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21/02/09

相続・税金・年金

iDeCoの受け取り時に税金が多い人は? 注意すべき受け取り時の課税

おトクに老後資金が準備できると人気のiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)。おトクなポイントは3つあります。
・掛けておトク→掛金が全額所得控除
・運用しておトク→運用益が非課税
・受け取っておトク→受け取りにも税制優遇あり
しかし、iDeCoに加入するだけで自動的にすべてがおトクになるわけではありません。
実は、「受け取っておトク」を生かすにはちょっとしたコツが必要です。

iDeCoの一時金と退職金を同時に受け取る場合は要注意

iDeCoで積み立てた掛金は、60~70歳までの間に一時金として一括で受け取るか、年金として受け取ることができます(2つを組み合わせることもできます)。

このうち、一時金は所得税の対象ですが、退職所得控除が使えます。
退職所得控除は次のように計算します。

●退職所得控除の計算式

たとえば、ある会社に22歳から60歳まで勤めたとします。勤続年数は38年です。
この場合60歳の時点での退職所得控除額は、
退職所得控除額=800万円+(70万円×(38年-20年))=2060万円
となります。

このとき、仮にiDeCoの一時金が1000万円だったら、退職所得控除の2060万円を差し引くとマイナスなので、所得はゼロと計算して、所得税もかかりません。
1000万円-2060万円=マイナス→税金はかからない

しかし、退職金とiDeCoを同時に受け取った場合は合算するので注意が必要です。

上記の例で、60歳で退職したとき、仮に退職金が2000万円あったら、iDeCoの一時金と退職金の合計額は3000万円になります。つまり、
3000万円-2060万円=940万円→税金がかかる

退職金の場合、この金額の半額を退職所得とするので、470万円に対して所得税がかかります。

所得税の金額は、以下の速算表で計算できます。課税される所得金額に税率をかけ、控除額を差し引きます。

●所得税の速算表

所得税の速算表で計算すると、
470万円×20%-42万7500円=51万2500円

所得税は51万2500円かかります。
このように、iDeCoと退職金を同じ年に受け取ると、税金が高額になる場合があるのです。

退職金を受け取った5年後にiDeCoを受け取ると

では、退職金とiDeCoを同時に受け取らなかったらどうなるでしょうか。退職金を60歳に受け取ってから、5年後の65歳でiDeCoの一時金を受け取った場合を考えてみましょう。

退職金を60歳で2000万円受け取った場合の退職控除は
退職所得控除額=800万円+(70万円×(38年-20年))=2060万円

退職金から退職所得控除を差し引きます。
2000万円-2060万円=マイナス→税金はかからない
退職金の受け取り時には税金はかかりませんでした。

その5年後、iDeCoを65歳で1000万円受け取るとします。
退職金に税金がかかっていなかった場合には、勤続年数の調整があります。

iDeCoを受け取る際、過去15年以内に退職金の一時金を受け取っていると、重複している年数を退職所得控除の勤続年数から差し引きます。
この例では、iDeCoに加入していた期間は会社員として働いていた期間と同じですので、重複している年数を差し引くと、勤続年数は0年です。
退職所得控除額=40万円×0年=0円

ただし、「退職所得控除が80万円に満たない場合には80万円として計算する」というルールがありますので、退職所得控除は80万円になります。

したがって、iDeCoの一時金から80万円の退職所得控除を差し引きます。
1000万円-80万円=920万円

920万円の半分が退職所得なので、460万円に所得税がかかります。
上の速算表で計算すると、所得税は49万2500円です。
460万円×20%-42万7500円=49万2500円

以上をまとめると、
・60歳で退職金2000万円とiDeCo1000万円を同時に受け取る
→所得税は51万2500円
・60歳で退職金2000万円、65歳でiDeCo1000万円を受け取る
→所得税は49万2500円

この場合は、退職金を受け取った後にiDeCoを受け取ると節税効果があることがわかりました。

ただし、税金の金額はiDeCoの加入年数や勤続年数、それぞれの金額によって異なり、誰にでも当てはまるおトクな受け取り方というものはありませんので、注意が必要です。

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35歳で転職していたらどうなる?

設定を変えて、35歳で転職、60歳までの25年勤務して退職金が1500万円だった場合を考えてみましょう。
iDeCoは、さきほどと同じ、35~60歳までの運用で一時金が1000万円です。

60歳で退職金とiDeCoを一緒に受け取った場合、退職所得控除は、
退職所得控除額=800万円+(70万円×(25年-20年))=1150万円

退職金とiDeCoから退職所得控除を差し引きます。
(1500万円+1000万円)-1150万円=1320万円
1320万円の半分が退職所得なので、675万円に所得税がかかります。
速算表で計算すると、所得税は92万2500円です。

これに対して、60歳で退職金、65歳でiDeCoを受け取った場合も計算してみましょう。

まず、退職金から退職所得控除を差し引きます。
1500万円-1150万円=350万円

350万円の半分が退職所得なので、175万円に所得税がかかります。
速算表で計算すると、所得税は8万7500円です。

その5年後、iDeCoを65歳で1000万円受け取った場合、先ほどと同様に勤続年数に調整が入って、0年で計算します。
退職所得控除額=40万円×0年=0円
ただし、80万円に満たない場合には80万円というルールがありますので、退職所得控除は80万円になります。

iDeCoから退職所得控除を差し引きます。
1000万円-80万円=920万円
920万円の半分が退職所得なので、460万円に所得税がかかります。

速算表で計算すると、所得税は49万2500円です。
460万円×20%-42万7500円=49万2500円

まとめると、
60歳で退職金1500万円とiDeCo1000万円を同時に受け取る
→所得税は92万2500円
60歳で退職金2000万円、65歳でiDeCo1000万円を受け取る
→所得税は退職金が8万7500円、iDeCoが49万2500円で、合計58万円

このケースでは、退職金を受け取った後にiDeCoを受け取るとさらに節税効果が大きいことがわかりました。

年金形式で受け取るなら

iDeCoは一時金のほか年金で受け取ることもできます。
年金受け取りの場合は雑所得の扱いで、公的年金等控除が利用できます。ただし、iDeCoの年金と同時に、厚生年金や国民年金の老齢年金を受け取っていると所得は合計して計算されます。

所得税は累進課税といって、所得が多いと税率が高くなる仕組みなので、iDeCo以外の年金やその他の収入の金額によっては税負担が重くなることも考えられます。
しかも、影響は所得税だけにとどまらず、住民税や健康保険料、介護保険料、医療費の上限額などにも関係するので、決して軽く考えることのできない問題です。

税負担はiDeCoの受け取り金額だけではなく、退職金や老齢年金の金額、勤続年数などによっても異なります。
受け取る時にもおトクになるように、しっかりシミュレーションをして決めるようにしましょう。

タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)

36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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