20/01/13
こどもが20歳成人に! 我が子の年金不安を解消しつつ節税できる裏ワザ
こんにちは、婚活FP山本です。子供が成人するということは、親として非常に喜ばしいことと言えますが、成人したからこそ「子供を取り巻く環境」も大きく変わります。しかし子供自身は「まだまだ子供」なことも多いですから、代わりに親が注意することが必要です。
今回は、特に大切なお金の変化、「国民年金」の納付についてお伝えします。
20歳になったら納める国民年金
国民年金は、保険料を納めることで、老後にわたって年金が受け取れるようになる制度です。
国民年金の保険料を納めなくてはいけない人の条件は、「日本国内に居住している20歳以上60歳未満の方」です。このため、たとえ子供が大学生であっても20歳になったら国民年金保険料を納めなければなりません。
ちなみに令和元年度の国民年金保険料は、月々1万6410円です。学生にとっては、けして安くない金額でしょうね。
20歳になると年金手帳が手元に届き、保険料の納付を促されることになります。しかし子供がまだ学生の場合は、「学生納付特例制度」を申請することも可能です。これを申請することで、保険料を納付することなく国民年金に加入している扱いになります。
この制度で納めなかった保険料は、10年以内であれば後から納めることも可能です。しっかり納めた分だけ将来的な年金額を増やせることになるので、できればちゃんと追納することをおすすめします。
なお、この制度の承認を受けた年度の翌年度から3年度目以降に保険料を追納する場合は、一定の加算額も必要になるので注意しましょう。
親が肩代わりすることで、節税しながら年金額を増やせる
国民年金保険料は当人が納めるのが基本ですが、親が肩代わりすることも可能です。肩代わりした保険料は、親が自分の「社会保険料控除」として使うことができます。つまり親としては、子供を支援しつつ自分の節税をすることにもなるわけです。
基本的な国民年金保険料は1万6410円ですから、1年で19万6920円となります。およそ20万円ですね。この全額が社会保険料控除の金額にできます。節税できる金額は親の年収で変わりますが、仮に所得税率が20%なら約4万円、10%の住民税と合わせて約6万円程度の節税になります。
また、第1号被保険者が加入できる国民年金基金の保険料は最大月額6万8000円(年額81万6000円)です。こちらも肩代わりすれば、国民年金と合わせて総額100万円程度にもなります。仮に所得税率が20%なら20万円、住民税と合わせて30万円もの節税です。
ただし、国民年金基金に加入すると、国民年金に上乗せできる付加保険料を納めることはできなくなります。また自由にやめることもできません。とはいえ、将来的に子供が会社員になれば国民年金基金の加入資格は失うことになりますから、あくまで学生のうちの話と考えましょう。
子供の負担も親の負担も減らすことを考えよう
今や大学生の約半数が奨学金や教育ローンを使っている時代です。幸い、就職においては「売り手市場」とされていますが、それでもブラック企業や長時間労働が問題視され、終身雇用も崩壊しています。また年収も一向に上がらないことも多いのが実情です。
そうこうしているうちに子供が結婚するかもしれませんが、金銭的な理由で女性でも結婚できないかもしれません。可能な限り、子供の負担を減らすことをおすすめします。
もちろん、親も親で大変なことが多いです。本当に厳しい時代ですね。だからこそ家族単位で総合的に考えていきましょう。子供の年金を肩代わりすることで、親の負担も減らせたら、一石二鳥ですね。
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山本昌義 山本FPオフィス代表
商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年に独立。現在は日本初の「婚活FP」として、婚活パーティを開催しながら婚活中の方や結婚直後など、比較的若い方の経済面・心理面のご相談をメインに受けています。まずは一度、彼氏や旦那のグチでも言いに来て下さいね。山本FPオフィス
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