18/12/20
副業の20万円超は確定申告が必要? 副業パターン別の確定申告の注意点
2018年は「副業解禁元年」と呼ばれました。副業をして、メインの給与以外に収入を得た人も多いのではないでしょうか?
しかし、副業で得た収入にも、税金がかかる場合があります。「どうせばれないだろう」などと思ってごまかしていると、後からペナルティが課せられることもあるのです。
税金を納めなければならない人はどんな人でしょうか。税金額を計算する確定申告のしくみとともに解説します。
確定申告のしくみ
確定申告は、1年間の所得を計算して税金を支払うための手続きです。
1月1日~12月31日までの1年間の所得を計算し、2月16~3月15日の期間に申告を済ませて税金を支払います。
所得とは、収入から経費を引いたものです。副業の所得が20万円を超えたら確定申告が必要になります。
副業パターン別の確定申告の注意点
(1) 所得区分によって経費の取り扱いが違う
所得には全部で10種類の区分があります。その中から副業の所得はどのカテゴリーなのかを判断します。所得区分によって、経費の取り扱いが違うことに注意が必要です。
〇副業がパートやアルバイトであれば給与所得
パートやアルバイトの所得区分は、メインの給与と同じ給与所得です。メイン以外からも給与をもらっている人は、給与が20万円以内であっても確定申告が必要です。
給与の場合、経費という考えはなく、その代わりに給与所得控除といって、給与の収入額により引ける額が決まっています。
副業でも給与所得を得た場合、給与所得の合計が増えるため、住民税が増えることになる点に注意しましょう。
パートやアルバイトの場合、メインの給与と同じように、年末に源泉徴収票がもらえます。
〇副業が原稿収入や広告収入であれば雑所得
雑所得は、経費があれば収入から差し引くことができますが、雑所得に関係する経費以外は、私的な支出になり脱税とみなされる可能性がありますので注意しましょう。また、雑所得で赤字になったとしても、その赤字は他の所得から差し引くことはできません。
〇副業が投資
投資などで確定申告不要でも、赤字が出ている場合は確定申告を検討してみてください。確定申告をすることで、赤字が出た年以降3年間は投資で出た黒字から所得を差し引くことができ、黒字の年に税金がもどってきます(損益通算)。ただし、NISAやiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)ではこの制度は使えません。
(2) 配偶者控除(配偶者特別控除)で配偶者の収入がわかってしまう
配偶者控除(配偶者特別控除)とは、扶養している配偶者の給与収入が103万円(201.42万円)の場合に納税者の所得から差し引くことができる控除です。
配偶者控除は、配偶者の給与収入額により控除額が変わります。配偶者がいくつかパートを掛け持ちしている場合は、給与収入を合算して判断することになります。
しかし、配偶者の収入がわからずに配偶者控除を受けてしまった場合、マイナンバーで配偶者の収入もわかるようになっているので、後日税金を課せられます。住民税にも影響し、重たいパンチとなります。しっかり確認しましょう。
確定申告の手間を減らすコツ
(1) 収支をつける
副業の利益を計算するために、エクセルやメモなどで収入と経費を集計しておくと便利です。収入と経費は別々に集計するのがポイントです。
(2) 国税庁のHPを活用
確定申告には、ぜひ国税庁のホームページを活用しましょう。ステップ通りに進めるだけで、あっという間に確定申告書ができあがります。時短したい人は、ぜひ使ってみてください。源泉徴収票と(1)で用意した収支を用意しておくとスムーズに手続きできるでしょう。
まとめ
確定申告をすると、正しく税金を納めることができるのはもちろん、副業の稼ぎをしっかり把握するのにも役立ちます。自分の1年間の成果を振り返るとともに、来年の目標を考える機会にしてはいかがでしょうか。
確定申告時期になって慌てないように、今のうちから準備しておきましょう。
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山田 香織 中小企業診断士、 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
FP歴10年。会計事務所で11年間、経営・税務相談業務を経験した後、FP事務所を開業。
個人から中小企業者まで経営に関する相談実績がある。現在は、会計・税務の経験を活かして、家計・経営相談を受ける。執筆活動も積極的に行う。
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