26/04/26
【知らないと損】「再就職手当」と「高年齢再就職給付金」はもらえるお金が全然違う

会社を退職し失業給付(雇用保険の基本手当)を受給しても、在職中に比べたら収入が減る可能性は高いので、生活費をどう工面していくか考える必要があります。そんなときに注目したいのが「再就職手当」と「高年齢再就職給付金」です。再就職手当と高年齢再就職給付金ははどのような場合にもらえて、併用は可能なのでしょうか?また、どちらをもらう方がお得なのか、試算した結果をご紹介します。
失業給付を受給中に早く再就職するともらえる「再就職手当」
「再就職手当」とは、失業給付を受給し、早期に再就職または事業を開業した場合にもらえる給付金です。支給額は失業給付の支給残日数に応じて決まります。
再就職手当の額は以下のように計算します。
○基本手当日額(失業給付の日額)×支給残日数×60%または70%
・失業給付の支給残日数を3分の2以上残して再就職した場合:支給残日数の70%の額
・失業給付の支給残日数を3分の1以上残して再就職した場合:支給残日数の60%の額
また、再就職手当をもらうには以下の要件をすべて満たす必要があります。
・失業給付の受給手続き後、7日間の待期期間を経て再就職または事業を開始している
・失業給付の支給残日数が3分の1以上残っている
・離職した会社や関連企業への再就職ではない
・失業給付の給付制限がある場合、待期期間満了後の1ヵ月間はハローワークや職業紹介事業者から紹介された会社への就職である
・1年以上勤務するのが確実である
・原則として雇用保険の加入者になっている
・過去3年以内に再就職手当や常用就職支度手当をもらっていない
・失業給付の受給資格決定前から採用内定をもらっている会社への就職ではない
再就職手当を受給予定の人は、要件を満たしているか確認しましょう。
再就職後の給与が離職前より少ないときにもらえる「高年齢再就職給付金」
「高年齢再就職給付金」とは、60歳以上65歳未満の人で、再就職した会社の賃金が離職前の75%未満に減った場合にもらえる給付金です。再就職後の賃金月額が、失業給付の基準となる賃金日額を30倍した額の75%未満になる場合、再就職先からもらう賃金の10%を限度に支給されます。
高年齢再就職給付金の計算式は以下のとおりです。
○再就職先の賃金月額×支給率(0~10%)×受給期間の月数
また、高年齢再就職給付金をもらうには以下の要件を満たす必要があります。
・60歳以上65歳未満で再就職し、雇用保険に加入している
・離職した会社で雇用保険に5年以上加入している
・失業給付の支給残日数が100日以上ある
・再就職先の賃金が失業給付の基準となる賃金日額の30倍に比べ75%未満になっている
・1年以上雇用されることが確実である
・同一の就職で再就職手当をもらっていない
高年齢再就職給付金の受給期間は、失業給付の支給残日数に応じて決まります。
・支給残日数が200日以上の場合:2年間
・支給残日数が100日以上200日未満の場合:1年間
高年齢再就職給付金をもらうときは要件を満たしているかどうか、また受給できる期間を確認しましょう。
再就職手当と高年齢再就職給付金、どちらがお得?
退職して雇用保険の失業給付をもらい早期に退職する場合、状況によっては再就職手当と高年齢再就職給付金のどちらも受給要件を満たす場合があるかもしれません。そんなとき、どちらをもらうのがお得なのか気になりますね。
ここで、下記の前提条件をもとに再就職手当と高年齢再就職給付金の金額を試算してみましょう。
【前提条件】
・60歳で退職
・60歳時点の賃金;月額30万円
・失業給付を算出する際の基本手当日額:5310円(2026年7月31日までの再就職手当にかかる基本手当日額の上限額)
・所定給付日数:150日
・失業給付の支給残日数:120日(3分の2以上残している)
・再就職後の賃金:月額20万円(離職時の約67%)
・高年齢再就職給付金の給付率:6.95%(厚生労働省の支給率早見表より)
●再就職手当の金額は?
再就職手当は、失業給付の支給残日数を3分の2以上残して再就職しているので、支給残日数の70%をもらえます。
再就職手当の金額=基本手当日額×支給残日数×70%
=5310円×120日×70%=44万6040円
この場合の再就職手当は【44万6040円】になります。
●高年齢再就職給付金の金額は?
再就職先の賃金は離職時の約67%なので、75%未満の要件を満たします。また、失業給付の支給残日数は120日なので、受給期間は1年間(12ヵ月)です。
高年齢再就職給付金の金額=再就職先の賃金月額×支給率×受給期間の月数
=20万円×6.95%×12ヵ月=16万6800円
この場合の高年齢再就職給付金は【16万6800円】です。
試算のケースでは、再就職手当の方が多くもらえることがわかりました。
どちらを選ぶか迷うときは、もらえる金額を試算してみるとよいでしょう。
再就職手当と高年齢再就職給付金は併用できる?
再就職手当と高年齢再就職給付金の受給要件を見ると、両方とも受給できる場合があるかもしれません。ただ、この2つの給付金は併用できず、どちらか一方を選ぶことになるので注意しましょう。
また、受給申請のタイミングは、再就職手当は再就職日の翌日から1ヵ月以内で、高年齢再就職給付金は最初の支給対象月の初日から4ヵ月以内です。
仮に再就職手当を申請して不支給となった場合、不支給に通知があった日の翌日から7日以内であれば高年齢再就職給付金を申請できます。
より多くもらえる方を選ぼう
退職して失業給付(雇用保険の基本手当)をもらい早期に再就職すると再就職手当を、また60歳以上65歳未満で退職し、失業給付を受給して再就職した会社の賃金が75%未満に低下した場合は高年齢再就職給付金をもらえます。ただ、この2つの給付金は併用できず、自分でどちらかを選択しなければなりません。一度選択すると後から変更や取消はできないので、受給要件や受給額を確認したうえで、自分にとって最適な方を選びましょう。
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前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。
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