19/10/17
「投資信託なんてダメ」と疑わないアラフィフに贈る、本当に稼げる投資信託の買い方
個人の資産形成に最強のツールとされる投資信託。
少額から投資でき、コストも安く、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)やNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)、つみたてNISAなど税優遇も使えるとあって、老後資金がそろそろ気になるアラフィフ世代が活用しない手はありません。
ところがアラフィフ世代の中には、投資信託に悪いイメージを持つ人もいるようです。投資信託ときくだけで、「投資信託? あんなの損するだけ!」とまるでダメ男に引っかかった、とでも言わんばかりにしかめっ面をする人も。
それは、昔の失敗の苦い記憶があるからかもしれません。
そんな方へ、過去の投資信託の失敗を振り返りつつ、今から投資信託を賢く買うための方法をお伝えします。
過去の失敗に共通する3つのポイントとは
アラフィフ世代のAさん、Bさんにインタビュー。どんな失敗があったのでしょうか。
●失敗談その1:Aさんの場合:
Aさんは20代の頃、友人C子が投資信託で儲かったというのを聞き、さっそく証券会社の店頭へ向かいました。すると、営業マンに「こちらが今人気の投資信託です」とその証券会社で売れている人気ランキングを見せられました。
Aさんは人気商品なら大丈夫、と勧められるまま上位のものを100万円分まとめて購入します。ところが半年後、その投資信託は40%も下落。Aさんは40万円も損をしてしまいました。
●失敗談その2:Bさんの場合
時はアベノミクス相場。株価絶好調と知ったBさんはひと儲けしようと証券会社へ。日経平均株価は3万円台を目指しますよ、という営業マンの後押しもあり、Bさんは貯金のほとんど使って日経平均連動型投資信託を一括で購入します。ところがその後チャイナショック、ブレグジットなどが起きてしまい株式相場は大暴落。運悪く高値掴みをしてしまったBさんは慌てて売却してしたものの、資産の約3割を失いました。
Aさん、Bさんに共通する大失敗の要因は、大きく3つあります。
①営業マンに勧められるまま買った
②商品内容を理解していないまま投資した
③短期売買目的で一括購入した
Aさんが買う決め手となった人気ランキングとは、金融知識を持った投資家の評価ではなく、金融機関がオススメしたい商品を顧客に販売した結果として出来たものです。そのような投資信託は、旬が過ぎれば乗り換えるべきだったり、販売手数料が高めだったりします。営業マンに勧められるまま安易に買ってしまったら、それこそカモになる可能性が高いのです。
また2人とも、1回の購入で大金を投じています。しかし、一歩先のことはわからないのが株式相場。プロでも正確にはわからないのです。そこで一括購入してしまうと、相場次第では大損をしてしまうリスクがあります。
では、これらの教訓を生かして、本当に稼げる投資信託を買うには、どうすれば良いのでしょうか?
本当に稼げる投資信託を買う3つのポイント
賢く投資を行うには、3つのポイントがあります。
①非課税制度をうまく使うこと
現在、私たちの周りには、iDeCoやNISA、つみたてNISAなど、個人の資産形成をサポートする税の優遇制度がたくさんあります。これらを上手く利用することで、税コスト分の利益を手にすることが出来ます。
②コストの安いインデックスファンドを買うこと
「低コストのインデックスファンドを選びなさい。そうすれば9割の投資家よりも上手くやれるでしょう」
これは、投資の神様「ウォーレン・バフェット」の言葉です。
投資信託は現在6000本以上あるといわれています。そのなかで、アラフィフ世代の資産形成でオススメなのが、低コストで世界全体の成長に投資できるインデックスファンドです。世界の株式市場に幅広く分散投資することで、世界の経済成長が続く限り、お金を増やすことができると考えられます。
また投資信託を選ぶときには、コスト面を意識することも重要です。特に、持っている間かかる信託報酬が安いものを選ぶことで、長期間の運用成果に大きな差が出ます。
③積立投資をすること
まとまったお金があっても、Bさんのように一括購入してしまうと高値掴みのリスクがあります。積立投資で少しずつ買っていくことで、買いタイミングが分散できます。すると、安いときにはたくさん買い、高いときには少ししか買わないので、平均の購入単価を引き下げることが期待できます。これによって、大幅な損失を防ぎつつお金を増やしていくのです。
これら3つのポイントを押さえることで、本当の意味で「稼げる」投資を行うことが出来るでしょう。
ダメ男(商品)と思っていた「投資信託」も、賢く使うことで、アラフィフ世代の資産形成を支える最高のパートナーとなるのです。今からでも、ぜひ再チャレンジしてみてください。
*本記事で紹介する個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。購入する場合は自己責任でお願い致します。
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岡田 禎子 「投資は面白い」がモットーなFP日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP)
証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴しさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう、執筆とセミナーなどで活動中。
TVドラマ「インベスターZ」の脚本協力なども行なっています。
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