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21/08/29

相続・税金・年金

所得税率が20%に上がる年収は意外と高い

日本の所得税率は5%から45%までの7段階に分かれています。5%の次は10%、もう一段階上がった税率は20%です。税率が10%分もアップする税率10%と20%の境目が気になりませんか?そこで今回は、所得税率が20%になる人はどのくらいの年収になるのかを調べてみました。

日本の所得税は累進課税制度を採用

私たちが生活していく中で、義務となっているのが税金を納めることです。収入を得たときなど、さまざまな場面で納税する機会がありますが、その課税のしくみを知っておくのも大事なことといえるでしょう。

課税のしくみの1つに「累進課税制度」があります。これは、税金を計算する際のもととなる金額(課税標準)が大きくなるにつれ、税率が上がっていく制度のことです。

累進課税制度は2種類に分けられます。1つは課税標準が一定額を超えたとき、その全体が高い税率となる「単純累進課税」です。もう1つは、課税標準が一定額を超えたとき、超えた部分に対してのみ高い税率を適用する「超過累進課税」で、日本の所得税はこの超過累進課税が採用されています。ですから、所得税率が20%になったところで急に税額が倍になるわけではありません。とはいえ、10%アップするといったら、結構な上昇率に感じられるでしょう。

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所得税の計算方法は?

収入に課せられる所得税はどのように計算されているのでしょうか?その手順を見ていきましょう。

(1)収入-必要経費=所得
収入からその収入を得るのに支払った経費を差し引いて所得を求めます。会社員の場合は、給与収入から給与所得控除を差し引き、給与所得を求めます。

給与所得控除の金額は、以下の通りです。

●給与所得控除(2020年以降)

(2)所得-所得控除=課税所得(課税標準額)
所得から、基礎控除や社会保険料控除などの所得控除を差し引きます。なお、課税所得は1,000円未満の端数は切り捨てます。

(3)課税所得×所得税率-控除額=基準所得税額
求めた課税所得に応じた所得税率を掛けて、控除額を差し引くことで、基準所得税額を求めます。
所得税率とその控除額は以下の通りです。

●所得税の速算表

(4)復興特別所得税を計算 基準所得税額×2.1%
2037年までは東日本大震災の復興に必要な財源を確保するため、所得税に復興特別所得税を加えることになっています。
・徴収される所得税=基準所得税額+復興特別所得税

収入から必要経費(会社員は給与所得控除)を差し引いた所得から、自分に該当する所得控除の額を引いたものが課税所得となります。その課税所得金額によって所得税の税率が決まるのです。

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所得税率が20%にアップする年収は?

所得税が20%となるのは、課税所得が「330万円 から 694万9000円まで」になる人です。これを年収に換算したら、どれくらいの額になるのでしょうか?ここでは、会社員の場合を例に、所得税率が20%になる人の年収を試算してみます。

○設定条件
・考慮する所得控除は、基礎控除(48万円)と社会保険料控除(給与収入の15%)のみとする

上の計算・条件で、課税所得が330万円以上になる人の年収を計算すると、 649万3000円となります。

給与所得:給与収入649万3000円-(給与所得控除649万3000円×20%+44万円)=475万4400円
基礎控除:48万円
社会保険料控除:649万3000円×15%=97万3950円
課税所得:475万4400円-48万円-97万3950円=330万450円
ただし、課税所得は千円未満の端数金額を切り捨てた後の金額となっているので、
この場合の給与所得は330万円
⇒課税所得が330万円を超える給与収入は649万3000円となります。

同じ条件で、課税所得が694万9000円になる人の年収を計算すると、1103万5000円となります。

給与所得:給与収入1103万5000円-給与所得控除195万円=908万5000円
基礎控除:48万円
社会保険料控除:1103万5000円×15%=165万5250円
課税所得:908万5000円-48万円-165万5250円=694万9750円
ただし、課税所得は千円未満の端数金額を切り捨てた後の金額となっているので、
この場合の課税所得は694万9000円
⇒課税所得が694万9000円となる給与収入は1103万5000円です。

試算の結果、所得税が20%になる人(課税所得が330万円から694万9000円まで)の年収は、上記の前提の場合649万3000円~1103万5000円になることがわかりました。

つまり、所得税率が20%にアップする目安となる年収は【650万円】となります。
国税庁の「令和元年分民間給与実態統計調査」によると、年収600万円を超える人は全体の20.5%、1000万円を超す人は4.8%という結果が出ています。会社員だけで見ると、所得税率が20%以上になる人は2割もいないと考えられます。全体で見ると少数派であるといえますね。

なお、ここでは所得控除を基礎控除と社会保険料控除のみとして計算していますが、他の所得控除があれば課税所得がさらに下がる(=所得税率が20%にアップする年収が上がる)ことになります。

所得税率を下げるためにできること

収入が増えると生活にゆとりができるので、年収は高い方がいいと考える人もいるでしょう。ただ、留意しておきたいのは、年収が上がると所得税率が上がってしまうことです。自分で確定申告をする個人事業主なら、必要経費や青色申告特別控除などを活用して節税対策をする人も少なくないでしょう。けれども、会社員の場合はどうでしょうか?会社が年末調整をしてくれるので、節税を考える人は少ないかもしれません。そんな会社員でも「所得控除」を活用することで、節税対策はできるのです。

所得控除にはさまざまなものがあります。最も利用しやすいのは「ふるさと納税」での寄附金控除です。2000円を除いた寄附額分を所得から差し引くことができます。
また、老後資金の準備になる「iDeCo(イデコ)」は掛金全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)になります。
16歳以上の生計を一とする家族がいれば、扶養控除を利用できます。このほかにも所得控除には、生命保険料控除、地震保険料控除、医療費控除などがあります。
所得控除を活用することで、課税所得を下げ税率を一段階低くすることができるかもしれないのです。所得控除で利用できるものは節税対策として活用してはいかがでしょうか。

前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。

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