24/12/12
削ると死ぬときに後悔する5つのお金
大富豪を除いてたいていの人は、お金を制限なく使う生活を送ることはできません。そればかりか老後のお金を貯めなくちゃ、物価が上がってたいへんなので節約しなければと、お金にまつわる心配や悩みは尽きません。それならとことん節約して暮らせばいいかというと、度を越した節約は人生を楽しむことができなくなってしまいます。
今回は、節約しすぎることで人生を後悔することにつながるお金を紹介していきます。
死ぬときに後悔することはどんなこと
死ぬことはまだ先のことで、自分事としてとらえにくいでしょう。しかし、例外なく死はすべての人に訪れ、死ぬときに後悔して気づくことが多いものです。末期医療の専門家である大津秀一氏は、1000人を超す患者さんたちの言葉からやり残した後悔を『死ぬときに後悔すること25』の本の中で記しており、ウェア・ブロニーの『死ぬ瞬間の5つの後悔』は世界中で翻訳されています。
この2冊の本に共通することは、死ぬことにくらべれば今までの障壁など些細なことで、自分らしく生きていればよかったと後悔している人が多いことです。すべてがお金に関する内容ではありませんが、自分自身の身の振り方でお金の使い方は変わり、自分を充足させるためのさまざまな可能性があります。これらの本の後悔を参考に人生の過ごし方、つまりお金の使い方を考えれば、人生を好転させることもできると思います。
節約しすぎると人生を後悔することにつながるお金には、次のようなものがあります。
死ぬときに後悔するお金1:食費
節約というと、まず食費を思い浮かべる人は多いでしょう。ましてやこの数年の物価の上昇で、できるだけ安く買いたいと思うのは当然です。しかし、行き過ぎた食費の節約で、一日の作業効率が下がったり、病気をして医療費がかかってしまったりすれば、食費の節約は逆効果になります。食費の節約で健康を害してしまえば、後悔は尽きないでしょう。
食事は命をつなぐためだけではなく、人生の楽しみでもあります。死ぬとき後悔することにも「美味しいものを食べておかなかったこと」があります。お金を使わなくても、自炊を多くするなど満足できるバランスのとれた食事を心がけたいものです。
死ぬときに後悔するお金2:自分の学びたい知識やスキルのためのお金
使えるお金を増やすためには、方法が2つあります。1つはお金を使わないこと。そしてもう1つは入ってくるお金を増やすことです。長寿化が進む中では、学校教育の知識だけでは長い人生を渡っていくことはできません。本当にやりたいことのために、「お金がかかるから」という理由で知識やスキルの習得をあきらめていると、発展性がなく、新しいチャンスや経験を手にすることができなくなります。
『死ぬ瞬間の5つの後悔』で一番多い後悔は、もっと自分のために生きればよかったと思うことです。お金がないから、時間がないから、家族がいるから…。何かに耐えたり、妥協したり、犠牲にしていると感じているのなら、やりたいことを実行する勇気が大切です。
死ぬときに後悔するお金3:健康づくりのためのお金
健康な時には、健康のありがたみには気づきにくいものです。ベッドの上で過ごす時間が長くなると、もっと運動を習慣化して体力を保てるようにすればよかったとか、早めの受診や健康診断に行っていればよかったなどと思うでしょう。運動をするとストレスを減らすことでき、気持ちをポジティブに保てるそうです。今ある健康に感謝するだけでも、人生を前向きにとらえることができます。
死ぬときに後悔するお金4:思い出づくりのためのお金
体が動けなくなったときに、楽しい思い出があると幸福感や満足感が高まるそうです。豪華な海外旅行ではなく、家族でキャンプに行く、誕生祝のパーティーを開くなどのイベントでもいいのです。身近な大切な人との思い出づくりは、人生の質を高めてくれます。
「会いたい人に会っておけばよかった」「行きたい場所に旅行すればよかった」「趣味に時間を割かなった」などと、死ぬときに後悔することが多いそうです。
死ぬときに後悔するお金5:人付き合いのためのお金
両親や親族と離れていると、毎回の帰省費用が10~20万円かかるということもあります。また、お世話になっている人へのプレゼントやおみやげも買わないと…となると、相当な金額の負担を感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、人間生身なので、次はいつ会えるのか分かりません。
数年前のことですが、遠くに住む筆者の叔父が病気になりました。慌ただしい年末にもかかわらず、他の親族にも声をかけ、両親を連れて叔父に会いに行きました。空港での車いすの手配、ホテルの予約などの手間がかかることもありましたが、結局その時が最後の再会になりました。忙しい、面倒だ、お金がかかることを理由に実行していなかったら、おそらく後悔が残っていたと思います。
本当の節約は自分に向き合う行為
浪費している部分は見直していくべきですが、義務感や強迫観念で続けていく節約は精神的に辛いですし、我慢を強いられます。何もかも節約するのではなく、自分がどこに価値を感じているかを知り、本当に欲しいものにお金を使うことが大切です。
当たり前のことですが、使えるお金には限りがあります。そのお金をただ欲しいと感じるままに買っただけで終わったり、仕事のストレスを発散するために気の向くままに使ったりするのは、とてももったいないことです。必要なことにはお金を使い、浪費や無駄遣いを減らして自分軸を持てるようになることが、本当の節約と言えるのではないかと思います。必要なことにお金と時間を割いていないと、本当に死ぬときの後悔につながってしまいます。
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池田 幸代 株式会社ブリエ 代表取締役 本気の家計プロ®
証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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