請受付から2週間以内に振り込まれる予定です。
まとめ
事業復活支援金は、コロナの影響で売上が減少した事業者が、これからも仕事を続けていくために支給されるお金です。法人だけでなく、個人事業主やフリーランスも対象で、最大50万円が受け取れます。今後、具体的な申し込みの方法が発表されると思われますので、該当する方はぜひチェックしてください。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
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